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NFT(Non Funsible Token)とは 

本記事は、NFT を見聞きしたり、初めて保有したり、それは何だ?とおもった方々向けに、まず初めに読む用に書いてみました。
「これだけ知っとけば理解した気になり、周りにも説明がしやすくなる」といったところをゴールにしたいとおもいます。

一般の人へのわかりやすさ重視で記載しています。技術的な意味では表現が厳密でない点が多少あるかもしれませんが、その点はご了承ください。

以下のような問いに答えられることを目指します。

・ NFT は何?(言葉の意味も含め)
・ NFT によって変わる事は?
・ どんなところで使われている?
・ 技術としては何が関係している?

トークン とは?

Non Funsible Token の最後の単語「トークン」これは何であるかという点に初めに触れておきます。NFT が扱われる近辺ではこの「トークン」は暗号資産/仮想通貨と同じ意味で扱われることが多いです。一般的な説明としてはもう少し広い下記のようなものとしてとらえられます。

トークン = 何かの印、象徴

NFT も「通貨」ではありませんので、通貨以外で上記の意味合いを持つということで理解しておけばよいでしょう。

現実世界でも実際呼んではいないものの「トークン」としてあらわされるものにはいろいろあり例えば、【オリンピックの金メダル】【肩たたき券】【ラジオ体操に参加した事を示す、ハンコ(ポイント)】などは「トークン」と呼べそうです。

では、NFT の前の2つの単語「Non Funsible」は何でしょうか。

言葉の、意味からとらえる NFT

NFTが訳される時「代替え不可能なトークン」となりますが、そもそも日本人が”代替え可能”という言葉が「あーそういうことね」とすぐ理解できる人は自分も含めですが、多くないのではとおもいます。なので、そこから話を進めます。

みなさんの、一番身近な”代替え可能”なものというのは何かと聞かれると、それはだれしも持ったことがある”お金”です。
例えば【10円硬貨(玉)】は世の中にたくさんあり、特に日本人なら多くの人が持っているかとおもいます。そして、Aさんの10円玉もBさんの10円玉も”同じもの”ですね。よって、AさんのとBさんの10円玉が交換されてしまったとしても何も変わらず10円として使えるものです。この時、

”10円玉”は代替え可能である。

といえます。

一方、「代替え不可能(Non Funsible)」とはこうはならないものだよ、という事です。「代替え不可能」をいくつか表現を変えてみます。

他のものと置き換えられないよ
唯一無二のものだよ
世界で一つだけだよ
交換不可能だよ

みなさんの身近にも、代替え不可能なのものはいろいろあります。みなさんの住まわれている”家”やダヴィンチが描いた”モナリザ”、おじーちゃんからもらった大切な”手紙”とか、”自分自身”もそうですね。同じ”人”でも「あなたとわたし」は置き換えられないし、まさに”この世ので1人だけ”ですよね。

こういうことが、デジタルの世界の”もの”に対しても表現できるようになった、そんな革命的なテクノロジーが NFT だと理解ただいてよいかと思います。

この時点で「あーそうか」と気づいた方は勘のよい方かとおもいます。そうでなかったとしても、デジタルの世界がどういうものかを聴くとわかってくるのではと思います。

これまでのデジタルの世界はどうだったのかを改めて見ていきます。

デジタルの世界からみた NFT

デジタルとは「0,1」です。一般的にコンピュータが扱う最小の単位として表現されます。

それはさておき、皆さんの生活にコンピュータは欠かせないものになっているはずです。たとえば、皆さんが何かコンピュータ上でデータを作成したとします。ここではわかりやすくお絵かきソフトでを描いたとしましょう。

コップの絵

この”コップの絵”はコンピュータで描かれているので、デジタルデータです。つまり、一番小さく分解していくと「01011101・・・」という0と1の並んだものになります。

さて、このコンピュータで描かれた”コップの絵”は「代替え可能か、不可能か」でいうと、どちらでしょうか。

先ほどの理屈で唯一無二かというと、コンピュータでは「コピー」ということをするといくらでもたやすく全く同じものを複製できます。やろうと思えば無限にでもこの「コップの絵」は複製できて、たくさんの人に渡す事もできます。よって、例えばAさんとBさんが同じものを持ってます。
さらに、それが交換することもできてしまう、よってこのコンピュータで描かれた”コップの絵”は「代替え可能」なわけです。

誤解のないように、これが良い悪いという話ではなくそういう世界をコンピュータの世界は構築しているだけであり、その中の常識やルール、仕組みにそって我々は便利に使っているというのが今であるという事です。ただ、現実世界と比べたときに全く同じ事が言えるものと言えないもの、扱いが難しいものはやはりあり、NFT はそのギャップを埋めてくれる1つのアイディアとも言えるものです。

一方、現実世界で「私がキャンパスに描いた”コップの絵”」というのはどうでしょうか。文字ずらだけで読んでも「それは”代替え不可能だよ」という声が聞こえてきそうです。そう思えなかった人も「私の娘が描いた”コップの絵”」としたらどうでしょうか。

では「私の娘がコンピュータで描いた”コップの絵”」としたらどうでしょうか。これは前者のように「代替え可能」になってしまいませんか?「親としてはいや、違う」と思いたいかもしれませんが、複数並べられたときにこれがそうだと探し当てらる自身はありますか?と。。。

