東日本大震災10周年の節目に寄せて(1)
2021年3月11日、木曜日。
いつもと変わらぬ、暖かな陽射しとともに、安らかな朝を迎えた。
多くの人にとって、今日も明日も、何万日かの人生のうちの平凡な1日になる。少なくともそう信じて幕をあける。
もちろん今日も、この世に生を受けたり、人生の幕を閉じたり、また特別な日を迎える人もいる。
しかし、世の中全体が、突如として非連続に、否が応でも非凡な日に変えられてしまった強烈な経験を、僕たちは少なくとも1つ共有している。
2011年3月11日、金曜日。
高校の卒業を控えていた