【イベントのライブ配信】機材構成の基本的な考え方
ライブ配信を始めたいけれど、そもそもの全体像が分からない。この記事は、はそんな方に向けた「基本的な考え方」の紹介です。
私も何も分からず始めたのが1年前。今思えば、大まかな構成も理解をしていませんでした。
正直、今も分からない事はありますが、飛び込んでみて沢山のことが分か利ました。今回は、私が1年かけて理解した事を紹介します!
0.この記事の前提
この記事は、主に"イベントのライブ配信"を想定しています。
会場でカメラ・マイクを複数用意するような配信です。そのため、個人が1人でやる配信よりリッチな構成になると思います。また、大規模なイベントではなく、コミュニティや企業の小規模なイベントのイメージです。
シンプルな説明の為に、敢えて細かな説明は省いています。構成次第でいくらでも例外はあります。それを調べていく為の助けになれば嬉しいです。
1.ライブ配信の三要素
まず、ライブ配信には大きく3つの要素があります。それは「映像」「音声」「配信」です。
カメラで撮影した映像、マイクから収録した音声。最終的には1つにまとめて、そのデータを配信します。この「まとめる感覚」は結構大事です。
また、まとめ方も色々とあり、配信方法によっても変わります。次はその配信方法を紹介します。
2−1.二つの配信方法
配信は「まとめたデータを送信する」ことです。送り先は、YouTube LiveやFacebook Liveなど、いわゆるライブ配信サービスですね。
送り方は大きく2つあり、「ソフトウェア配信」と「ハードウェア配信」です。パソコンのアプリケーションでやるのか、それとも専用の配信機材を使うのか、になります。
これは、どちらの方が良いではなく、それぞれ一長一短があります。詳しく説明していきましょう。
2−2.ソフトウェア配信
ソフトウェア配信は、比較的安価に始められるのが大きなメリットです。
例えば、有名な配信ソフト「OBS(Open Broadcaster Software)」はなんと無料。ソフトウェア配信の代表的存在なので、検索すれば情報が山ほど見つかります。
ただし、安定性はパソコン次第です。高品質な配信には相応のスペックが必要になります。性能が低いと配信がパラパラ漫画みたいになったり、最悪はソフトウェアが強制終了してしまいます。
またソフトウェアの場合は、映像・音声をデータ変換する必要があります。つまり、パソコン読み込めて、USBから入力できる形にしてあげるのです。変換については後ほど書きます。
2−3.ハードウェア配信
ハードウェア配信は、専用の配信機材が必要なので初期投資が大きくなります。例えば「LiveShell X」が有名ですが、7万円弱とまぁまぁお高いですね。
ただし、ソフトウェアに比べて安定性が高いのがメリット。今主流のフルHD(1080p)画質も安定した配信が可能です。配信の心配はせず、安心して中身に集中することができます。
また、HDMI・オーディオケーブルで入力ができ、データに変換する必要もありません。
3−1.映像・音声のデータ変換
2で説明した通り、ソフトウェア配信をする場合は、映像・音声をデータに変換する必要があります。
例えばカメラのHDMIケーブルは、直接PCに刺しても使うことができません。PCが読み取れるように、データに変換してからUSBで入力する必要があるのです。
映像と音声で考え方が異なるので、順番に説明していきます。
3−2.映像の変換
映像は「キャプチャデバイス」で変換します。「キャプチャボード」とか「HDMIキャプチャ」とも言います。
内蔵と外付けの2タイプがありますが、内蔵は組み立てPC用です。ノートPCの場合は外付けタイプを選びます。自分が使っているのは「I-O DATA GV-HUVC」。電源不要、コンパクトなので重宝しています。
ちなみに、後で説明する「映像スイッチャー」が、変換機能も持っている場合があります。
3−3.音声の変換
音声は「オーディオインターフェイス」で変換します。一般的なマイクが使う「XLR(キャノン)端子ケーブル」をUSBに変換します。
オーディオインターフェイスも様々なタイプがあります。複数のマイクをまとめる「ミキサー」機能や、音にエフェクトをかける「イコライザ」機能などなど...。本当に幅広いので、必要な機能を見定める必要があります。
