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シーライクスでマーケティングトレースやってきた!〜スノーピーク事業拡大戦略の考察

1月26日(日)にシーライクスのマーケティングトレース講座に行ってきました。マーケティングのフレームワークを一通り教えていただきながら、各自好きな企業を対象にトレースするという内容で大大大満足でした!
とてもボリューミーな内容だったので、もっと考えたいと思う部分もあり、持ち帰って自分なりにまとめてみましたので興味のある方はぜひご一読ください。

当日私がトレースしたのはアウトドアメーカーの「*Snow Peak」さんです。
以前、業界の講演イベントがあって、そこでお話を聞いてからすっかりファンになってしまったので、そこも踏まえながらスノーピークが今後どういう戦略を考えているかについて深掘りをしてみました。

0.講演会に行ってきた!

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以前参加したのがこちらの講演会で、株式会社スノーピーク東日本事業創造部 シニアマネージャー吉野さんが登壇されました。
私が造園・エクステリア業を仕事にしているということもあり、住環境とアウトドアの価値どう捉えて事業をしていくのかという戦略のお話は業界が変わるだろうなあという興味深い内容でした。

1.スノーピークとは

スノーピークの名前を知っている方はたくさんいると思うのですが、新潟の燕三条発祥の国産メーカーだったことなど、私は全然知りませんでした。
「人生に野遊びを」というブランドコピーであったり、大人心をワクワクさせるのとても上手だなあ!という印象でした。また、NewsPickの記事でもよく出てきていて、製品価格が高いにもかかわらず圧倒的ファンがたくさんいる、ブランドづくりの好事例としても見かけることがありました。

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公式HP▶︎https://www.snowpeak.co.jp/

株式会社スノーピーク
創業 :1958年7月
資本金 :10億7,003万円(2018年12月末時点)
本社:新潟県燕三条市
従業員数 341名:(2018年12月末時点)
事業内容 :アウトドア製品の開発・製造・販売、アパレル製品の開発・販売
直営店 :33店舗(2019年3月末現在)
キャンプフィールド :6箇所

2.スノーピークの強み

アウトドアメーカーとして始まったスノーピークですが、大きく強みが2つあります。

①つくる
・インハウス型・・・オリジナルをつくる、全てが自社開発の製品
・デザイン・・・自社開発なので製品同士の連動性高(テーブルやキッチン道具が連結できたり)徹底したシステムデザイン
・ロングライフ・・・ロングセラー製品がおおく、20年を超えて販売している、永久保証とアフターサービス←当たり前だから最初から保証書を付けていないのだそう!驚きです。

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②つながる
・顧客接点と体験を重視・・・地域密着型の店舗、スタッフ対面のリアル店舗約90店舗(国内)、キャンプフィールド6箇所
・リアルでつながる・・・焚き火を囲みながらユーザーと社員が一緒にキャンプ「スノーピークウェイ」、ユーザーの声を聞く←とても楽しそう

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引用:繊研電子版(スノーピークの強さと新たな成長戦略)

スノーピーク製品は他のアウトドア製品と比べて0一桁違うくらいの製品価格で決して安くはありません。ですが、スノーピーク好きはスノーピークがすごく好きで、一式揃えている人が私の周りでもたくさんいます。
その理由が、このような製品自体の機能、サービスの良さなど製品(モノ)とスタッフ(ヒト)に対しての信頼なのかなと思いました。

参考:スノーピーク「2019年12月期 第2四半期決算説明資料」

3.課題となっていること

講演の中で吉野さんから上がった業界の課題として、実はアクティブキャンパーは人口の7%しかいない!ということでした。もっとアウトドアを身近に感じてもらうことが必要ですが、最近になってキャンプやグランピングが流行っているし、アウトドアへの関心が高まっているなあと感じてはいるものの、こんなに少ない割合だったということは驚きでした。

そこで、スノーピークとして事業領域の拡大のお話です。

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すでに小売だけにとどまらないこれだけの事業を始めていて、キャンプ=非日常・大自然という領域から、より身近な暮らしのあらゆるシーンで自然と人をつなぐ取組みへと広がっていることがわかります。

