合成する映像を作るツール「H2R Graphics」を試してみた 後編
今回のテーマは映像合成をサポートするツール「H2R Graphics」です。
このツールは合成するための映像を作成できるツールです。テキスト、画像、タイマーなど、様々なパーツを組み合わせて、配信の画面を彩ることができます。
前編では設定方法のイメージをご紹介しました。後編の今回は、合成できる各パーツについて紹介をしたいと思います。
H2R Graphicsとは
今回紹介するのは「H2R Graphics」というツールです。
これは配信に合成する映像を生成するためのツールです。配信を"合成する"ではなく、"合成する映像を生成する"がポイントです。
事前に設定したテキストや、タイマーのような動的に変化するボードなど、様々な種類のパーツをアニメーション表示することができます。
今回は前後編の2回に渡って紹介をしています。
前編では具体的な設定方法のイメージを紹介しました。ぜひ併せてご覧ください。
利用できるパーツ
H2R Graphicsは様々なパーツを組み合わせて、画面を装飾することができます。無料版で利用できるパーツは以下の通りです。
非常に多くのパーツがありますね。
実際に並べられるものを全て画面に配置したのがこちらのイメージです。様々な種類の装飾ができることが伝わるのではないかと思います。
各パーツは表示・非表示にモーションアニメがあり、非常に印象的な映像を作ることができます。
それでは、具体的に一つ一つのパーツについても紹介をして行きましょう。
LOWER THIRD
まずローワーサードです。いわゆるテロップですが、イン・アウトにアニメーションがあるため、より印象的な演出になりますね。
大テキストと小テキストの2つを設定することができます。
MESSAGE
メッセージは複数行書くことができるテロップです。
TIME
タイムは時間に関する演出ができるパーツです。例えば残り時間をカウントダウンするような演出が可能です。
他選択肢もあり、カウントダウン、カウントアップ、現在時刻の表示、指定時刻までの残り時間、の4種類から設定が可能です。
時間の表示フォーマットも設定ができたりと、中々痒いところに手が届く機能な印象です。
IMAGE
画像の表示です。透過PNGならちゃんと透過されて表示ができました。
TICKER
ループで表示するテキストテロップです。
SOCIAL
YouTube Liveのチャットを選択して表示することができます。
別画面でチャットの管理画面があり、ここで選択したチャットを画面に表示することができます。
WebPage
入力したURLのWebページを表示することができます。
Score
スコアボードを表示することができます。
色やラベル以外に、得点の数、その区切り文字なども設定が可能です。
Checklist
チェックリスト形式で表示できるテキストテロップです。
必要に応じてテロップ行を増やして表示することができます。
その他の印象に残った機能
最後に、その他の印象に残った機能を紹介したいと思います。
H2R Graphicsは、パーツだけでなく色々な細かな設定をすることができます。
パーツの位置・サイズの調整
紹介した各パーツ共通で、位置やサイズの調整が可能です。
まず大まかなポジション設定ができ、追加で数値による位置の微調整も可能です。他でも感じているのですが、全体的にきめ細やか、作り込まれているツールな印象を受けます。
デザインの変更
パーツのデザインは設定で変更することができます。「Thema」という機能で、パターン化することが可能です。
有償版では、このテンプレート集が利用できるようです。ただそれ自体は自分自身で設定すれば、同じことができるのではないかと思いました。
CSSの設定項目もあったので、わかる人であれば細かくカスタマイズができそうです。
ネットワーク経由での操作が可能
もう一つ目を引いた機能として、ネットワーク経由での操作があります。
管理ソフトのURLにアクセスすれば、同じローカルネットワーク上ならブラウザからも操作が可能です。
ATEM miniのSoftware Controlもネットワーク経由での操作が可能ですが、こちらはブラウザ経由で操作できるのが面白いですね。確認したところ、スマホからも操作が可能でした。
細かな設定はできず表示の切り替えのみのようですが、役割を分担できるのはありがたい機能です。
中々に色々できそうなツールです
以上、H2R Graphicsの紹介でした。いかがだったでしょうか、中々に色々なことができそうなツールですよね。
色々と紹介してきましたが、まだ色々な設定が潜んでいる印象です。うまく使いこなせれば、様々なシーンで活躍してくれるのではないかと思いました。
何より、ソフトウェアの作りが良い印象があり、安心感があります。機会を見て、実際に配信で試してみたいと思いました。
ぜひみなさんも、一度試してみてください。