乾いた光
空気は音に戻り、
あの音を求めている。
色は光に戻り、
あの色を求めている。
・
鳴り輝いた雷のあくる日。
濡れた地面から溢れる光。
きらきら揺れる。
朝が終われば、
蒸発してしまう光たち。
空気へ還る足音と一緒に。
・
指先でそっと撫でようとした一筋の光。
乾いた木に響く、6弦の音色。
形も変えずに真っ直ぐ揺れる。
それはなぜ。
耳を潤す。
・
晴れた夜。
海上の空。
乾いた潮の香りを弾け飛ばす一輪の打上げ花火。
鼓動を撫でる音、
消えたあとは星空に変わる。
海は深い。
空は高い。
音と光は彼方はるかまでとんでゆく。
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