若い人と今の自分の立ち位置を考えた
数年前のことだ。職場の若手と飲む機会があった。
昔、自分が若手だったとき、職場での自分の冷遇ぶりや職場環境の不満を同期や仲間によく漏らしては飲み明かしていたが、いまはその若手とは違う立場にいることに気づかされる。
それでも彼らが抱える漠然とした不安や不服はかつて自分も経験したことなので、肯定も否定もせずただ頷いて聞いていた。
彼らが漏らす不満の中でもっとも気になったのは「仕事がつまらない」という不服だ。僕はこれに関して「仕事を面白くするのもつまらなくするのも自分次第だよ」とひと言だけ意見を言った。
この考えは僕が4年間地域の電気屋さんを取材して得た結論だ。成熟した家電市場の中で、特定の狭い地域だけで商売をする「街の電気屋さん」は、傍からは斜陽だと言われている。
しかしそんな中でも元気に活躍している電気屋さんは確かに存在するし、それぞれ地域や経営スタイルに合わせた独自性を打ち出して商売として成功している。
成功している彼らに共通するのは、自分で仕事を作って面白くしていることだ。上から降ってくる業務を定型に当てはめるだけで給料がもらえる彼らの不満は、甘え以外何物でもないと当時は思えた。
「自分はいつか凄い存在になるはずだ」
若者だけが持つこの不遜とも言える唯一論は、若者だけが持ち得る特権である。だからこそそれを昇華させる努力も必要だ。
人は自分に降りかかる不幸や不満をとかく周りの環境のせいにしがちだ。だからこそ、与えられた環境の中で自分に足りないものが何なのか?それを解消するためにどうすれば環境を良くできるのか?を考え続けなければならない。それが自身を次のステージまで押し上げてくれる。
だから人生は楽しく工夫して生きていかなければならない。若いとそれが肌で感じることができないし、僕も今まで本当の意味で理解していなかった。
自戒の念もこめて、今回のことをレポートしておこうと思った。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?