首位打者よりも打点王|016
ぼくはどちらかというと「首位打者」よりも「打点王」を狙っている。
首位打者を狙うなら、当然「打率」を意識しないといけない。打率は毎打席、打ったり打たなかったりで上下するものだ。「打率を意識する」とは、毎日上がったり下がったりする「変化を意識する」とも言えるだろう。それは、なかなかにしんどい作業で、意識が強ければ強いほどジェットコースターのように気持ちが上下に揺さぶられる。
その点「打点」は安心だ。何が安心かって、打点は下がることがない。これまで積み上げた数字が減ることがない。起こる変化といえば、上がる(増える)だけだ。
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自分の創作活動を振り返ってみると「打率」よりも「打点」の意識が高かったように思う。ゴミみたいな作品が生まれても、さほど気にしない。「そんな日もあるよね、また明日」という感じで。
ぼくにとっては、ゴミみたいな作品も打点+1だ。そして、超お気に入りの作品も、打点+1だ。どちらもぼくにとっては大切な打点であり、平等に受け入れるべき存在なのだ。
これはなにも「打点王」を狙った方がいい、という話ではない。「首位打者」と「打点王」に優劣はなく、タイプ次第だろうと思う。
ただ、もし自分が「ゴミみたいな作品は許せない。良いものを作り続けて、絶対に打率を下げないぜ!」といった首位打者狙いの意識で創作に向き合っていた場合、はたしてここまで続けられただろうか。
自信は、ない。
Today's Art
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