見出し画像

4 新井英樹・入江喜和 画業30周年原画展トークショー 有楽町編

画像1

司会:あと、錦糸町のトークショーの時にも話したんですけど、もうちょっと詳しく聞けと言われたことがあって。新井さんのネームのアップの話なんですけど。
漫画家にとって今回の原稿20ページですとコマ割りをしてセリフを入れて構成をする、下書きをするっていうのがネームなんですけど、そのアップが一番漫画家にとって大変なんです。新井さんがそれをした時に入江さんがだいたい分かるっていう話を新井さんから聞いたんですけど。どういう感じで入江さんは分かるんですか?


入江:「終わったー!」って言えばすぐ分かるんでけども。その他としては、ずーっとイラついているのでネームが終わらないのだなって…特に政治への当たりが厳しかったりとか…あ、ごめんなさい、振っちゃいけなかった…世間に対してすごくとかうちの婆さんがまあ、気の利かないBBAなんですけどもそれに対して凄いイライラしてる時とか。ああ、ネームが行き詰まってるんだなっていう風に思う感じで。突然、アッー!てなって小鳥(桜文鳥のミョンちゃん)と遊んだりしてるんですけど。


司会:あの、通常クリエイター同士だと分かるんですけど普通は分からないですね。


入江:わからないと思いますね。あの、普通に暮らしてたらネームやってても分からないじゃないですか。ただ、考えてるだけなんで。「それだったら、買い物に行かない?一緒に?」とか言っちゃって逆鱗に触れるのはあるとは思いますけど。

画像2

司会:新井さんは入江さんのアップって分かるんですか?ネームの進行状況は?


新井:俺より全然プロフェッショナルで俺のアシスタント3人ぐらい来てもらってる時もカミさん家の食事も作ってくれれば、アシスタントの分も作ってくれるから。きっちり朝の予定…起きてから鳥の相手をして遊んで一緒に寝て、その後仕事して夜になるとまたご飯の支度して。その後また鳥と遊んで寝かせてからまた仕事してっていうサイクルが必ず決まってて。
俺は(仕事が)グチャグチャになると鳥と遊ぶ時間を持ちたいんだけど、持てなくなってくるとイライラがたまる。だから、そのサイクルがちゃんと出来てるのがプロだなって思って。俺、未だに自分がプロじゃないと思うのは全然スケジュールが立たないっていうのを30年経ってもそれができない。


司会:ネームが上がるまでですよね。ネームが上がったら大体予想がつくじゃないですか。


新井:それでもどんどん遅くなるから作業が。体力の仕事になるんで。ネームが上がると。