概念から見る'骨組みだらけの夏休み'

前置き

※この文章は2023年7月のリリース当時に勢いのまま書いた文章と最近書き足した文章が入り混じっています。故に少し時期を逃した記述もありますが、載せることに決めました。やっぱりこの曲は大切な思い出の曲です。また近いうちにライブで聴けますように。

発売を迎えて

「Am I ready?」フィジカルに先立って配信リリースされましたね。配信開始、ダウンロード、何より先に聴いたのはやはり'骨組みだらけの夏休み'でした。だってセンターが!!
勿論一度では足りずにもう一回、もう一回、あともう一回、うーんあともう一回を繰り返して脳内で一言。

「めちゃめちゃ良い曲じゃぁん……(涙声」
いやーこんな大人っぽさとキュートとエモーショナル、微かな大人っぽさが共存してる曲ってありますかね。バランスが良く、近年稀にみる「丁度よさ」だと思います。

「Am I ready?」Type-Bに収録。

作曲面

まずコード進行自体は王道ですが、
安易にエモくできる「サビの高音差をつける」という小技を使っていないところ。
上がりそうで上がりきらないところを漂うこの感じ。
作曲者you-me氏こと成瀬英樹さんのアーカイブ一覧を見ると、納得。
AKB48関連では
'真夏のクリスマスローズ'(※篠田麻里子センター曲)
'ひこうき雲'
'BINGO!'
'君は僕だ'(※前田敦子2ndシングル)


他にもありますが、有名どころで言ったらこの辺。有名どころ……?
個人的に48グループでも特に好きな曲がずらりと並んでいる。
特に最後に挙げた'君は僕だ'は前田敦子の声質の魅力を遺憾なく発揮されている。
卒業発表後、憑き物が取れたように健康的な笑顔の増えた彼女によく似合っていた緩やかなポップチューン。
特大セールスを打ち立てたわけではないが、今でも時折聴いているお気に入りのナンバーです。

こういう上がりきらない、声を張り上げない系のサビを得意とする方なのだと分かります。
日向坂では初の提供、今後の採用にも期待したい。

と、何故か話題が逸れてしまった。

閑話休題。

アレンジメント

モータウンサウンド……っていうのかな。
リズム隊のグルーヴィさが気持ち良いですね。
あ、あれですよね、Jackson5とか!!(浅い知識
これも作曲者の得意とするサウンドらしい。
調べてみると広末涼子の'MajiでKoiする5秒前'もそれにあたるらしい。
なんとなくあの空気感というかテンポ感は伝わりますね。

最後は間奏を挟まずに転調したところで
「あれ、このままあっさり終わるのかな」と思わせたところで薄くなるオケ、うわー憎いな。
夏の終わりの寂しげな風景を演出してるのでしょう、堪らないですね。
必要以上に大袈裟にドラマチックにしない、
でもしっかり描きたい風景は描く。
流石すぎます。
欲を言えばいつか生演奏で聴いてみたい。
リズム隊がさらにかっこよくなると思うんだよ。

MVは無し

悲しいかな、MVは制作されませんでした。
最近の期別曲は4期以外制作されない流れ。
うん、悲しいですね。
なので、妄想を書き連ねたいと思います。えっ!!

浜辺で佇んでいるところに海面の夕映えがきらきらと輝きながら、
夏が終わるのを惜しみながら秋の気配を感じている、そんな風景が浮かびました。
MVのない曲ですが(猛抗議)
もしあるとするなら……

「何処か遠い目で海辺を見つめる主人公。
(誰か来た?)
そんな気配がして振り返るけど、自分自身の影が長く伸びているだけ。
『そんなわけないか、もう秋だもんね』
と肩を落としながらも寂しげに笑う。
防波堤に静かに波が寄せて返す。」

(きらきらとした水面を2秒ほど映してここでイントロドン。
そして場面は変わり海辺の青空の下のダンスパート、セリフのないドラマパートが入り混じる光景)

(振り返って呟くシーンは映画「百万円と苦虫女」のラストシーンのイメージ。
あれは本当は近くまで来てたんだけど)

勿論主人公はセンターの彼女です。

あいたたたたた……。

歌詞

テーマ自体は、
「海の家が解体されているのを見て夏休みが終わってしまうのを実感する……」
という割と普遍的な原体験、
それを全て過去として振り返る大人の視点。
こういうのは全員大人の一期生だから歌える内容なんでしょう。
多分2,3,4期はまだ似合わないんじゃないかな。
まだまだ青春ど真ん中感があるから。
……いや2期はそろそろいけるか。笑
このカタルシスはあんなに長い夏休みなんて永遠に来ない大人だから得られるもの。

