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ハウリングサプレッサー「dbx AFS2」を試す

今回のテーマは「ハウリングサプレッサー」です。

リアル会場で配信をすると悩まされるのがハウリング。ハウリングサプレッサーは、そんなハウリングを抑制してくれる機材です。

一体どのような機材なのか、実際に試した様子をご紹介します。

また、ハウリングサプレッサーの仕組みを理解すると、ハウリングのこともより理解することができました。そんなお話も交えて紹介できればと思います。

そもそもハウリングとは?

ハウリングサプレッサーを紹介する前に、そもそもハウリングとは何でしょうか。

この記事を読んでいる方であれば、一度は経験があると思います。イベント会場で「キーン」と嫌な音が鳴るあれですね。

では、ハウリングはどのような仕組みで起きるのでしょうか。一言で表すと音がループして増幅し続ける状態だと理解しています。

マイクから入った音は、ミキサーなどで増幅された状態でスピーカーから出力されます。その音が再びマイクに入ることで、更に増幅されてスピーカーから出て…。

このループした結果がハウリングの嫌な音に繋がります。


ハウリングのイメージ

ハウリングサプレッサーを理解する上で重要なことは、ハウリングは音全体がループしているわけでは無いことです。一部の周波数だけがループしてハウリングを起こしています

一体どういう事でしょうか。実験の様子をお見せしながら説明をしたいと思います。

これは音を周波数ごとに分布してくれるソフトで、私の声を入力した様子です。横軸は周波数、縦軸は音量を表していますが、低い音から高い音まで色々と使っていることが分かります。

では、ハウリングした時の分布はどうでしょうか。

それがこちらです。明らかに一部の周波数だけが、瞬間的に音量が増幅している様子が分かります。

どの周波数がハウリングするのか決まったものではなく、状況によって変わってきます。

スピーカーから出る音の質、会場の構造や材質、観客の数などなど…条件によって異なるようです。

そのため、ここを押さえておけば必ず大丈夫、というものでもありません。

ハウリングサプレッサーとは

そんなハウリングを検知して、抑制してくれる機材がハウリングサプレッサーです。

例えばミキサーとスピーカーの間に入れると、ハウリングしている部分の音量をさげてハウリングを防いでくれます。

先ほどの通り、ハウリングは一部の周波数で起きるため、ハウリングサプレッサーはその周波数だけ音量を下げます。そのため、今流れている音全体に影響を与えるわけではありません。

ハウリングサプレッサーのイメージ

実際に試した様子

昨日のライブ配信では、実際にハウリンサプレッサー「dbx AFS2」を使い、ハウリングを抑制するテストを行いました。

色々と機材の特徴を語るよりも、まずは実際の様子を見てもらう方が分かりやすいと思います。ぜひ、アーカイブ動画の37:19頃からご覧ください。

dbx AFS2とは

↑の配信では「dbx AFS2」という機材を試しました。これは比較的手軽に使うことができるハウリングサプレッサーです。

2chの音声を入力することができ、それぞれモノラルとして個別の設定をすることも、2つ合わせてステレオ音声として設定することも可能です。

周波数ごとの音量を抑えるフィルターは、1つの入力に対して最大24個設定ができます。2chに対応した機材なので、これ一台で48個のフィルターを設定できることになります。

また、音響知識がそれほど多くない方の使用も想定された製品です。中央にある「WIZARD」ボタンを押せば、流れに沿って簡単に設定ができました。

英語ですが操作自体はとてもシンプルです。ミキサーを自分で操作した経験のある人であれば、割と難しくなく理解できるのではないかと思いました。

具体的な操作の流れも配信ではご紹介しています。ぜひアーカイブの34:11頃からご覧ください。

フィルターには「FIXED」と「LIVE」の大きく2種類があります。

FIXEDは事前に固定設定しておくフィルターです。本番が始まる前、準備段階で設定しておくイメージです。

LIVEは本番中の設定です。こちらはハウリングするとフィルターを追加していき、空きが無くなると都度上書きしていきます。

24個のフィルターの内、FIXEDとLIVEに割り当てる数の設定も可能です。そのため、半分は固定しておき、もう半分は都度上書きしていくような運用が可能です。

あくまで保険だが、頼れる存在

ハウリングサプレッサーは対処療法なので、根本的な問題解決ではありません。

原則としては、ハウリングが起きないような調整が必要です。音量・位置関係・エフェクトなどを見直して根本解決しなければ、イタチごっこになってしまう場合もあるからです。

とは言え、こちらでは解決できない状況もあります。それは会場の仕様なこともあれば、出演者の問題なこともあります。例えば、出演者がなぜかスピーカーの真ん前に移動して話してしまうとか…。

そのため、そういったことも考えると非常に頼れる存在だと思います。それはプロだけでなく、配信初心者の我々にとっても同じです。

レンタルのススメ

以上、ハウリングサプレッサー「dbx AFS2」の紹介でした。

リアル会場でのイベント配信が増えている今、ハウリングに悩まされている配信者も多いのではないでしょうか。そういった方にとっては、悩みを解決してくれる相棒になるかもしれません。

今回貸出支援をいただいたパンダスタジオさんでは、一日3,036円でレンタルを提供されています(2024/1現在)。気になる方は、まずレンタルで試されてみてはいかがでしょうか。

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