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[WIP]SciPy 2020 に参加しました

本記事では2020年7月6日から2020年7月12日の間、@tkoyama010がScipy2020に参加をしてきた体験を共有します。

動機

TalkとTutorialの申込み

レビュー

レビューを担当させていただいたトークについてご紹介します。

Gajendra Deshpande. Computation Techniques for Encrypted Data

暗号化に関するトークです。クレジットカードの支出明細書やその他の財務書類などの重要な書類を復号せずに行う技術を準同型暗号化といい、それのアルゴリズムをPythonで実装したとのことです。なぜこの技術が必要かの説明が明確でした。また、トークの時間配分も含め資料を提出しており既にプレゼンの完成度が高いことも評価すべきです。カテゴリーがGeneralになっていますが、より専門的なセッションでのトークが適切と考えています。

Zac Hatfield-Dodds. Test your code with the Scientific Method!

科学計算におけるテストに関するトークです。科学技術計算におけるテストは十分行われているとはいえず、興味深い内容です。hypothesisパッケージを使用することによるテストについてのトークです。スピーカーはhypothesisのコアディベロッパーであり、ライブラリについての詳しい内容のトークをすることが期待できます。

Wolf Vollprecht. scikit-geometry and generic computing in Python

scikit-geometryとは科学的なPython幾何アルゴリズムライブラリです。具体的なライブラリのリポジトリが示されており、リポジトリの内容も興味深いです。提案者はscikit-geometryの開発者であり、ライブラリの内容に関する詳しい話をしてくれることを期待できます。scikit-geometryに関するトークはScipyカンファレンスにおいて初めてという点も評価するべき点です。

Anthony Scopatz. Oops, My Neighborhood Oil Refinery Exploded, Again!

市民科学プロジェクトにおけるPythonライブラリの具体的な活用方法に関するトークです。具体的な事例を提示しており、興味深いアブストラクトになっています。また、Pythonライブラリの応用だけではなく、コミュニティの成功と失敗を共有することは他の参加者にとって大きな利益になります。ただ、投稿者が言及しているように私も"General"ではなく"Earth, Ocean, Geo and Atmospheric Science"でトークする方が適切と考えています。

Matthew McCormick. spatial-image: A multi-dimensional spatial image data structure for scientific Python

spatial-imageは、sckit-image、itk、pyimagej、opencvなどの科学的なPythonイメージ解析パッケージと互換性のある方法で、空間メタデータ、機械学習、Daskを介した分散コンピューティングをもたらすとのことです。提案者が開発しているリポジトリ(https://github.com/spatial-image/spatial-image)を確認しました。開発はまだ始まったばかりのようです。今後の展開をとても楽しみにしています。

Sebastian Berg, Stephan Hoyer, Matti Picus and Stéfan van der Walt. NumPy: A Tour of Recent Technical Improvements

Numpyの開発に関するとトークです。具体的なプルリクエストのリンクが挙げられており、何についてトークをするか明確になっていました。NumpyはScipyの基礎であり、参加者にとってその動向を知ることはとても大切です。トークは汎用的な内容であり、参加者からレビューを得られることが期待できます。

John Kirkham. GPU Packaging for the Community

GPUのパッケージングのメカニズム関するトークです。GPUのパッケージングに関する問題提起が明確であり、何についてトークするか分かりやすいようやくになっていました。トークの中ではコミュニティがGPUパッケージを簡単に作成できるようにするためのメカニズムについて説明があります。参加者がこれからGPUを使う際の有益な情報の共有ができます。

Matt Haberland, Karthik Elamvazhuthi, Olga Turanova and Katy Craig. Decentralized, Deterministic Robot Swarm Control using Blob Methods for PDEs

ロボットの群制御アルゴリズム被覆率の問題についてのポスターです。論文として公開されているものの、計算の技術的側面の説明です。既に論文になっていることを考慮すると、完成度の高いポスターを期待することができます。関係のある論文も多数列挙されており、概要として完成度が高いものでした。SciPyとSymPyの応用もされており、参加者が取り組む問題への応用も期待することができます。

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