スノーピークがコンサルをした宿泊施設ができたり、都会でもオフィスや住宅にアウトドアが取り入れられたり、ゴールがキャンプをすることではなくなってきています。

事例として挙げられていたのが、新潟市にできた住宅地「天野エルカール」です。”アーバンアウトドア”という考え方で、わざわざ大掛かりな準備をして野山や海辺へと出掛けることなく、普段の生活の中でアウトドアを楽しむ暮らし方が取り入れられています。

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このように事業領域をより身近な日常に広げていっている事例の紹介がいくつかありました。事業拡大を図で表すとこんな感じでしょうか。

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4.シーのマーケティングトレースでやったこと

そして、このような講演を聞いていた上で、昨日参加したマーケティングトレース講座では、マーケティングのフレームワークを学びながら、よりスノーピークの事業を深掘りをすることができました。

①外部要因の分析(PEST分析)

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重要な外部要因を見極めることが目的で、こちら↓が講座メモです。「実現性が高く、影響度が高いところ」を見つけます。(汚くてすみません、、)

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私は、インバウンドや地方創生に関わる部分が、実現性含め、社会的にも重要度も高く影響力が高いと考えました。

その部分について、事業領域の中ですでに地方創生やまちづくり事業をしているスノーピークですが、その中で「Snow Peak Experience」というものがあることを知りました。

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(公式HPより)

自然と人、人と人がつながる新たな体験
日本各地で継承されてきたその土地の文化や食、ものづくりに触れ、追体験することで日本の魅力的な文化、産業を未来に継承していく旅。

このような体験を提供するプラットフォームです。
これがどんどん重要になってくるのでは?と考えて、フレームワークに当てはめ進めていきました。

②業界構造の理解(5FORCE)

次に、「業界競合」と「価値競合」を整理しました。(※ほか項目は割愛)

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業界競合でいうとスノーピークはアウトドアメーカーなので、単純な競合は同業であるコールマンやモンベルが考えられます。
しかし、「Snow Peak Experience」はイベントや旅と表現しているように、顧客に提供している価値は「自然と人、人と人がつながる体験」なので、価値競合となるのは、旅行会社やアソビューなどのレジャー予約サイトになると考えました。
この競合の捉え方を間違えると、そもそもの構造を理解する業界自体を間違える可能性が出るので注意、ということでした。

③競合との違いを定める(STP)

次に、競合との違いを見極めるためのポジショニングマップを作成しました。※3C分析は割愛

S:セグメントする▶︎ T:ターゲットを定める▶︎ P:ポジショニングマップ作成

●「Snow Peak Experience」のSTP(仮説)

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HPを見ると、キャンプ好きが集まっているのはもちろん、子ども参加もOKだったり、食事や体験プログラムは運営側が全て用意してくれているので、荷物持たずに、気軽に参加できるというところが良いのかな〜と思いました。また、初めましての人同士で焚き火を囲んだり、地域ならではの体験を通じて、キャンプ仲間をつくれたり「つながり」を重視していることがわかります。

ただ、キャンプをほぼしたことのない私からすると、ブランド力の高いスノーピークだからこそスノーピーク=キャンプがち勢という印象と、テント設営をしたことない人も大丈夫ですと要項にありながらも、周りができる人ばかりだと恥をかくんじゃないかとか(笑)思ってしまいました。

なので、ここからは考えた案ですが、

●「Snow Peak Experience」のSTP(仮説)の再定義

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ターゲットは、アウトドア好きの中でも初心者に変えて、学びの側面を強く出したほうが、スノーピークのファンに取り込む可能性も増えて、アクティブキャンパーが7%しかいない中で、その他の93%を取りに行くことができるのではないかなと考えました。

ポジショニングマップにまとめると、とてもざっくりですがこんな感じです。

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コミュニケーションを求める且つ、体験や学びに思いっきりよることが、競合との差別化にもなるのではと考えました。

