YPP(ヤングプロフェッショナルプログラム)の受験記

国際機関ではたらくことを目指しているかたは、一度はYPP(ヤングプロフェッショナルプログラム)についてきいたことがあると思います。

今回は私がこれまで経験したYPP(ヤングプロフェッショナル・プログラム)の受験体験について共有します。これから受験されるかた、受験を考えている方のご参考になれば幸いです。

YPP(ヤングプロフェッショナルプログラム)とは?

元「国連競争試験」であり、国際連合や関連機関に幹部職員候補として入るための選抜試験です。

よって、YPPとして働きだした方は職員のなかでもエリート職員として認識されます(牛嶋調べ 笑)。

書類審査 ⇒ 筆記試験 ⇒ 面接 という流れで実施されます。特に筆記試験は聞いたところによると、不正防止の観点から全世界で一斉に開始するため受験地域によっては結構な夜中に行われるとか・・。

応募資格ですが、

(1)国際連合加盟国国籍を有し,32歳以下であること
(2)英語またはフランス語で職務にあたれること
(3)募集分野に関連する学士号以上の学位を有すること

となっています。

大多数の国際機関のポジションは修士課程保持を募集資格にあげるなか、大卒でも受験が可能なめずらしいケースです。

詳細は外務省国際機関人事センターの公式サイトをご参照して頂けますと幸いです(日本語ではこちらが公式情報みたいなものです)。


www.mofa-irc.go.jp 1 Tweet 48 Users 46 Pockets
外務省 国際機関人事センター
https://www.mofa-irc.go.jp
外務省国際機関人事センターでは、国際機関への就職を目指す日本人の方のサポート業務を行っています。現在既に国際機関職員でいらしゃる方の支援も行っています!
YPP受験記
私は過去3回受験しました。結果すべて落ちています。泣

2015年 YPP受験記

初受験。

当初、外務省のJPOのように書類選考すら通らないだろうと特に期待もせずにさらっと応募しました(MAGNETへ応募しました)。

が、なんと予想に反して書類に通過し筆記試験受験の案内が届きました(いや~嬉しかった)。

試験日時が12月の平日だったので、同僚に事情を説明し無理くり有給を取得したことを覚えています(同僚さんありがとう!)

持参するもの、試験会場、受験時の流れは他の方がYPP受験体験で記載している通りで主に以下になります。

・筆記用具(ただ、筆記用具は実際に会場で貸してくれる)

・軽食、水の持ち込みOK

・4時間半ぶっ通し

・日本の場合、会場は青山の国連大学

*日本人YPP受験者の記事まとめ

国連職員になりたい方のための情報発信 Shota's Blog

国連のYPP筆記試験を受けてきました(2017年度) | 国連職員になりたい方のための...
https://blog.shota-kameyama.com/2017/12/31/app-written-exam-2017-magnet/
すっかり年末になりましたね。久しぶりの更新です。YPP試験や、学業、研究課題の関係でなかなかブログの更新ができずにおりました。 今回はYPPを実際に受験してみましたので、その所感を共有させて頂ければと思います。 今回受けた試験はMAGNET MAGNETとはManagement and Administration Networkといい、つまりは管理系全般に関わる仕事分野であり、下記の分野をカバー
*2019年YPPの対策記事

国連職員になりたい方のための情報発信 Shota's Blog

2019年度ヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)の開催決定。応募分野と対...
https://blog.shota-kameyama.com/2019/06/07/un-ypp-2019/
2019年のYPP開催が決定いたしました。今年はEconomic AffairsとInformation Systems and Technologyの二つの分野です。応募条件、スケジュール、対策方法をまとめました。しっかりと対策をしてのぞんで頂ければと思います。


軽食の持ち込みについて、実際何を持ち込んでいいかよく分からないと思いますが、周りを見ると、飴とか、チョコレートとかが多かったです。

私は噛むと頭にいいということでスルメを持ち込みました。あとなぜか安納芋。匂いを注意されることはなかったです。笑

初筆記試験なので腕試し程度にとらえており、正直そんなに対策はしませんでした。ですのでReading Assignmentもざっと目を通すのみで、「管理系ね!」くらいしか思っておりませんでした(MAGNETなので当たり前なのですが)。

YPPには国連に関する知識を問う問題があるとネットで見かけたので、歴代国連事務総長名とかは知らなければ答えられないと思い、歴代国連事務総長名とか各総長がどういったことを行ったとかだけ一生懸命覚えていました。今考えると完全に無駄です。そんな問題一問もありませんでした。

