バカたれ男と天然娘Part2

結婚は(基本的に)人生で1度の体験である。

なんてカッコつけてみたけど、結納どころか顔合わせもまだのギリギリ婚約状態。

そんなオレが「結婚」という単語を使うのは抵抗しかない訳なんだけど……

「結婚」までの道のりがもう今の段階で結構キツい。

というか婚約まではもう少し時間がかかる予定だった。


そもそもオレは来年1月早々に仕事場を異動することになっていてそのための準備中。

その異動先と嫁さんの職場がそう遠くないとこにあったから

何なら一緒に住むか?

みたいな軽い感じで同棲することに。

でもやっぱりご両親には報告が必要って事で相手方の家にご挨拶(前に1度挨拶に行っている)。

嫁さんの話だと同棲したい旨は既に伝えていて、かなり前向きだそうな。

何かあっても私いるし、1回来てるから問題ないと思うよ?

嫁さんにそう言われ「これは楽勝やな」みたいな感じで嫁宅に颯爽と乗り込んだ。

嫁両親「…………」

オレ「…………」

嫁「…………」

プアァァァー

オレの心のブブゼラが鳴り響く。

おい、なんだこのくっそ重い空気はよ!?

そんでお前、ホントにいるだけなんだなこんちくしょう!!

結局嫁両親には許しを得たものの、渋々感が拭えず後味の悪い結果に。

嫁さんの住む所は田舎の方で付き合ってから結婚するまでの順番があるらしい。

オレのまわりが結婚してなくても同棲してるやつばっかりだったから何も思ってなかった。

前もって調べるべきだった、そう思った。

許してはもらえたんだから大丈夫じゃない?

と能天気な嫁。

プアァァァー

この日2度目のブブゼラ。

あのご両親の顔みて、大丈夫な訳ねぇだろ!?

と思いつつ

ん〜どうかなぁ、もう一度出直すことにするよ。

と冷静に対応する紳士なオレ。

やっぱり……いち男としてキメないといかんかぁ……

と思いプロポーズを決意して一週間後。

いい感じの高めのフレンチレストランに嫁さんをご招待。

前もって薄いピンク色の薔薇の花束を準備、加えてプレゼントも用意しての三重態勢。

1年も付き合っても不安が勝ってしまう心配性のオレ(情けない)。

そして来たる12月6日、オレはプロポーズを決行する。

勝負はいい感じでメインディッシュを食べてるその最中……今だぁぁ!!!!

トイレに行くフリして(緊張しすぎてで実際行ったんだけど)店員さんに合図を送ってテーブルに花束を持ってきて貰う。

伝える言葉はシンプルでいい。

カッコつけようとすると余計混乱する。

シンプル・イズ・ベスト!!

そしてオレはこう伝える。

この1年間付き合ってくれてありがとう。

これからもずっと一緒にいさせて下さい。

僕と結婚して下さい。

緊張でよく覚えてないけどこんな感じのこと言ったと思う。

このあとの彼女の言葉はオレは忘れないと思う。

え〜?私でいいんですか〜?


………………

プアァァァー

お前、1年付き合ってんのにお前以外誰がいんだゴルァァァァ!?

とプロポーズの瞬間までブブゼラを鳴らしてしまった。

どうやらオレのブブゼラはコイツの天然な発言に反応するようだな。

一大決心したんだから天然はもっと他のとこでやってくれ(泣)

まぁ、改めて嫁さん両親に挨拶行ったら前とは違って歓迎ムードだったからまぁ結果オーライかな。

皆さんもご挨拶に伺う際は土地柄とか順番とか一通り調べて行く事をオススメします。