後悔や寂しい過去を明るく歌うって、そんなに簡単じゃないと思うんだよ。

ソロパート

※センターの方については後述。

期別曲ならではのソロパート、やはり各々の声の個性が光ってますね。
すぐに迷わずに「これはあの子だな」とわかりやすいのもこのくらいの人数ならではというか、
なかなか声も個性強めなイッキサンだからというか。笑

その中でも東村のソロは話し声からギリギリ想像がつくんですが、
歌うと案外グッと大人っぽくなるなぁと。
他の曲で知ってるとはいえ何度聴いても慣れない、とても良い声だと思います。
潮の笑っちゃうくらいそのまんまの声はキュートさを、
みーぱんの本人の天真爛漫なキャラとは裏腹に儚げな声は寂しさを、
演出するのにそれぞれ一役買っている。

意外と1人の歌声を聴く機会の少ないキャプテンおたけの2人も個性という点では他のメンバーには劣るものの、
この曲ではサラッと主張し過ぎないことが逆にアクセントになっています。
歌詞がスッと入ってくるという意味で。
それでもちゃんとそれぞれの声だってわかるしね。

齊藤京子の存在感は言わずもがな。
ただ彼女の声質上、この曲ならメインは他のメンバーに譲るのも納得です。
最初としちゃんと齊藤京子の声の区別がつかず、
2B前半がとしちゃんで後半が齊藤京子かな? あれ? わかんない……あーまだまだだなーと思ってたら……
どうやらとしちゃんは今回体調不良でRECには不参加ということで。
(CDのクレジットには名前があって但し書きもない、どないやねん!!)
アルバムで再録なんてこともなく、
(つうか収録すらされてない、どないやねん!!)
結局ライブだけで聴けるレアなバージョンになってしまいましたね。

あとカゲがまだ参加してたらどこのパートを歌ってたかな、なんて思ったりしてね。

センターは高瀬愛奈

さて。
わざわざ名を伏せる必要はなかったのですが、遂に我が推しの話をしましょう。
今回のセンターはまなふぃこと高瀬愛奈さんです。
まずソロパートの話から。
歌い出しが彼女のソロから始まるなんて説明不要な感動があります。
歌い出しはどういう曲かを説明する役割でもあるので、
リスナーはまなふぃの声で「あ、こんな曲なんだな」と理解するわけです。
そう思うとセンターが歌い出しを担うっていうのは、
真ん中に立つという以外にも重要な役回りを背負っているのだなと気付かされます。
正しく楽曲の顔、そう考えるとこの曲がめちゃめちゃかわいいのも納得です。ほんとかわいい。

他の曲でそんなにソロパートがあるわけでもユニット曲が多いわけでもないので、
まなふぃ(概念)以外にはあまり知られていないですが、
控えめながらも安定感のある良い声してるんです。
……してませんか?
推しだから、というのもありますがこの声がとても好きです。

総評

この楽曲は決して決して表題やリードにはならない曲だと思います。
今回のシングル全8曲の中でも比較的大人しい印象。
表題の'Am I ready?'、2期生のトンチキソング(好きですよ)が
ズズズーっと汗をかきながら啜るこってりな濃厚な豚骨ラーメンで、
3期の'愛のひきこもり'がちょっとカロリー過多かもしれない炒飯で、
影のA面的な王道ど真ん中アイドルソングの4期生の'見たことない魔物'が水分補給に欠かせないスポーツドリンクだとするなら、

この曲は一息に啜る素麺のようなさっぱりとした清涼感があります。
そのため一回だけ聴いて深く印象に残るか?と言われるとそうではないかもしれません。
インパクトなら今回は2期曲一強でしょう。
(富田も初センターおめでとう、いやついでに言っとこうじゃないんだよ)

でもカップリングやアルバムにこういう曲は絶対に必要。
万人に広く愛されるヒットソングの裏には必ずこういう、
ニッチだけど実は名曲がたっくさんあります。

「実は俺この曲好きなんだよね」
「わかる! 良いよねー!」
とちゃんと愛してくれる人の元には深く届く。
そして突き刺さった分なかなか抜けない。
所謂隠れた名曲になってくんじゃないかな。
初センター曲なのであまり隠れないでほしいですが。笑