結果は当然ですが落ちました。落ちた際のスコアは公表してもらえず、どのくらい自分が合格点から離れているのか把握することはできません。

唯一の収穫ですが、MAGNETにはPRINCE2という資格の範囲からいくつか出題されているということが分かったことです。PRINCE2の学習はMAGNETではマストだなと決意した年です。

2016年 YPP受験記

2016年のYPPでは残念ながらMAGNETはなかったため、仕方なくPOLINETへ出願しました。

本業はPOLINETと全く無関係なのですが、学部時代は政治学を専攻していたという理由で他に選択肢がないのでとりあえずダメ元で提出しました。

恐らく書類選考すら通過できないだろうと思って臨んだのですが、なんと今回も書類選考に通過しました。驚きと共に「YPPの書類選考基準ってなんだんだ?」と首を傾げたのを覚えています。あくまで想像なのですが、各国で最大40名が

肝心の受験ですが、当時は本業がかなり忙しくなっていたことと、受験科目もPOLINETなので筆記試験を受験しても合格する自信は0ですし、万が一受かったとしても面接でPOLINET関連の経験や知識が不足していて落ちるだろうと思い、筆記試験の受験自体を辞退しました。

2017年 YPP受験記

2017年のYPP受験ではMAGNETがあったので迷わず申請、書類選考は無事通過し筆記試験に呼ばれました。

今回の受験が、YPP受験の年齢制限から最後の受験年になるので筆記試験対策として以下を読込みました。

・読書課題(国連のYPPページに各リンクが貼ってあったと記憶しています)

*膨大な量ですので時間に余裕をもって準備開始することを強くお勧めします。

・PRINCE2(MAGNETですので)

*テキストはManaging Successful Projects with Prince2(日本語版)を使用しました。

結局、PRINCE2テキストは2回程通読、読書課題は半分程は1読できた程度で準備不足感は否めない状態で受験へ。

YPP受験は二度目だったため気持ち的には最初の時より落ち着いて受験ができました。ただ、4時間半の長丁場は疲れますね・・。

試験内容としては、「要約」、「選択問題」、「論述問題」です。

私の感覚としては、確かに読書課題で取り上げられた内容やPRINCE2のカバー範囲からの出題があるなと感じました。

ただ、とにかく要約と論述問題がすべて手書きですので英文を書くことに手が疲れます。それとコピペがPC入力と異なり気軽にできないため、あまり回答用紙を汚くして読みづらくならないよう注意が必要でした。

あと、MAGNETですので会計関連の問題も幾つか出題されており、管理会計についてもざっと学んでおくといいかなと思いました。⇒ USCMA(米国公認管理会計士)とかを勉強しておくといいかもしれません。

4時間半の試験を終える頃はランナーズハイのような状態で多少興奮気味に帰途についたのを覚えています。

肝心の結果ですが受験日が2017年12月で、結果が通知されたのが翌年の5月(ちょうどGW時期)でした。GW期間中に家族旅行をしているときに突然以下のようなメールが届きその日はかなり有頂天になりました。

「ええっ!まさか面接に呼ばれてる!!」ということで妻に即報告。「まさかYPP筆記試験に通るとは・・」ということで本当に信じられない思いでした。

ところが翌日にはまさかこんなメールが・・・。

間違って合格通知メールが全受験者に送信されてしまったとのことでした。。

「こんなことってある?」と一瞬で現実に引き戻されました。泣

YPP筆記試験のスコアは公開されない方針だと認識しているのですが、今回はこうした事情があったからか筆記試験スコアが開示されました。私の場合ですと下記にあるように選択問題で59.11%(68%が足切り)であったため、Specialized Paper Part 2は採点すらされずに撃沈・・・。

*最後から二つ目のパラグラフの最後のセンテンスにある「 It is in light of this review, that we can re-confirm that your score did not meet the passing threshold for convocation to the oral examination」が追い打ちをかけるようで泣けてきます。。

考察
私がこれまでYPP受験を通して学んだことは以下です。

・書類選考は日本国籍者は意外と通過する(日本国籍に限って言うと定員割れのような状況なのでしょうか。2017年のYPPでいうと応募書類は4,415名で内1,429名が筆記試験へ進んでいます。国籍によっては激戦なようです。)

・受験環境が特殊なので、受験環境に慣れるためのトレーニングも必要

・4時間半の受験

・手書きでの英文作成

・英文の要約

・筆記試験対策は可能

・リーディングアサイメント

・職種に合わせた大学・院での学習内容や資格の復習(MAGNETであればPRINCE2 等)

・YPP事務局が受験結果通知を誤送信することもある(笑)

私は年齢制限からYPPを受けることはないのですが(寂しい・・)、年齢制限があるからこそ自分自身でリミットをかけずに学部卒生は積極的に挑戦してほしいと思います。

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