7/28 切り離す

髪の毛が伸びてきた。まだ大丈夫、とも思ったけれど、来週は忙しそうだし、その次の週はもうお盆だし、となったら切りに行くタイミングを逃しそうだと思ったので、昨日の夜に、今日の予約を取った。いつも担当してもらう美容師さん、ちょうどいい時間に予約枠が1枠だけ空いていた。ラッキーだ。

予約の時間に、汗ででろんでろんになってサロンに行った。長年お願いしている美容師さんは、いつも最初は「おまかせで」「ノープラン」とかしか言わないわたしの希望を、丁寧にヒアリングして聞き出してくれる。髪の毛を扱う技術だけじゃなく、コミュニケーション力もいる、大変な仕事だよ……。って、最近、「コミュニケーション力がいらない仕事の方が少ない」ということに気がついたのだった。そうだった。

髪の毛を切ってもらいながら、いろいろな話をした。近況報告。最近読んだ本の話や休日の過ごし方、健康管理についてや仕事論。どの話も発見があっておもしろかったのだけれど、「日本の技術職は総じてフィーが安すぎる」という話が印象に残った。仕事の値付けは難しい。
自分の本職は、世の中にあまりスタンダードな金額感のない仕事で。こっちの見積もりに対して、相手が「そんなもんなのか」と思うという状態。もしくは、相手によって「えっ、高い!」とも「あれ、安い」とも言われる。反応まちまち。そんな仕事について、美容師さんに、「あなたがこのサービスを受けるとしたら、いくらなら納得して払います?」という質問をしてみたら、すごく真剣に考えてくれて、類似サービスとの比較検討もした上で、で、出してくれた金額が、自社の今の見積もりに近いもので。自分的には「見積もり、ちょっと高いんじゃないかな……」と思っていたので、「クライアント様、意外と納得感を持って、みなさん契約してくれているのかもしれない」などと思った。仕事と直接関係のないところで、信頼のできる人の忌憚のない意見を聞けてよかった。発見と腹落ち。

そんな話をしながら、しっかり手も動かしてくれて(すごいな、あれだけ頭を悩ませながら、しっかりヘアスタイルもつくって。どっちかだけでいっぱいいっぱいになりそうなのに。二刀流。)。全体的に伸びていたのを、しっかりきゅっとまとめてくれて、頭の形が小さくなった。うれしい。

近くの喫茶店でお昼ごはんを食べた。隣のテーブルで、おじいちゃんと、対面にスーツの男女2名が座って、何やら商談だかプレゼンだかしていた。おじいちゃんが騙されていないかと勝手に心配したけれど、話の内容はあまり聞こえなかった。

家に帰ったら、髪の毛がさっぱりした効果なのか、急に片づけ欲が湧いてきた。段ボールをくくり、ごみやら不用品やらをどんどんまとめた。「ほとんど旦那さんの趣味のものを通販で買った段ボールを、なんでわたしがくくらなきゃいけないんだ!」「飲み終わったペットボトル、なんでその場で処分しないんだろう……」「レシート、くしゃっとしてポッケに突っ込んで、そのあと見直すわけでもなし、最終的に家の床に落としてごみにするんなら、最初からもらわなきゃいいのに!」などと怒りが湧いて、ひとりごとで盛大に文句を言った。旦那さんの、段ボールを開けたらすぐに中身に夢中になって段ボールやゴミをそのままそこに放置するの、本当にやめてほしいんだよな……。何度言っても直らないし、中身を出したら段ボールは見えなくなるらしく、いつまでたっても片づけない。結局我慢できなくなったわたしが片づけるといういつものパターン。どうにかしたい。

文句を言いつつも、1時間近く頑張ったら、部屋が大分すっきりきれいになった。気分がよい。

あとから知ったのだけれど、明日は新月らしい。というか、今日の夕方からもう新月モードらしい。新月にはいろいろ「手放す」といいと聞く。髪の毛を切ったのも、部屋の片づけをしたのも、そういうタイミングだったんだな、と思った。

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