ツアーの福岡では初日に披露されたこの曲。
初見でしたがツアーを経てメンバーもどんどんノリノリになってったんだろうなーと予想できるほどの煽り。
後でツアーのBlu-rayを観ると
「楽しそうだけどやっぱり序盤はまだまだ大人しめだな」
と感じたのできっと正解だったのでしょう。

大阪の映像でも結構なテンションでしたが、福岡ではもっと煽っていたんですよ。
まなふぃのあんな大きな声、聞いたことなかったよ。
としちゃんとキャプテンも「ちょんちょんはい!」と楽しそうで。
煽りについては完全に予習せずにツアーに臨んだので、
何その煽り!!と笑ってしまいました。
そして、こんなに楽しそうにやってるんだ……と。
その愛おしい光景に、
楽しそうに真ん中で踊ってる姿に、
センターだからビジョンにもたくさん抜かれて、
そしてそれが大好きな曲で、
終始泣きそうになりながら観ていました。
また観たいな、できるだけ早くがいいな。

少し突っ込んだ話

敢えて書こうと思います。

ここまで浚ってきた正直な感想。
この曲、まるでグループにおける今のまなふぃの立ち位置のようだなと。
うん、あんまり本人には届いてほしくない意見だけど。

でも実際正直メインを張る機会って殆どないし、
ひなあいのオープニングで
「あっ! いる! やった!」
と思っても
「あぁ今日は喋んなかったな……カットされちゃったかな……」
と終盤で肩を落とすこともしばしば。
(だからこそ予想外のタイミングで急に出てくると身を乗り出してしまうわけですが)

ドライなことを言ってしまえば、
このセンターもただ順番が回ってきただけ、なのかもしれません。
1期では最後の一人だったし、
「みんなで順番にセンターできてよかったね」
と振り返るコメントをしたメンバーもいました。
裏ではそういうコンセプトがあってそれが一周して完結したのが今回だっただけ、とかね。
邪推ですし考えても仕方ないのですが。

とはいえやはり。
各メンバーのセンター曲を振り返っても、
そこに在る製作陣の愛が伝わってきます。
メンバーのキャラクターに合わせるのは当たり前かもしれないけど、
もし誰かが「高瀬はこの曲が似合うんじゃないか?」とか言ってると思ったら、
なんだか泣けるじゃないですか。
自分でいろいろ書いときながら結局は
「初めてなんだから何でもかんでも喜んだっていいじゃない!!」
に落ち着きました。
なんだそりゃ。

後日談

配信ミニライブ、ツアーの映像。
期別曲だからってのもありますがとにかくたくさん映る映る。
センターだとこんなに映像見てて楽しいの⁈
こんなにアップになるの⁈
といちいちにやにやして、
今でも大阪の映像を何度も観返しています。
(暇さえあれば観ています)
本当に一つひとつが嬉しかった。

本人のリリース当時のブログでは

そして、私の初のセンター曲の1期生曲「骨組みだらけの夏休み」もぜひたくさん聴いてくれたら嬉しいです🏖

センターおめでとうってSNSやミーグリやレターなどいろいろなところでたくさんみなさんがお祝いしてくださって本当に嬉しかったです✨

これで1期生は全員がセンター経験者になって、今までは後は私だけだなってずっと感じていたので、センターが発表されたときは本当に安心しました。

(中略)

少しずつでも夢が叶っているのは、みなさんの応援や声のおかげです!
いつも諦めずに応援してくださってありがとうございます!
私も諦めたくないし、これからも素敵な景色を一緒にたくさん見ていけたらいいな!

2023.7.26 20:34更新 「Am_I_ready?🐇発売日!」より

と喜びの声を滲ませていました。
発表当日0時のTwitterのトレンドには「まなふぃセンター」が入るなど、
概念じゃない人たちからも「やっとだね!」「うれしい!」とのお祝いの声をたくさん見つけて、
「なんだよ〜……すっげえ愛されてんじゃん……」
とスクロールしながら泣きそうになりました。
いや多分泣いてました。
「そうか、夢が叶ったのか。それをリアルタイムで体感できて俺も嬉しいよ……グスン」と。

でも、リリースからしばらく経ってのブログには打って変わって複雑な心境を吐露していました。

1期生曲のフォーメーションが発表されたとき、本当にたくさんの方が喜んでくださってとても嬉しかったです!

