たとえ、伝わりきらなかったとしても
あの時、厳しくしてくれた上司へ
覚えているかわかりませんが、あなたの元でしばらく働いていた者です。新卒で働き始めたばかりの私はあなたが言ってたことの2割くらいしか、理解してませんでした。2割も理解していたか、どうかもわかりません。
人を育てる立場になって、やっとあなたが言ってたことがわかってきました。全部をわかった訳ではないけれど。
人に厳しく接する、本気で向き合うということは、とてもエネルギーがいるんですね。。嫌われたり、恨まれたりするかもしれない、それでも必要な時は、厳しめに言ってくれた。当時は、あなたが怖いから言うことを聞いてましたが、今になってあなたがなぜあんなに厳しく言ったのか、わかりました。私が働く上で、とても必要なことだったから。
あなたに教えてもらったことを、今私の後輩に教えています。あの時のあなたも、当時の私に100パーセント伝わると思ってはいなかったのではないでしょうか。あなたの伝えたかったことは、長い年月が過ぎてやっと伝わりましたよ。100パーセントではないかもしれませんが。
親が子を思って叱る時、先輩が後輩を叱る時、その時は真意がきちんと伝わることなんて、少ないでしょう。それでも、真剣に伝えてくれたことに感謝する時がきます。
人のセンサーって不思議で、本気で思ってくれて、厳しく言われたことと、ただの嫌がらせで辛く当たられたことは、違うとわかります。
本気で伝えてくれたことは、種子となって、根を張り、その時がくれば芽を出します。今の私がそうであるように。
だから、いいんです。今、嫌われて、恨まれても、それでも、いつかわかってもらえたら、それで良いんです。そう思えるようになりました。
自己満足なのかもしれないし、わかってもらえずじまいかもしれません。それでも、大切なことを伝えなかったことを後悔したくない。
相手にきちんと伝わるということは、奇跡なんじゃないでしょうか。違う人間同士だから。今、残した言葉は、今伝わらないかもしれない。でも、いつか、何かのタイミングで、土がスーッと水を吸収するように、伝わることがあるかもしれない。
だから、伝えること、伝わることを諦めない、と決めました。
直接、お伝えできずすみません。今更ですが、真剣に向き合ってくれたことに感謝しています。ありがとうございました。
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