1/22 飲み慣れないふたり

特に何の記念日というわけでもないけれど、シャンパンを買ってきた。ウイスキーが趣味な旦那さんが、ウイスキーの蒸留所のある街でつくられたシャンパンと知って、興味を持って買った。

もともとお酒に弱いふたりだ。夜ごはんのあと、まったりするときに飲むのはもっぱらコーヒーや紅茶(旦那さんはときどきウイスキー)で。シャンパンを飲む用のグラスなんて、家にはない。普通のコップを用意した。

旦那さんが、ボトルの口を覆っていた紙(キャップシールというらしい)を取り、コルクを押さえている針金のぐるぐるした留め具を取り、ボトルをテーブルに置いた。「ここ(リビング)で開けるので大丈夫? 吹きこぼさない?」と聞いたら、旦那さんは「わかんない」と言いながら台所に行き、戻ってきたところで。

コルクが勝手に「ポンッ」といい音をして弾け飛び、ボトルの口からシャンパンが溢れ出した。

旦那さんはあわててボトルをつかみ台所に向かい、わたしは一瞬フリーズした後、「テーブルと床拭かなきゃ」とペーパータオルを取りに動いた。大惨事。夜中に突然の床拭き掃除大会が開催されることになった。

ひととおり終わってからやっと飲んだシャンパンは、お酒が苦手なわたしでもするする飲めるくらい、飲みやすく、おいしかった。ただいまよっぱらいだ。

飲み慣れないふたりは、シャンパンの留め具を外したあと、そのまま放置してはいけない、ということを学んだ。多分だけれど、暖房が直撃するあったかいところだったのも悪かった。

経験しないと知る由もないこと、って、あるなぁ、と思った。何事も経験。

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