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NO56. バッハの音楽は演奏を選ばないのかも知れない

12月はやはりバッハの音楽が沁みる。
この時期は特に《クリスマス・オラトリオ》。
冒頭のティンパニーの響きにワクワクし、《マタイ受難曲》のコラールに
首を垂れる。

《クリスマス・オラトリオ》ではいままで色々な演奏を聴いてきたけれど、「この演奏はちょっとなあ」と思うような演奏に出会ったことがない。

今朝はSpotifyで、ナクソスレーベルによる、ラルフ・オットー指揮マインツ・バッハ管弦楽団マインツ・バッハ合唱団(録音時期 :2017年11月28日~12月5日、録音場所:ドイツ、マインツ、キリスト教会)という未知の指揮者と団体による《クリスマス・オラトリオ》を聴いているけれど、冒頭からとてもキビキビしているし、コラールは少しゆっくり丁寧なとても良い演奏だ。

おそらくドイツでは各地の教会などで、地元の団体による《クリスマス・オラトリオ》が演奏されているのではと思うけれど、それらの演奏を小さな教会なんかで、ステンドグラスから差し込む光などをぼんやり眺めるのもとても良いだろうと思う。

学生時代からの習性で、音楽を聴いていると、つい「この演奏は誰の演奏だろう?いつ頃、どこで演奏されたものだろう?「レコ藝」の評価は?」などと周辺的な情報に目が行ってしまいがちだけど、バッハの音楽を聴いていると、時折そんな情報などはどうでも良くなって、ただその音楽の中に身を浸したいという気持ちになることがある。

この《クリスマス・オラトリオ》も聴いている内に、ただただバッハの音楽世界の中を漂っているような心持ちになる。

やはり、バッハの音楽は演奏を選ばないのかも知れない。


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