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ファジアーノ岡山 J1昇格への道 (2020シーズン)

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2020シーズンのファジアーノ岡山についての記事を集めました。
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記事一覧

『番記者さんにファジアーノ岡山の2020年と2021年について聞いてみた』インタビュー 寺田弘幸(番外編)

 今回はサッカーライターを目指す難波拓未が、サッカー専門新聞『EL GORAZO』でサンフレッチェ広島とファジアーノ岡山を担当し、選手の声を届けるウェブマガジン『ファジラボ』を運営しているサッカーライターの寺田弘幸さんに人生で初めてのインタビューをさせていただきました。  前編と後編に加えて、ファジアーノ岡山の2020年と2021年について語ってもらった番外編の3つに分けてお届けします。  さて、番外編では17位に終わったファジアーノ岡山の2020年の振り返りと2021年

『信じぬけ、解き放たれた力を』~第42節ヴァンフォーレ甲府VSファジアーノ岡山

 過密日程の2020シーズンの最終節は武田将平のレンタル先であるヴァンフォーレ甲府。ファジアーノ岡山の戦い方からは新しい「何か」を得るための経験値を積む場ではなく、何としても勝利を掴み取りに行くという確固たる信念を感じた。 スタメン 風上とダイレクトプレー作り出す混沌 ラインを押し上げてコンパクトにした状態からロングボールを蹴って、高い位置でのプレー機会を増やそうという狙いを持って今シーズンのラストマッチに入った。少ない手数で相手ゴール前に侵入する、ダイレクトプレー全開と

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『高くついてしまった授業料』~第40節モンテディオ山形VSファジアーノ岡山~

 7試合勝ちがないファジアーノ岡山がモンテディオ山形のホームに乗り込んだ第40節。喉から手が出るほど欲しい勝点3の前にもがき続ける。 スタメン 縛りから解放した上門知樹の行方 左サイドハーフとして組織的な守備を学びながら、内側に入っていって強烈な右足を振り抜く。今シーズンの上門知樹が求められて、実践してきた役割だ。  岡山で1シーズンが経とうとしているが、昨シーズンにFC琉球で14ゴールを記録した攻撃力の全貌はまだまだ出せ切れていない。その要因としては、ブロックを作る1

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2021シーズンのファジアーノ岡山の右サイドバックを担っていくのは誰だ

これはスポーツ分析に興味のある方々で作成する「スポーツアナリティクス アドベントカレンダー2020」の12日目の投稿です。  今回、アドベントカレンダーにお誘いしてもらい記事を書くことになりました。記事を投稿されている他の人に比べてデータを扱う能力は乏しいですが、せっかく頂いた機会を「挑戦」の意味を込めて生かせればと思います。  そこで、応援しているファジアーノ岡山の来シーズンの右サイドバック事情についてJリーグに掲載されている今シーズンのデータを基に考察し、自分の見解を

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『譲れない90分』~第39節FC琉球VSファジアーノ岡山~

 今シーズンも残すところあと4試合。沖縄出身の選手がいたり、開幕前に引き抜いたりとリーグの中で関係性が濃いFC琉球との一戦。FC琉球は「絶対に負けられない戦い」という気持ちでファジアーノ岡山を迎え撃つ。 スタメン イ・ヨンジェVSリ・ヨンジ 起点にもフィニッシュ役にもなれるFWイ・ヨンジェを中心にファジアーノ岡山はFC琉球が守るゴールに迫っていった。前節のようにFWヨンジェが「ゴールを決めてくれる」という思惑は打ち砕かれた。  FWヨンジェのスピードやパワーは間違いなく

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「ソリッドな4-4-2を攻略するためには」~第38節ファジアーノ岡山VSアビスパ福岡~

 ファジアーノ岡山のホーム最終戦となった第38節。本拠地シティライトスタジアムが工事で使えないため、香川県にあるPikaraスタジアムを借りて、昇格レース真っただ中のアビスパ福岡を迎え撃つ。 スタメン リスクをかけずに ファジアーノ岡山、アビスパ福岡は共に前から連動したプレスで主導権を握りたいチーム。切り替え(トランジション)の部分で激しい展開が繰り広げられた。両チームはDFラインから丁寧に繋ぐのではなく、早めに前線のターゲットにロングボールを当てるプレーを多く選択してい

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『追いついたという自信に』~第37節ギラヴァンツ北九州VSファジアーノ岡山~

 ピッチとの距離がかなり近い”サッカー専用スタジアム”ミクニワールドスタジアムに乗り込んだファジアーノ岡山とサポーター。対するギラヴァンツ北九州は自分たちの特徴を出して、ホームの利を生かして奮闘する。 スタメン 人数を集めることで作った広さを使う北九州 前半の多くの時間をギラヴァンツ北九州が優勢に進めた。北九州はボール保持時、ファジアーノ岡山の選手をボールサイドに集める狭いスペースでのパス交換を多用。北九州の選手は繊細なボールタッチ、コントロールで狭いスペースでのプレスに

