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以前の紅白歌合戦のロゴ、思い出せますか?

街中のデザイン、インターネットで目に触れるデザイン。これ、グラフィックデザイナー特有の職業病なんです。

「このデザインいいな」
「もっとこうすればどうなるだろう…(脳内でIllustratorを起動して頭の中で直している)」

頭の中で、デザインのシミュレーションが始まってしまう。ただ、先日あるロゴを見た時に、それ以外の感想を抱きました。


「いいか」「悪いか」よりも大事なこと。

先日Twitterを見ていたら、紅白のロゴが新しくなったことを知りました。むちゃくちゃ好きです。


こちらが、新しいロゴです。

パッと見て「良いな」とすごくいいなと思いました。伝統的なところと新しさ。真逆のベクトルがうまくワンビジュアルで成されている。そして、すぐさま「前の紅白のロゴってどんなのだっけ?」となりました。


皆さんはすぐに思い出せましたか?
「赤と白で紅白歌合戦とくらい書いてあったっけな?」くらいじゃないでしょうか?

これこそ、重要なポイントです。


思い出せない=存在しない

思い出せないという事は、人の頭の中に残っていないということです。グラフィックデザインやブランドなどのデザインはイメージが残っていないと意味が無いのです。記憶に残っていないということはこの世に存在しないも同然です。グラフィックデザインの厳しい世界。


ちなみに以前の紅白のロゴはこちらでした。
あー、なんか懐かしい感じがしますね。


時代に合わせてロゴをデザインをやりなおす


僕がいいたいのは、前のロゴがダメというわけではなく、ロゴの作り直しは盲点だったということです。

今回、紅白歌合戦のロゴの作り直しを提案した人は、素晴らしいなと思いました。今までなぜやらなかったのか不思議なくらいです。慣習や伝統文化、「ここは触ってはいけない」みたいなイメージがあったのかもしれないですね。

紅白歌合戦のあり方が時代に合わせて変化している。それを認知してもらうためにロゴを作るというのはとても良いことです。


ここで、もう一度新しくなった紅白歌合戦のロゴを見てみましょう。

赤と白が真ん中で混じり合っています。グラデーションという発想は新しいです。グラデーションという手法は絵具などで絵を描くときに美しくなる鉄板でもあります。

そして、今の紅白は赤と白で対決してどっちが勝つというより、みんな混ざり合って楽しくやっています。そんな様子もロゴで表されていると思いますし、現代的なテーマにも合っていますよね。しかも国旗も連想できるようなデザインです。

タイポグラフィーの選び方も重みがあり、伝統的で日本的なイメージも伝わりやすいものになっていてすごく良いと思います。


グラデーションという新しい発想を取り入れ、メッセージ性もあり、視覚的にも美しくなっているので、書体に重みがあっても古臭くならず、うまくバランスを取れていて良いなと思いました。

一方で、紅白の新しいロゴを見ていて思い出したのが、新潟の『水と土の文化創造都市』のロゴです。

大学の同期の博報堂のクリエイティブディレクターの細川剛くんがデザインしたもので、東京アートディレクターズクラブのADC賞を受賞しています。


四角の形の中に水色と土色が混ざり合い、グラデーションになっています。


今回の紅白のロゴはこのロゴを思い出しました。


だからと言って、ダメとかはありません。表現方法としては同じでも、発想の原点や込められたメッセージが違えば、デザインも変わってくるということです。このデザインの必然性があるから。

僕も「このロゴって誰も覚えて無いのに何でずっとこのままなんだろ」みたいなものを見つけて、提案したいなと思っています。

何か無いですかね?

みなさんもぜひ考えてみてください。

このnoteは、弊社スタッフがVoicyを元に記事化を提案してくれました。最近更新が遅れていますが、2022年もVoicy更新していくので良かったらフォローしてください!


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