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ノーチラス

毎月一通エアメールを送ることにした。

これで2ヶ月目。

お気に入りのポストカードに、
二十四節気七十二候を記して日本の季節を伝え、

そして3行ほどの詩を1つ添えて。

隣に書きなれない言語で住所を書いて、

国際郵便でしか使わない70円切手を貼る。

それを郵便局のポストにいれる。一連の儀式。


家の近くの小道にもポストがぽつんとたっているけれど、なんだか郵便局に置かれてるもののほうが、
早く届きそうな気がして。

そうやって、
わざわざ少し離れたところまで自転車を漕ぐ自分が愛おしく思えたりする。

先月はじめて送ったときは、
4日で届くって聞いていたのに2週間後に届いたみたいだったから、
届かないその間の期間、配達員さんがどこかで落としちゃったんじゃないかと胸がざわざわしていた。

最終的に届いたお知らせをきいた時、
ほっとした。

長旅をして、届く一通。

たったの3行の言葉だけど、
一字、一字、ひと月考えぬいて出した音。

字は下手くそだけど、大切に綴った。



これが届くまではなんとしてでも死ねないな。

先月はじめて投函して、
今月も投函したとき同じように思った。

まるでそれは、
未来の自分へ向けての一通であるようにも思えた。



必ず生きます。

だから言葉を受けとって。


今もきっと世界のどこかを流れるように、
この言葉は色を帯びていく。

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