前置き長くなりましたが、これをデジタルの世界でも代替え不可能、つまり「世界で一つだけのもの」にしてしまうのが NFT です。

NFT はデジタルの世界の中で、その世界なりの工夫することによりこれを実現してくれました。

さて、このコップの絵を「代替え不可能」にするためには、どうしたらよいのでしょうか。「何にも代えられない」「世界で一つだけのものである」そして「それは確かに〇〇〇が持ってる(所有している)」という特徴を備えていればよさそうです。

NFT によって、この特徴をコップの絵に吹き込むことができるようになります。

具体的に何を吹き込むのかというと、「それは誰によって作られたものであるか等」や「誰が持ってる(所有者)」という情報です。コップの絵でいうと

・ 作者は「ななしのごんべい」
・ 2022年3月9日に作成
・ 2022年5月5日に”ななしのごんべい”から”ほげ丸”に渡った
・ 現在の所有者は「ほげ丸」さん
・ 「コップの絵」データは〇〇〇に保存されている

といったような情報です。
今回の例で表現するなら”コップの絵のNFT”はこういった情報を持つことになります。そして、このインターネットを含めたデジタル世界の中でこれが唯一無二の証明として存在することになります。

感覚ですが、NFTによってこれまでの単なるデジタルデータであったコップの絵に【裏】がついたようなイメージしてもらうとよいかもしれません。

表だけ見ると全く同じ

ここで、よく誤解を招いたり、つっこまりれたりする点について補足します。

「コップの絵」のデジタルデータのコピーそのものはできます。コンピュータは一寸の狂いもなく全く同じものを作れるその性質は変りません。(上記のイメージでいえば【表】の部分)

ここで、NFT が起こしている革命的な点の1つに、いわゆるその「オリジナル」の証明をできるという点です。
いままでは、「ごんべいさんが描いた”コップの絵”を誰が所有している?」という問いへの答えるすべがデジタル世界ではありませんでした。
これをしっかりと信用をもって証明することができます。

そして、それが唯一無二なものであるという事になると、そのものに独自の価値、資産性をおびてくる可能性もあります。そうなってくると、今までデジタル世界では現実世界と同じようにできなかった事が様々できる可能性をおびてきており、デジタルデータの活用やビジネスのユースケースも広がってくるといったことで、注目を浴びているということになります。

ユースケースから見る NFT

どういったユースケースがあるのかをここでは、列挙してみます。それぞれについてはここでは解説しないので、興味がわいたら調べてみてください。

・ クリエイターがデジタル上で描いたデータの販売するために NFT化
・ ゲームの世界のアイテムの NFT化
・ トレーディングカードの NFT化
・ イベントなどのチケットの NFT化
・ 音楽データの NFT化
・ 学歴・卒業証明書の NFT化

これは、実現されているほんの一部のユースケースです。NFT はまだまだ活用の幅をこれからも広げてゆくとおもわれます。

テクニカル視点での NFT(Option)

このセクションでは、テクノロジー面も気になる方に少しだけ技術の面の NFT の情報を記載します。すべての技術用語を解説しきると大変長くなるので、その点はそこそこにし、NFT にかかわる部分のみにしています。

この革新的なテクノロジーは、ブロックチェーンという技術によって支えられています。「ビットコイン」は聞いたことがあるかもしれません。ビットコインのような暗号資産/仮想通貨もブロックチェーン上で存在している、通貨としてのトークンです。NFT は同じトークンでも別種のものであるととらえていただければと思います。

ブロックチェーンは誤解を恐れずいうとインターネット上に存在し”コンピュータ”に近い特徴を持っています。それは、プログラムが実行できたり、データが保存できたりします。そしてブロックチェーンは誰か一人であったり、ある組織によって動かされているものではなく、世界中で分散的に動かされています。それは言い換えると、みんなで”監視”しているとも言えます。これにより、ブロックチェーン上のデータは改ざんが非常に困難になっています。

NFT はブロックチェーン上に作られるトークンです。

NFT となったデジタルデータには改ざんされたり、勝手に書き換えられると困る情報もあったかと思います。(誰が作ったとか、今誰が持っているとか)それが、世界中のみんなによって守られている、そんな形です。

「これは私の娘が描いた”コップの絵”である。」というのは NFT とすることで、その”情報”が確認できるので、しっかりと他者に証明することができます。この時、ではそのNFTの情報そのものが”正しい”と誰が保証してくれるのか?は、それが”ブロックチェーン上に存在しているから”、というのが応答になります。

もうちょっと踏み込むと、この NFT はどんな形でも自由に作ってしまうと扱う上では都合がよくありませんので、これこれこういう仕様で NFT を作ってね、という規格が存在しています。これも複数ありますが、有名なものにERC-721 という規格があります。
これは、イーサリアムというブロックチェーン上のNFT 標準の1つです。

このNFT 関連規格は提案され続けており、より便利に、そして現実世界との関係性を持てたり、さらにユースケースも広がるものもあったりと、個人的にとても期待しています。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
興味のある視点は人それぞれ異なるかもしれないので、NFT をいくつかの視点で説明をしてみました。

ご自身のためや、他者へのご説明などの参考に慣れればと思います。

参考

Ehereum docs ERC-721
Medium 記事
OpenZeppelin docs


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