5/10 麻酔がなかなか切れなくて

歯科通院。虫歯の治療へ。

「麻酔はすごいな」と、麻酔をするような治療をされるたび毎回思う。聞こえてくる音や伝わってくる振動だけで、ノーガードだったら大変に痛くて怖いであろう行為を長時間にわたってされていることがわかる。けれども、麻酔だ。最初の「ちょっとだけちくっとしますよ〜」さえ乗り越えてしまえば、あとは(多分)大分痛みを軽減してくれているの、すごい。ありがたい。ブラボー麻酔。

そんな治療中、長時間口を開けっぱなしで左口角は引っ張られていて、顔の上半分にはタオルがかけられ、口の中では何やら工事のような音がしている、そんな状況があった。途中で、はっと気がつくまで、頭の中が「無」だった。何も考えてなかったし、何も浮かんでいなかった。ある意味、瞑想状態。「わたし今『無』じゃない!?」と気がついてからはもう頭の中はずっと思いついてひとりおしゃべりで騒がしかったけれど。
わたしは、髪の毛を切りにいってシャンプーしてもらっているときと、歯科での治療中、無のゾーンに入れがちな気がする。人に体を預けているときというか、なすがまま、されるがままのときに無になる? ……それって、あきらめ、無抵抗、みたいなこと? いや、ちょっと違うよな……。

口の中の左下の方に打たれた麻酔がしっかり効いていて、口をゆすいだら、左の口角がら水が勢いよく漏れた。水鉄砲くらい水が飛んでいった。びっくりした。口、ちゃんと閉じれてないんだ!?  控えめに口をゆすいでも水が飛び出る。体が自分の思い通りに動かない不便を味わった。

治療が終わって、「麻酔が切れるまで飲食は控えてくださいね〜。1、2時間で切れると思います〜」と言われた。お昼ごはんを食べていなかったのでお腹が空いていたけれど、しばし我慢だ。そのかわりで麻酔が切れたら食べたいものをしこたま買って帰った。
なのに、2時間待ったところで、全然麻酔が切れる気配がない。むしろ下唇にまで麻酔の効いている範囲が広がっているような感覚さえあるけれど、大丈夫!? お腹空いた……。……などと思いながら家事をこなしていたら、治療が終わったところから4時間が経ったところで、急にすとんと麻酔の効果が切れた。直前まで「まだだな、本当にお腹空いたな。そろそろ食べないと夕飯に響くぞ」などと考えていたところだったのに、本当に急に麻酔が抜けた。なんだったんだ。
遅い昼ごはんのおまけで「歯の治療、頑張ったで賞プリン」を買って帰ってきていたので、味わいながら食べた。病院に行くと、なんかごほうびを買ってしまう習慣が身についている。頑張ったのは先生とか看護師さんとかなのにね。まぁ自分も頑張ったか。みんなえらい。


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