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2021/05/24 むしょうにハムちゃんず

古いゲーム機を処分できず、結局手元にず〜っと置いている。ゲームボーイカラーはさすがに捨てた気もするが、それ以降の、例えばゲームボーイアドバンスは未だにとってある。小学校五年生のときに買ってもらったから、だいたい15年以上経っているだろうか?

ゲームに関して興味が湧いたきっかけは、『とっとこハム太郎』だった。確か小2くらいの話だ。当時はハム太郎が大ブームを巻き起こしていて、ゲームまで発売されていたのだ。それまでまったくゲームには触れてこなかった私だが、ハム太郎は原作の漫画を気に入っていたし、なによりいちキャラクターであるトラハムちゃんに対し生まれてはじめて「推し……」の気持ちを抱いていたところだったので、とにかくハム太郎に関するものは色々欲しかった。そんな中友人に教えてもらったのが、『とっとこハム太郎2〜ハムちゃんず大集合でちゅ〜』である。

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©️2001 Nintendo ©️河井リツ子/小学館・SMDE・テレビ東京

●とっとこハム太郎2〜ハムちゃんず大集合でちゅ〜

ハム太郎の愉快な仲間たちである「ハムちゃんず」を、溜まり場である「地下ハウス」へ各地から集めてくるゲーム。謎解き要素あり、ハムスター言語(作中では「ハム語」と呼ばれる)を使ったコミュニケーション要素ありの結構しっかりしたアドベンチャーゲームである。ネットでもマジで評価がいい。


私はこれに大いにのめり込み、食事も忘れて没頭した。ゲームボーイカラーという、今思えばドット数も色数も制限された中で最大限の優れたグラフィックに、かわいくてシュールなハム語の数々。さらにすこし難易度は高めだがだからこそやりがいのある謎解きや一貫したストーリーと、驚くほどゲームの出来は良かった。

なぜハム太郎にこれほどまでのクオリティが注がれたのか謎ではあるが、とにかく面白くて本当に熱中したものだ。熱中し過ぎてラーメンをうっかりこぼしてゲームボーイカラー本体を水浸しにしてマジで泣いた。あまり泣かないこどもだったが、このときは世の中のすべてが私の敵だと思ったししばらくトラウマでラーメンが食べられなかった。乾いたら普通に使えるようになったので当時のゲームは丈夫である。ラーメンも食べられるようになった。

ハム太郎のゲームはその後も続々と発売されるが、これがまた…………良い


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©️2002 Nintendo ©️河井リツ子 / 小学館・SMDE・テレビ東京

●とっとこハム太郎3〜ラブラブ大冒険でちゅ〜

第三弾のこちらでは、なんとハム太郎のガールフレンドであるリボンちゃんとともにその名の通り「ラブ」を巡った大冒険をする。ラブといってもその愛のかたちは様々で、性別や種族を超えた多種多様の「ラブ」をプレイヤーはハム太郎たちとともに見守っていく。ハム太郎のゲームの中では一番評価が高い。あとこのゲームのホラー要素は本当に怖い。


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©️2003 Nintendo ©️河井リツ子 / 小学館・SMDE・テレビ東京

●とっとこハム太郎4〜にじいろ大行進でちゅ〜

第四弾のこちらではさらに仲間が増え、ハムちゃんずの面々と虹をつくるための色探し(虹の七色探し)を行う。これまでとは打って変わりミニゲームが主体となる。この難易度がまた良いところをついていて、簡単すぎもせず、かといって難しすぎもしない良い塩梅だ。さらににぎやかなストーリーを彩るよう、登場ハムスターがグンと増えた。み〜んなかわいい。


今でもこの二作は手元にあるため年に一回ほど収集要素も含めた完全クリアを行っているのだが、何度やっても出来の良さに感心する。ほんと〜にすごい。グラフィックずっと綺麗だしハムちゃんずの解釈も一致だしなによりアドベンチャーゲームとしてしっかりしてる。こども向けにしてはすこしだけ難易度高めなところが、クリアしたい!やり込みたい!と逆に刺激的に感じていた。“こども向け”というのは、こども相手だからといって話を簡単にしたり謎解きを簡単にしたりすればいいという話ではないのだ。

ただ、私がのめり込んだ理由はもっとシンプルだ。とにかくハムちゃんずが…………かわいかった

このゲームら、マップを動くハムちゃんずやハムちゃんずのアクションがま〜〜かわいい。おまけでついてくる収集要素も、服とか宝石とかアクセサリーとか塗り絵とかシールとかで、女児のすべてが詰め込まれていた。マザーグースやパワーパフガールズも言っているように女児はお砂糖スパイスステキなもの、そしてハムちゃんずで出来ているのだ。てか別に女児じゃなくても多くの生き物がこれらで出来ている。私も未だにかわいいものを収集してしまうもんな。「かわいい」はなにかを超越する。

プレイの思い出で一番記憶に残っているのは、その「かわいい」の中でも個人的に幼少時トップだったトラハムちゃんのエピソードだ。特に『ラブラブ大冒険でちゅ』のトラハムちゃんと、そのボーイフレンドであるのっぽくんのことはよく覚えている。覚えているというかこの間もやったのでわりと新しい記憶だ。

『ラブラブ大冒険でちゅ』でのトラハムちゃんは、のっぽくんとともに「ゆうえんち」へ遊びに行く。ところがこののっぽくん、ゆうえんちへ来たというのにま〜ったく遊ばん。本読んでる。

私もインドア人間だから気持ちはわかるのだが、少なからず「ちゅ〜ラブー」な相手とゆうえんちへ来ているというのに本に夢中になり過ぎるというのはさすがに……さすがに!?と思った。トラハムちゃんがオタクに優しいギャルに見えてくるのも仕方がない。

※「ちゅ〜ラブー」とはハム語で「あいしてる」を意味します。


『にじいろ大行進でちゅ』のようなプレイヤー寄りのキャラとして存在する場合ののっぽくんは、そのハムらしからぬ知識量や落ち着きで頼りになる存在だ。ただ、このときはトラハムちゃんに同情した。私だったらたぶんもう二度と一緒に出かけない……と心に誓う。周りはわいわい楽しんでいる中で放置されるのは悲しすぎる。乗り物も一人で乗ってこいってか。

それでも私が操作するハム太郎達の助けによって最終的にトラハムちゃんとのっぽくんはラブを育む。ただこれは相手がトラハムちゃんというオタクに優しいギャル概念だからなんとかなっていただけで、現実世界だったらラブを育む前に大喧嘩になる可能性がある。のっぽくんに心当たりがある私のような人間は気をつけなければならないという戒めでもあった。

ちなみにこのエピソード、トラハムちゃんの双子の兄であるトラハムくんも絡んでくるのだが、トラハムくんに関してはこの話で株が上がるようになっている。また、トラハムくんは恋多きハムなのでどのハムともラブを育むことはない。いやむしろすべてのハムとラブを育んでいるのか? トラハムくんの夢女も安心してプレイ出来る嬉しい仕様だ。

これらのソフトと本体についてはたぶん駿河屋とかで購入出来るので、気になった方はぜひ遊んでほしいです。あと難しいだろうけれど買い切りでスマホゲーとして移植販売されてほしいと願ってしまう……そのときはめっちゃ布教活動行いますので何卒………………、今日は以上。




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