④現状を再定義をする(4P)

時間も迫る中、講座の最後に4Pでサービスを再定義し、自分だったらどのような施策をするかまでを考えました。

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非アクティブキャンパーの心理的な参加ハードルを下げることと、ただブランド価値は下げないように価格はそのままとしました。その代わり、参加者特典という形でスノーピークグッズなんかをプレゼントすると、次またキャンプをしたくなるし、もっとグッズを揃えたくなるかなあと考えてみたりしました。

また、講座の最中には調べきれなかったのですが、facebookには公式でスノーピークコミュニティがあり、ユーザーが情報交換をする場がありました。12,000人のメンバーがすでにいるので、その中でも初心者だけの集まりがあると、参加しやすいのではないかなと思いました。

5.まとめ・感想

目一杯の講座で、割と自論でつくっちゃっている感が否めませんが、、、
外部要因を踏まえて、重要度が高い部分を見つけ、競合比較し、自社サービスを再定義するという一連の流れを体験することができました。

まとめると、「snow peak experience」が世の中の流れにもマッチしていて、(重要影響度高い)自社の課題である非アクティブキャンパーを取り込む解決策にもなるのではないか?というのが結論です。

正解かどうかはおいておいて、こうやってアウトプットして自分なりの答えを出せたというのがとても満足感が高く、本当に勉強になりました。

講演での吉野さんのお話に戻りますが、質疑応答の際に、このように事業領域が拡大するなかで、造園やエクステリア業界からするとまさに競合になるところで、住み分けなどどうなっていきますかね?という質問が出ました。

確かにエクステリア業界ピンチです笑

それに対しての吉野さんの答えは

「今後の世の中はどんどん境界がなくなっていく」

でした。逆を言えば、既存のエクステリア業界がアウトドアリビングが流行る中でキャンプ製品も作っても良いわけで、業界のルールや固定概念に縛られていたら、あっという間に競合と思っていなかった企業に取って代わられてしまうのだなと感じました。

最近スノーピークは企業ミッションを改定しています。

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(スノーピークHPより 全文はこちら

改定前のステートメントもみれるのでぜひ読んでほしいのですが、

【改定前】私達は、私達に関わる全てのモノに良い影響を与えます。

【改定後】私達は、地球上の全てのものに良い影響を与えます。

すごいかっこ良いです・・・!

こうやって時代とともに変わっていく姿勢や、事業領域が大自然から都会まで広がって、地球全部を対象に事業を取り組んでいることを知って私自身、製品は一つも持っていないのにスノーピークさんの大ファンになったし、シーのブランディング講座でもあった「伝道者」と呼ばれる圧倒的なファンをもつ企業が今後は強くなるんだなあということを感じました。

つたないトレースでしたが、卒制に続いて2回目のトレースもすごく気づきがあって楽しくできました。トレースはやはり自分の好きな企業さんを選ぶと楽しいです。

もっとこういう施策があるなどご意見やアドバイスありましたらぜひ頂けると喜びます。講師・運営のみなさまありがとうございました。


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嬉しいです✨ありがとうございます!
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Webデザイン&マーケィング ”伝える⇄届ける”を勉強中。2019キャリアチェンジして造園&外構設計の業界で緑を増やすお仕事をしています。【目標】30代突入に向けてジャングルジム的キャリアで身軽に、好きなことをしていたい。
コメント (2)
記事拝見しました!

業界競合だけでなく価値競合の視点は勉強になりました。
競合=同業界 と捉えがちですが、消費者からすると業界とか関係なく、
「自分にとっての価値」からサービスや商品を選ぶものだな、と気づかされました!

次回更新も楽しみにしています!
コメントありがとうございます🤲価値競合の考え方は私もすごい学びになったところでした!

そうですよね、自分たち目線から業界とかあまり意識してないですし、普段から『なんで自分はこのモノやサービスを選んだんだろー』とか考えることがトレースのきっかけになるなと、トシさんのご指摘から思いました!

また機会がありましたらまとめます☺️
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