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どこかぽっかり明るかった日々として

電車の待ち時間。
今、担当医師からの説明を受けて、帰りの電車を待ってるところ。

クリーンルームの患者をみるドクターというのは、大変な商売だ。
ついつい患者に「 忙しくて 」と言ってしまったのが、患者から看護師に漏れると、注意を受けるらしい。パパさんが僕にそんなことを話した。「あらー、言っとくねー」と看護師さんが言ってた、と。

患者に遠慮させてしまい報告連絡相談の断絶が起きると危険、風通しの良さ最優先、という意味だろう。

昨夜は患者さんが容態急変し、大変だったようなのだ。
説明と説明の間に、へとへとなんだけどもうひと押し、的な息遣いが混じる。

多分このあとも、その患者さんの容態ウォッチが続くのではないか…僕は一人の帰宅時にようやっとそれに思い至った。

僕は、僕より10歳ぐらい年上のこの先生の朗らかさや率直さ、何かまっすぐと明るいところが大好きだ。

で、午前中に
「ペーパーは準備出来ていないが、夕方5時に できればご家族同席で説明 したいがいいか。 緊急が入ってしまったら説明そのものをキャンセルしてしまうが、構わないか 」という旨の打診があったので、OKして出かけた次第。

いやもう、ひどい雨の、寒い日だった。

室温24度の病室に入った途端、HP3ぐらいまで落ちてた僕は、睡眠剤入りカクテルでも食らったかの如く「ごめん少し寝る」と机に突っ伏してしまい、25分ほんとに寝た。

担当医師の説明を受けて、少なくとも今日と明日の予定が変更になった。それに加えて、悪天候のため今日の予定は来週にくり延べ。

ここに来て、白血病の家族看護って、想像以上に手続きやら病院訪問やらスケジュールの変更が頻発するのだとわかってきた。

うまい手料理を食わせてやろうとか、大事な子どもさん達の保護育成にも不慣れながら取り組もうとか、までカバーを試みているから、自分の仕事にまで手が回らない。

こういう時に有料コンテンツを持って行ってもらえるような仕組みがあると、助かるんだろうなあ。

とほほだ。

ま、今回の教訓ということだ。

断じて退却はすまい、僕は僕が介入した4年間を、大変だったがどこかぽっかり明るかった日々として、パパさんにもお姉ちゃんにも弟くんにも、記憶してもらいたいのだ。

どこかぽっかり明るかった日々として。

…写真は、弟くんが先週見つけた「梅を吸うメジロ」。小さな緑色の鳥が、腹を上にしてぶら下がっているのが、見えますか。

寒い雨の日の、慰めになれば…。

「最大値の2割」ぐらいで構わないから、ご機嫌でいたい。いろいろあって、いろいろ重なって、とてもご機嫌でいられない時の「逃げ場」であってほしい。そういう書き物を書けたら幸せです。ありがとう!