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音響初心者の私が、ライブ配信でラウドネスを意識する理由

今回のテーマは、私がしばしばこのコミュニティでも発信をしている「ラウドネス」について。

音響初心者な私がラウドネスを意識している理由を整理してみたいと思います。

前提として、私の配信はビジネス系のセミナーやトークが中心です。少なくともその観点では、私と同じ音響初心者の方にこそラウドネスをオススメしたいです。

初心者考えなので限られた目線しかないかもしれませんが、色々と話を聞くに大きくはズレていないはず…。ご参考になれば幸いです!


ラウドネスとは?

ラウドネスを一言で表すと平均音量を測る方法です。更に付け加えると、「人の耳で感じる音の大きさ」を測定できます。

というのも、ラウドネスは人間の耳の特性を考慮した測定をしているそうです。人間が聞きとりやすいとされる音域は感度が高く、逆に聞き取りづらい音域は感度が低いとのこと。

そのため、ラウドネスを意識して音を調整することは、人間が聴こえやすい音に近付ける作業だと言えます。

実はテレビ業界でもラウドネスを基準に音を調整しています。他の測定方法と比較して、より人間の聴こえ方に近い検証結果が出たことも理由のようです。

ラウドネスの測り方

なんだか難しそうなラウドネスですが、計測自体は簡単にできます。

無料のソフトでも計測ができ、私はいつも「Youlean Loudness Meter 2」を使っています。こちらの無料版で十分な計測が可能です。

Youlean Loudness Meter 2の画面

例えば私は以下のような構成で、映像スイッチャーとパソコンを繋いで計測することが多いです。

HDMIキャプチャデバイスや、スイッチャーのwebカメラ出力UVCのUSBを繋げれば、音声を測定できるようになります。

私の構成イメージ

私がラウドネスを意識する理由

簡単に測れるのは良いとして、なぜラウドネスを使う必要があるのでしょうか。

私が意識するようになったのは、ラウドネスが無いと勘頼りの操作になると思ったからでした。

どういうことか、その理由は大きく3つあります。

1.ピークメーターは指標にならない

私たちが日頃よく見かけるのは「ピークメーター」です。どんなミキサーにも大なり小なり搭載されているメーターですね。

実はこのメーター、人間の感じる音の大小を測るにはあまりアテになりません

なぜなら、これは瞬間的な音の大きさを表したものであり、大きな目的は上限音量ピークを超えて音が歪むのを防ぐことだからです。

色々なピークメーターたち

ピークメーターが大きく触れた=人間が大きな音と感じる、とは限りません。一瞬の音量と人の聞こえ方は、また別の話なのです。

もちろん参考にはなり、ある程度の音の大小は見ることができます。ただ、そもそもの目的が異なるメーターなのです。

2.他より大きい/小さいを防ぐため

配信の音量調整で大事なことに、他の動画と比較して小さい/大きいを避けることがあると思います。

差が大きいと、例えば「他の動画になったら爆音だった」「音量最大にしても聞こえない」なんてコメントが来てしまいますよね。

これを防ぐには、他の動画と同じような音量にする必要があります。でも同じかどうかは、どうやって判断すれば良いのでしょうか。

実際に聴き比べる方法も無くはないですが、やっぱり比較するなら客観的な数値で比べたいです。

3.私の耳はアテにならない

音を聞けばなんとなく調整もできたりします。ただ、ずっと音を聞き続けていると、段々よく分からなくなりませんか...?(私だけ?笑)

また、直前に聞いた音によって印象も変わるし、周囲の環境や雑音にも影響を受けてしまいます。

もちろん自分の印象も大事ですが、やはりそれだけに頼るのは怖いです。プロならまだしも、初心者の私の耳なんて信じられません。


色々書きましたが、私にとってのラウドネスはコンパスみたいなもの。私が調整した音の状態を知る指標の一つなのです。

やはり参考になる他の指標があった方が、初心者としては安心ができると思います。

ラウドネスを見始めて生まれた悩み

そんなラウドネスを見始めて分かったのは、私の調整した音はまだまだ小さいことでした。もっと音量を大きくした方が聞きやすいようです。

ただ、難しいのはここからでした。この「音量を上げる」が簡単ではなく、単純に上げるだけだと音割れするリスクが高まってしまいます。

人の話し方は人それぞれ、声が大きくなりやすい人もいれば、マイクと口の距離が変わりやすい人もいます。そのため、急に大きな音が入ってくるとピークを超えて音が割れてしまいます。

コンプレッサーを使う

対策としては、音量を上げると同時に、大きな音を抑える作業が必要です。これを実現してくれるのが「コンプレッサー」です。

コンプレッサーは指定した音量スレッショルドを超えたら、音声を圧縮する機能です。ピークまでの余裕が生まれるので、その分全体の音量を上げることができます

コンプレッサーをかけると小さい音・大きな音の差が縮まり、音圧の高い太い音になっていきます。つまり平均音量が高まるので、ラウドネスも向上します。

コンプレッサーのイメージ

コンプレッサーって難しい!

と言うことで、ラウドネスを基に音を調整し始めると、コンプレッサーが重要であることが分かってきました。

ただ、コンプレッサーを使い始めてみると、これがまた難しい。色々なパラメーターがあり、絡み合いながら音が出来上がっていきます。

ツマミ一つの簡易的なタイプもありますが、基本的にはスレッショルド閾値レシオ圧縮率/アタック/ホールド/リリースといった値を設定します。

ATEM miniのコンプレッサー調整画面

勉強会を企画しました!

色々とテストしながら、なんとなくコンプレッサーの動作イメージは湧いてきました。

しかし、独学だけではなかなか理想のイメージが見えてきません。使い方が分かっても、目指す先が分からない感覚です。

来週のラウドネス×コンプレッサーの勉強会は、そんな経緯から企画をしました。

この勉強会では、コミュニティメンバーのBonさんにご協力いただき、ラウドネスを意識したコンプレッサー調整の操作イメージを教わります。

ここまで読んで、ラウドネス・コンプレッサーに興味を持った方は、ぜひご参加いただければと思います!

OSやソフトの指定はありますが、初心者の方も歓迎です。

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