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「水を守る」そのコストはどこから?

先日、コカ・コーラが取り組む水資源保全戦略の強化に関する記者会見に参加しました。

飲料水という「水」を使ったビジネスを営んでいる以上、その消費量をできる限り少なくしたり、流域で雨水などがしっかりと地下へと染み込むように森林を保全したり……。実はコカ・コーラはもちろん、サントリーやキリン、アサヒなど、飲料メーカーは各社水資源を守るための取り組みを進めています。

日本にいると実感しにくいかもしれませんが、今後人口がさらに増加していくことが予想される世界においては、飲用に適した水の不足は深刻な問題なのです。

こういった環境保全活動は、一昔前であればいわゆるCSRとして認知されていたのではないでしょうか。ただ、今となっては、こういった活動なしにビジネスを回すことは難しくなってきているのではないかと思います。

そこでふと思ったのが、こういった活動を維持するコストの出処です。

飲料メーカーに限らず、地球上に存在する資源を製品化するケースは非常にたくさんあります。今までは、その際に環境に与えた負荷をもとに戻すためのコストは、企業が出した利益の中から持ち出されていたのだと思います。

ただ、地球環境が不可逆的に悪化しつつある現状で、企業には更に強い取り組みが求められています。ただ、企業が持ち出せる資金にも限りがあります。

そう考えると、そう遠くないうちに、企業が販売する製品にもさらに環境負荷を与える分のコストが乗ってくることは避けられないのではないだろうか……と思います。


※こちらはBusiness Insiderの無料会員用に用意したコラムです。三ツ村は金曜担当として、日々の取材で見聞きしたことや面白い研究論文などについて解説することが多いです。
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