それと同時に、「センターだから頑張ってね!」という言葉をたくさん頂いて、もちろん、応援してくださって嬉しいなという気持ちもありましたが、個人的にその言葉に対して悔しさもありました。

今までずっと3列目だったり後列で、すごく目立つような場所ではないですが、どこのポジションにいても、その中で自分にできることを毎回全力で頑張ってきていました。

フォーメーションに関わらず、それぞれメンバーによって感じ方は色々あると思いますが、

3列目でもどうやったらファンの方に喜んでもらえるかな?次こそは一歩でも前に行って、たくさん見ていただける位置に行きたい!という強い気持ちやプレッシャーも感じながら日々過ごしていました。

どこの位置であってもみんな同じように向上心や責任を持って、お互いに高めあって前を見てきていたので、「センターだから」とたくさん言われたときには、ポジションに対してそういう風に見えてしまっている方もいるのかとすごく悔しく感じました。

2023.09.25 22:20更新 「2ndアルバム🎧」より

すまん、俺たちはしゃぎすぎたかもしれん……。

いや違う、違うんだよ。
俺たちはただいつもよりたくさんまなふぃが見れることが嬉しかっただけなんだよ。
本当の本当にただそれだけなんだよ。

3列目だろうと何処にいようと、
自分でも驚くほど早く「いた!!」って見つけてる。
(フォーメーション知ってるからだろ、みたいなナンセンスな茶々入れは無しで)
歌番組によっては一度もアップにならないときもあって、
「ったくよーざけんなよーおいスイッチャー!!」
と悲しくなったりもするけど、
(そのせいか歌番組はそんなに真剣に見なくなってしまった。一回だけとか。)
ライブで背高い子に被っちゃっても、
隙間からちらちら見える左半身だけを必死に見てた時もあったよ。笑

でも、僕はこの人のこういうところが好きだなと思います。
よく「感情を表現するのが苦手」だと自己分析なさってるし、
それはそうだと思う。笑
不器用というか、どうすればいいか分かんないんだろうなって察してしまう時もある。
メッセージも何人かとってるけど、そんなにたくさん送ってこないもんね。笑
(そういう控えめなところもめっちゃ好きだわ)

だからこそ、心から信用できる人でもある。
内側で静かに燃える、熱い気持ちを持ってることをみんな知ってる。(みんなもそうでしょ?)
ここぞという時はちゃんと自分の意見を堂々と言える。
それも先陣を切って、ちゃんと客観視して、
そういうところも俺は好きだ。

他の少人数のアイドルグループだったり、
もっというと日向坂でもフロントメンバーだったり、
常日頃そういう方々のファンを恨みこそしませんが羨ましく思っています。
「いいなぁたくさん映って……」って。
(他のメンバーを下げる気は一切ありません、みんな大好きです)

だからやっぱり俺は嬉しいよ。
嬉しいというこの気持ちを、胸の高鳴りを、隠さないよ。
'骨組みだらけの夏休み'という曲があることが。
MVこそ無いけど、ちゃんと高瀬愛奈を紹介できる曲があることが。
「この子!!俺この子応援してんの!!すっげえかわいいだろ!!」
と分かりやすく言える曲があることを。

いつか卒業する日が来てもこの曲のセンターはあなたです。
誰も代わりなんかできないセンター、その事実は永遠に変わりません。
(他のポジションもそうなんですが)

'骨組みだらけの夏休み'は間違いなく「日向坂46の曲」であり、「まなふぃの曲」なんです。

まとめ

ここまで纏まりの無い長文を読んでくださった方、ありがとうございました。
こんなに長くなるとは思わなんだ。
どう着地させようか迷いましたが、
結局言いたいのは最後の一文だと気づき、
そこに向かっていく作業でした。
蛇足も多かろう文章でしょうが、熱い想いは伝えられたかなと。
公式にこの曲を無料で紹介できるコンテンツがありませんでしたので、
最後に配信一覧と一瞬だけ映るツアーダイジェスト映像を載せておきたいと思います。
気が向いたら、いや気を向かして一度視聴してみてください。
そしてこの曲の良さを知ってください。
よろしくお願いします。
いつかまたライブで聴きたい。

4曲目に収録されています。CDならType-B。
(余談ですが'ガラス窓が汚れてる'も表題を食う勢いの名曲です)

2:01から一瞬だけ。
いや短えな!!他の曲と比べても短過ぎるだろ!!
2ndアルバム「脈打つ感情」Type-A 特典Blu-ray「収録されています。

いやー長かった!!笑
次回は2023年の日向坂46について書こうかなと思います。
目標は1月中更新で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?