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4 新井英樹・入江喜和 画業30周年原画展トークショー 錦糸町編

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新井:今日は映画『宮本から君へ』公開中の最中遊びに来てくれたのが映画『愛しのアイリーン』の監督の吉田監督に来ていただいてまして。あと、そこに出ていた『愛しのアイリーン』観てた方分かると思うんですけど、えーとあの…
オナニーシーンをやるから見に来てくれと俺を誘った桜まゆみさんです。女優さんです。

拍手で迎えられ吉田恵輔氏(『愛しのアイリーン』監督)と桜まゆみ氏(『愛しのアイリーン』真嶋琴美役)が着席。
左から入江喜和氏(入江)、新井英樹氏(新井)、吉田恵輔氏(吉田)、桜まゆみ氏(桜)

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吉田:飛び入りですいません『愛しのアイリーン』監督の吉田恵輔と申します。

桜:『愛しのアイリーン』で真嶋琴美役を演りました桜まゆみと申します。突然すいません。

吉田:あの、僕ずっとファンでして、ファンというか僕が今まで読んだ小説であるとか漫画とかそういう事も含めて一番自分の人生を変えたのが『愛しのアイリーン』だったんです。
それで、映画監督になったら『愛しのアイリーン』を撮りたいなんて思いがありつつ、監督になれずなかなかこうあって、で、10年15年ぐらい前に監督デビューして、そっから10年以上いろんな所に『愛しのアイリーン』これやりたいですって言って
「あー、なるほどー…む、無理ですね」
て言われ続けて10数年を経てやっと時代が追いついてこういう風に映画化できて新井さんともお会いすることができて…こんな場所にもう、呼んでいただいて…本当に…ありがとうございます。

新井:いえ、監督は露骨にラブコールっていうか、俺に告白してくるんです。スキスキを。あの、本当あの、並ぶと照れるんですよ。

吉田:そうですね、ちょっとした気持ち悪い雰囲気を醸し出します。はい。

新井:あの、二人が話し出すとなんかね、前にも言ったけど、交際記者会見とか婚約記者会見みたいな感じになって。

吉田:そうですね、だから何だろう『宮本から君へ』が今公開してて僕は結構応援はしてるんですけど、ちょっとしたヤキモチみたいな何か元カノ感を…ウフフ…
で、ああ、今日呼ばれてちょっと何ていうかうーん、ノコノコと家にやってきた元カノ感。あるんですね。
入江さんともお会いしてご飯一緒にね…僕、これは夢物語ですけど僕今一番やりたいのは『たそがれたかこ』を映画化したい…それをぜひ実現したいなと思いつつ、またこれがね、あのね、お金が集まりづらい企画なんですよね。

新井:あ、そうか、ライブとか大変なんだっけ。お金凄いかかって。

吉田:そう、そういうのも大変ですし、何だろうな…女の人…女単体の映画って結構お金集まりづらいんですよ。
だからやっぱりイケメンありきで結構この世の中は成り立っているっていうか、やっぱりイケメン二人くらい出ると女性客結構来てくれるけど、30オーバーぐらいのオネエサンからだいぶ、その人ピンでっていうとだいぶこう…
お金が集まりづらくなっちゃう感じなんですよね。

入江:難しいと思いますよ本当に。連載も難しいぐらい。

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吉田:そうですね、だけどまあね『愛しのアイリーン』だってよくお金出したなっていう。世の中には変わり者のプロデューサーいるのでどこかでこう、ワンマンな人を見つけようと。

新井:その変わり者のプロデューサーの人が今回の『宮本から君へ』も引き受けてくれたプロデューサーです。

吉田:そうですね。

新井:あの、知ってる人は知ってると思うんですけど、ちょっと春先話題になった『新聞記者』っていう政府に楯突くような映画を撮った、仕掛けたプロデューサーが『愛しのアイリーン』も。

吉田:もう、けっこう良い爺さんだけど、あの、スターサンズさんっていう会社の社長という、スターサンズって星の砂。お土産で星の砂って見たことありませんか?小瓶で。あれを沖縄で
「え、これ、売っちゃったら金になりそうじゃね?」
みたいので商売を始めた砂浜に落ちてるもので砂を売って財を成したかなり特殊な人間なんで。

新井:しかもね、前段がすごくて結構学生運動やりまくってて、東京に逮捕歴何回かあって東京に居られないって言って一時身を隠した先が沖縄で、そこで見つけた星の砂を売ろうと。

吉田:でもね、なんか沖縄に行ったのもその、米軍基地に突っ込むらしくて。

新井:あ、なるほど。

吉田:米軍基地に突っ込んで、俺はそこで命を落とすってカンパを集めたらしんですよ。カンパ集めて仲間二人と米軍基地のフェンスを乗り越えて撃たれる覚悟で行って
「俺はここで散る!」
って言ったらなんか米軍がジープで
「Oh!何してんの?コーヒーでも飲んでけよ!」
って言って何かコーヒーご馳走になってそのまま
「また遊びに来いよ!」
て言われてその勢いのままフェンスを出て砂浜に体育座りしてたら
「何かコレ星の形だキレイだな」
っていう出会いだったり。

新井:なんかねだから、そういう人じゃなかったら多分ね『愛しのアイリーン』だって10社ぐらい断られたんだっけ。

吉田:10年間で10社ぐらい断って、まあ、読んでもらった所はそもそも3社位ぐらいしか無いです。僕がまずあらすじを説明してる段階の4行ぐらいで
「あ、それはちょっと無理ですね」
ていう
「モテない40オーバーの男と婆さんとフィリピーナで田舎が舞台で…」

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「無いですね」
「そのくらいで」
「無いですね、イケメン枠無いですね」

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新井:その河村さん(前述のスターサンズの社長)は面白いじゃないかって。

吉田:そう…だから何かあの、うまいこと転がして「何か『たそがれたかこ』コレ良いじゃん」みたいな上手いこと持ってけないかな。

桜:そうですね本当ですね。

吉田:ねぇ。そうなんです。はい、桜ちゃんも何か。

桜:いえいえ。