自分は「YAMAHA AG06」を使っています。ただ、やりたい配信によって必要な機能も異なります。中々オススメ選びが難しいのが音の世界です。
4−1.まとめる存在
最終的には映像と音声をまとめて行きます。ただし、カメラ・マイクが複数ある場合は、配信する前にまとめておく必要があります。
これも映像と音声で事情が異なります。また両方が一つに合わさったタイプもあり様々です。順番に紹介していきます。
4−2.映像をまとめる存在
映像をまとめる存在が「映像スイッチャー」です。複数の映像から、配信したい映像を切り替えることができます。
例えばカメラ2台とPCの映像を使いたい場合。それぞれのHDMIケーブルを挿しておき、ボタンで映像を切り替える、といった具合です。
映像の上に小さく映像を重ねる「ワイプ」機能も便利です。PC画面だけだと動きがないので、話し手が映ることで視聴者の興味を惹きつけることができます。
オススメは「Blackmagic ATEM Mini」です。ただ需要が高まってか、品薄状態が続いていますね^^;
4−3.音声をまとめる存在
音声をまとめる存在が「音声ミキサー」です。複数のマイクなどを使う時は必要になります。
マイクは人数分が理想ですが、本数が増えればお金はかかりますし、ミキサーの値段も高くなります。この辺りはやりたい配信の内容と相談ですね。
また、ミキサーも様々なタイプがあり、3−3で紹介した「オーディオインターフェイス」機能を持った物も多いです。私は「Zoom H6」を使っていますが、これは録音がメインでミキサー機能も付いているタイプです。
高価になりますが、「映像スイッチャー」も兼ねたオールインワンなタイプもあります。友人の峠さんが「Roland VR-4HD」を紹介していました。興味がある方はぜひご覧ください。
5.構成の実例
最後に、私が実際に配信した構成例を紹介します。
とあるイベントがリアル開催困難となり、登壇者のみ集まってライブ配信をした時の構成です。(少しシンプルに修正しています。)
今までの内容を踏まえると、映像・音声・配信に分かれているのが分かるかと思います。カメラとマイクが複数台あるので、まとめる存在のスイッチャーとミキサーもありますね。
<使っている機材>
・SONY RX100M7
・Blackmagic ATEM Mini
・Sennheiser MKE600
・Zoom H6
・Cerevo LiveShell X
まとめ
ということで、イベントのライブ配信には大きく3つの要素があります。また、機材が増えていくと、それらをまとめる存在も必要となります。
これらは配信したい内容や、作りたいクオリティによっても異なってきます。こればかりは、色々と調べながら、時にはトライアンドエラーも必要です。
あと、紹介したのは配信に最低限必要な構成だけです。よりクオリティを追求していくと、照明 ・合成・BGMなどなど沢山の要素があります。底無し沼なので気を付けながら探究してみてください(笑)
ぜひ、自分ながらの配信スタイルを見つけて、ライブ配信を楽しみましょう!
全部やってくれるZoomはすごい
ここまで聞くと、ハードルを感じる方も多いと思います。そんなあなたにオススメしたいのはWeb会議サービスの「Zoom」です。
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クオリティはそこそこに、費用を抑えて配信をしてみたい方はぜひZoomをお試しください。使い方は解説記事を公開中。ぜひご覧ください〜!
ライブ配信で機会格差を無くしたい
普段は「天神放送局」の名義でライブ配信を広める活動をしています。
各地のコミュニティを巡る中で、素敵なコンテンツが届けない人に届いていない現状を目の当たりにしてきました。距離、時間、仕事、身体...様々な格差で、参加したくてもできない人々がいます。
ライブ配信はこの格差を埋めることができます。皆が配信できるようになれば、この差はあっという間に埋まっていくはずです!
このミッションを達成する為に、どんどん配信ノウハウを発信していく予定です。ぜひnoteマガジン、YouTubeチャンネルをフォローをお願いします!