見出し画像

「超」加工食品とは加工食品とどう違って、何がヤバいのか?

1〜2年前から耳にするようになった超加工食品とは、一体どんな食品を指すのか。
超加工食品の特徴は何か。
超加工食品はどのような健康リスクがあるのか。
及び、その対策について解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)

超加工食品とは

今年の2月発行のNewsweekに、「あぶない超加工食品」という特集が組まれていました。 

記事を読むと、「超」加工食品とは

「それを構成する化学物質のレベルまでいったん分解して、化学物質に手を加えてから、再び合成するという工程を経ている。自然界には存在しない、いわばフランケンシュタインのような食品だ」

Newsweek 2012.2

と書かれています。

従来の意味での加工とは違う、高度な処理の加工を施すために、超加工食品という新しい呼び方が生まれたようです。

もう少し身近で、分かりやすい説明があります。

米国糖尿病学会(ADA)によると、超加工食品とは

「糖分(おもに砂糖、デンプン)や脂質(おもに飽和脂肪酸、リノール酸)、塩分を多く含む加工済みの食品。香料、乳化剤、保存料など添加物を加え工業的な過程を経て作られる。常温で保存できたり、日持ちを良くしてある食品」

ADA米国糖尿病学会

ということです。
私がそれに付け加えるとすれば、ビタミンやミネラル、食物繊維、EPA DHAなどの良質な油がほぼ全くない食品だと言えます。

つまり超加工食品は、

「体(細胞)にとって全く必要がないもの、または適度にあればよいものが異常に多い。
一方で体(細胞)に必要なものがほぼ全く含まれていない。そして、もっとも重要な栄養素であるタンパク質も非常に少ない食品」

だと言えます。

具体的な食品としては

ソフトドリンク、クッキー、スナック菓子
フライドポテト、フライドチキン、
チキンナゲット、ミートボール、ピザ、
菓子パン、ドーナツ、マフィン、パイ、
ミルクシェイク、アイスクリーム、
インスタントラーメン、冷凍食品、缶詰
 

などが挙げられます。

これらはすべて、現代人の嗜好を見事に満たす食品、または多忙な現代人を少しでも楽にしてくれる便利な食品です。

超加工食品のリスク

超加工食品の消費量増加により、今では、アメリカの成人の半数が糖尿病か糖尿病予備軍で、4人に3人は太りすぎだとNewsweekに書いてあります。

当たり前のことですが、一応説明すると、超加工食品が肥満を引き起こすと考えられる理由は2つあります。

超加工食品は、糖質が多く一方で食物繊維がないに等しいので、血糖値が一気に上昇します。

すると、膵臓からインスリンというホルモンが大量に分泌されます。
が、インスリンは余剰な糖質(ブドウ糖)を細胞に押し込んで肥大させるため、肥満が促進されます。

また、超加工食品はコカイン並みに高い依存性があるとNewsweekに書かれています。
ただでさえ依存性がある砂糖は、超加工食品に含まれる他の材料(調味料?添加物?)と組み合わされると、依存性がさらに高まります。

実際に超加工食品を多く食べると、食欲を増進させるホルモン(グレリン)の値が上昇することが分かっています。
この食欲増進ホルモンが脳に作用して、満腹であるにもかかわらず、脳が空腹感を感じてしまいさらに食べてしまいます。

この悪循環に陥ることが、肥満を引き起こすもう一つの原因です。
アメリカでは、成人だけではなく子供の肥満も急増している、とNewsweekは警鐘を鳴らしています。

超加工食品に関する各国の研究報告もあります。

心臓病のリスクが上昇する(アメリカの研究)
コレステロール値や中性脂肪値が上昇する(ブラジルの研究)
過体重や肥満のリスクが上昇する(スペインの研究)
がんのリスクが上昇(フランスの研究)
などです。 

がんのリスクについては、
高温加熱により発生する発がん物質(アクリルアミド)、
または包装資材に含まれる発がん物質(ビスフェノールA)
もリスク要因だと考えられます。

こういう食品を日常的に体に入れていては、絶対に健康は維持できません。
何らかの病気になることは間違いありません。

超加工食品に対する現実的な対策

では、少し難しいですが、対策です。

この記事を読んだので、明日から全部やめようと思って実行しても、おそらく無理や歪みが出てきます。
一切口にしなければ問題はすべて解決しますが、現実的にそれは難しいと考えます。

私が住む沖縄は、共働き世帯や母子家庭の割合が全国的にも高く、その一方で子供の数は多いことで知られています。

そういう家庭、そういう状況で
「冷凍食品は栄養価も低く、健康上問題があるから買わないで下さい」
とは、やはり言えません。
毎日の生活を成立させるのが何よりも優先事項です。

では、どうするか。
月並みですが、減らせるところから減らすしかありません。

1日3回の食事に、止むを得ず最低限の超加工食品が入るのは、目をつむるとしかありません。
まずは、それ以外のおやつ、嗜好品から見直すことを薦めます。

例えばソフトドリンク。
とんでもない量の砂糖、または人工甘味料、さらに各種香料や人工着色料を含む清涼飲料から、香料も一切入っていない炭酸水に代える。

これだけでも大きな違いです。

おやつに関しては、スナック菓子を減らして、アーモンドなどナッツ類を増やすのがいいと思います。
あるいは、近年人気が高い、高カカオチョコレートはどうでしょうか。

カカオ比率が高い分、相対的に砂糖が少なくなっています。


炭酸水であれ、高カカオチョコレートであれ、最初は甘みの物足りなさを訴えるはずです。
けれどもそこは、しばらく継続して、そのくらいの甘さで満足できるまで味覚を慣れさせることが重要です。

先ほど話したように、砂糖には依存性があります。
そして、人の味覚は次第に甘いものを求める傾向があります。

Newsweekの記事に、下のような表記があります。

身の回りを見ても、本来辛いはずのキムチやカレールーに砂糖が大量に使用されているなど、思いあたる節があると思います。

余談ですが、上海に仕事で行った時に、「砂糖入り」サントリー烏龍茶が自販機で売っていたには驚きました。

これは極端な例にしても、こういう業界の風潮に私たちの味覚が侵されてはいけない、ということが大切です。

超加工食品を一つずつ他の食品に置き換えていけば、5年10年の物差しで見た時に、健康レベルに大きな違いが出るはずです。 

焦らず地道に食生活の改善を続けてください。

なお、砂糖依存症については、下の記事で触れていますので、気になる人はお読みください。

まとめ

超加工食品とは
「糖分(おもに砂糖、デンプン)や脂質(飽和脂肪酸、リノール酸)、塩分を多く含む加工済みの食品。香料、乳化剤、保存料など添加物を加え工業的な過程を経て作られる、常温で保存できたり、日持ちを良くしてある食品」
のことです。

つまり、体(細胞)にとって全く必要がないもの、または適度にあればよいものが異常に多く、一方で体(細胞)に必要なものがほぼ全く含まれていない。
そして、タンパク質も非常に少ない食品です。

具体的な食品は、
ソフトドリンク、スナック菓子、フライドポテト、フライドチキン、菓子パン、ドーナツ、マフィン、アイスクリーム、インスタントラーメン、冷凍食品、缶詰 
などです。

超加工食品は、肥満や糖尿病のみならず、心臓病やガンのリスクも上昇させます。

対策としては、食事以外のおやつ、嗜好品から減らしていく、他の食品に置き換えていくことをお薦めします。

この記事の内容については動画もアップしています。合わせてご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?