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Zoom LIVETRAK L-8、機能省略の良し悪し

配信の音声コントロールに必要な「ミキサー」。皆さんは何を使われているでしょうか?

私は初めてのミキサーとして「Zoom LIVETRAK L-8」を購入して使っています。個人的にはとても気に入っている機材ですが、どうやら巷では意見の分かれる機材でもあるようです。

最近、そのポイントの1つは「機能省略」なのかなと感じることがありました。今回はそんなお話をしたいと思います。

Zoom LIVETRAK L-8とは?

いわゆる「音声ミキサー」と呼ばれる機材です。入力した音声を調整してミックスしたり、映像スイッチャーやスピーカーなどに出力をします。

非常に高機能なミキサーで、8ch入力/5ch出力に加えて「音声ポン出し」「録音機能」など多彩な機能を搭載します。ゲストに音声出演してもらう機能もあり、通話相手の音声は返さないループバック機能は重宝する方の声をよく聞きます。配信機材の構成でもよく見かける名前で、比較的安価なこともあり初心者層には定番機種な印象です。

私も初めてのミキサーとして昨年末に購入。とても気に入っている機材の一つです。

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Zoom LIVETRAK L-8

ただ、プロもいる配信コミュニティだと評判が良くない声も聞きます。それがなぜなのか分からず、どこかL-8に自信を持てない自分がいました。そこで、先日の配信終わりに音響技術のプロ 西村さんにご意見を伺ってみました。

西村さんは長らく放送業界に携わり、様々な音響資格も持ったその道のプロです。先日は音声について教えてもらう配信を行い、大変ノウハウの詰まった配信になりました。音声に悩んでいた方は、ぜひこちらも見てみてください。

機能省略している

結論から言うと、西村さんのL-8への印象はあまり良くありませんでした。その理由は明快で、機能が省略され過ぎているからでした。L-8では、万が一の際に即座な対応ができないと言います。一体、どういうことでしょうか。

例として「YAMAHA MG10XUF」と比べてみましょう。一見 MG10XUFはツマミが多くて、ミキサー初心者な私には取っ付きづらく見えます。一方のL-8はなんだかボタンがシンプルですね。これはなぜかと言うと、L-8はSELECTボタンを使うことで機能を省略しているからなんです。

高低音のフィルターや音の左右位置など、実は両機種とも同じツマミが用意されています。MG10XUFは入力ごとにそのツマミがありますが、L-8は一箇所にしかありません。L-8で使う時は、その入力のセレクターを押してから調整をする仕組みです。

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これは一見、ツマミの省略により省スペース化に成功しているようにも見えます。しかしそれにより、複数の入力に対して一括で調整をすることができません。つまり、2つの入力のツマミを同時に調整することができないんですね。都度、SELECTボタンを押す必要があります。

もしかすると、よく調べると一括選択機能があるかもしれません。ただ機能の有無以前に、操作方法の複雑化をネガティブに感じている印象でした。

目的が大事

名称未設定のデザイン (3)

Zoom L-8に限らず、西村さんは繰り返し「シンプルが良い」と言っていました。何かあった時、また誰かにお願いしなければいけない時、複雑な構成・操作は足枷になってしまいます。

これは私も覚えがあり、複雑な構成・操作になるほどトラブルになるんですよね。平常時はまだ良いのですが、何か起きた時に頭がパニックになってしまいます。特に、一度に2つの操作をする系は、できる限り無くすようにはしています。Zoom L-8の操作はまさにその類ですね。

一方で、フィルター機能を使わないのであれば、それは大きな問題にならないと思いました。正直なところ、私はまだまだフィルターを理解できておらず、殆ど使ったことがありません。そんな私にとって、Zoom L-8はボタンが少なくシンプルで、省スペースな分運搬もしやすい印象です。

その点では、どんな配信をしたいのか、という目的が大事なように思いました。今はまだ音声に力を入れられていない私ですが、いつかフィルターも使う時には別のミキサーの方が良いのかもしれません。それまでは、Zoom L-8を使いたいと思いました。

最後に

西村さんはあくまでZoom L-8を実際に使った訳ではありません。そのため、音質などの面は触れていませんし、あくまで印象としてのお話としてお考えください。

それでも、プロがどのように感じるのかはとても参考になるお話でした。この記事が、皆さんにとっても同じようにご参考になれば嬉しく思います。

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