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3 新井英樹・入江喜和 画業30周年原画展トークショー 錦糸町編

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司会:新井さんと入江さんのエピソードで俺が聞いてみたいのがあって、新井さんが漫画にはネームというのがあって大体20ページだと20ページの工程を考えて下書きに近いようなもの、ネームというのをやるんですけど。
で、大体裏方の人はそれがクライマックス自分の作業のクライマックスなんですけど、新井さんのネームが上がったのを入江さんは分かるって話を聞いて…

入江:ん?

司会:新井さんのネームが上がった瞬間その日ぐらいが。

入江:分かります分かります。

司会:それはどういう感じですか?

入江:ネームやってる時は四六時中イライラしてるし、まあ、何かねやっぱり憑き物が憑いてるんですよ。だけど、あ、終わったんだなっていうのが顔を見れば大体分かりますね。

新井:なんか、みんなそうなんだけど、書き出しがやっぱ、連載やってると書き出しが凄いキツくてそれを生み出すまでの時間が本当に苦しくって、大概2.5枚か3枚できるとこっから少し凄くてこの2.5枚から3枚終わった時に吐き気がするぐらいな状態で寝込むっていうのが大体のパターンで。

入江:いつも気持ち悪い気持ち悪いって言って、ああ、ネームが詰まってるんだなっていうことで分かります。

新井:なんか、基本だからそういうネームをいうのをやってる時ってちょっと微熱が出て、それが全部描き終わると一瞬楽になるんだけど、そっからペン入れとか何かの作業が今度肉体労働に替わって、いついつまでに上げなきゃいけないからもう寝る時間このぐらいしか無いぞっていうので逆算する。
頭も多少は使うけどやっぱ本当にあの、頭脳労働の後の肉体労働だから、かなりヘロヘロで。

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だから、週刊連載とかやってた時はもう気が狂いそうだったかなっていう。それでだから、俺は『宮本から君へ』をやってた時って1年半ぐらいで30キロ太りましたね。あの、攻撃的になれるのはもう食しかなくて、店屋物、店屋物ばっかりになって。
それが50手前ぐらいにまたあの、40肩やった時に動けなくなったのに怖さを感じて、これやばいって周りに迷惑だって思って今度また30キロ落とすって何か役者のアレみたい…
デニーロアプローチっていうんだっけ何だっけ。

入江:ちょっと…みんなに癌じゃないのとか言われて。