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「自分たちの良さと相手の良さ」~第36節ファジアーノ岡山VS栃木SC~

 今シーズン最後となった”ホーム”シティライトスタジアムでの試合。得点力不足が否めないチーム同士の対戦は戦前の予想を覆す撃ち合いとなった。 スタメン 幅と深さで揺さぶる岡山の攻撃と上門知樹が決めた1点目 ファジアーノ岡山はサイドバック(以下SB)で幅を取りながら2トップで深さを作ることでボールを中心に人を集める栃木SCの守備を剥がそうと試みた。  岡山は今シーズン意識的に取り組んでいたDFラインから丁寧に繋ぐというよりは早めに2トップに当てる攻撃を採用。栃木の前からのプレ

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『完売御礼の勝利を届けたかった』~第34節ファジアーノ岡山VSジュビロ磐田~

 長崎でのショックから3日後に行われた試合。高校生無料招待や小学生以下に手袋プレゼント、ハーフタイム高校生ダンスパフォーマンスや書道パフォーマンスなどイベント盛り沢山だった。前売りチケットが完売するなど注目が集まった一戦は勝ちたかった。この言葉に尽きる。 スタメン 遠藤保仁包囲網 ジュビロ磐田はMF遠藤保仁が中盤の底に君臨し、動きながら少ないタッチ数でパスを散らしていく。ボールの落ち着き所として背番号50を経由して磐田の攻撃は展開されていく。  ファジアーノ岡山はMF遠

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『現地で感じた実力差と背中を押せない悔しさ』~第33節V・ファーレン長崎VSファジアーノ岡山~

 はじめてのアウェイ1人旅。はじめてのアウェイ席での観戦。持っていた期待や大学生ならではの弾丸スケジュールでファジの試合が見れるという優越感は試合終了のホイッスルと共に悔しさに変わった。 スタメン 遅れるファジアーノ岡山のプレッシング 岡山は4-4-2でセットして、2トップからボールを持つ相手CBに規制をかけながらプレス。第一プレスに連動した形で中盤の4人やサイドバックがスライドして、ボール保持者にアタックするプレッシングが持ち味だ。直近の試合で負けが少なかったのはこの守

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「均衡した90分を決めた勝利の執念」~第32節ファジアーノ岡山 VS FC町田ゼルビア~

 前節京都に逆転負けを許したファジアーノ岡山はホームで勝点3を目指す。一方FC町田ゼルビアは第26節京都戦から勝ち星がない現状を打破すべくシティライトスタジアムに乗り込んだ。 スタメン 質の高いボランチのローテーション この試合は4-4-2のフォーメーション同士のチームが戦うミラーゲームとなった。町田のボランチMF佐野海舟・MF高江麗央はボール奪取に優れている選手で地上戦のデュエルでも戦える選手。そのボランチの前、2トップの一角からスッと下りてバイタルエリアを主戦場とする

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『模索し続けた立ちはだかる壁の打開策』~第31節京都サンガVSファジアーノ岡山~

前節劇的な勝利を収めたファジアーノ岡山は今シーズンから京都サンガのホームスタジアムとして建設されたサンガスタジアムbyKYOCERAに乗り込んだ。岡山はアウェイで勝点3を獲得して7試合負けなしの勢いを続けたいところ。迎え撃つ京都は勝ってホームでの連勝を伸ばしたい。 スタメン 狙いは3バックの脇 4-4-2で戦うファジアーノ岡山は3-4-3で戦う京都サンガに対して配置のミスマッチを突くことを徹底した。狙うポイントはウイングバックの背後かつ3バックの脇だった。  サイドから

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『大どんでん返しとたくましい選手の帰還』~第30節ファジアーノ岡山VSジェフユナイテッド千葉~

 スタジアム観戦時のアルコールが解禁になり、アウェイシートが設けられた第30節。均衡しているJ2において順位を上げるために必要な勝点3を目指す両チームは激しい火花を繰り広げる。 スタメン 「6分で1-1」の捉え方 4-4-2で堅実な守備から入る両チームが対戦する今節。なかなかスコアが動かない落ち着いた試合になるという戦前の予想を開始早々の互いのゴールでいきなり裏切ることになった。  まずは千葉の得点は5分に生まれる。GK新井章大のロングキックにFW山下がDF濱田に競り勝

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「負けないから競り勝つチームになるために」~第29節ツエーゲン金沢VSファジアーノ岡山~

スタメン ゴールを決めさせない集中したディフェンス この試合の特に前半、ツエーゲン金沢はFWルカオにボールを集める攻撃を展開。191㎝91㎏高さと強さを兼ね備えたFWルカオに対するロングボールの効果は絶大、相手のエースをマークすることが多いDF濱田水輝はこの日もFWルカオを担当。身体をしっかり付けて競ることで余裕を与えない守備を徹底、競った後のこぼれ球をMFパウリーニョやDF田中裕介が拾って、金沢の攻撃をシャットアウトした。  22分、DF田中裕介がFWルカオの推進力を吸

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