上層部として組織に入る時に気をつけた2つのこと
外資就活質問箱でいただいた質問について、noteでは回答に関する裏話をつけて、ロングバージョンでお届けします。
質問:上層部として組織に入ることの難しさ
今回はいただいた質問はスタートアップに上の役職で入るときに気を付けていたことについての回答です。
どんな組織でも、中にいる身としては、外から連れてくるのではなく、内部昇格がなされるべきだ、と思うこともあるでしょう。一方、外からでないと新しい血が入ってこないことも事実でしょう。
では自分自身がそうして上のポジションで入るとき、どういった形で溶け込むのがよいのでしょうか。僕が特に重要であると信じ、実践したことを2つ、挙げさせていただきます。
回答:「アン・ラーニング」と「クイック・ウィン」
僕は取締役として参画しました
一般的には、そうした重要ポジションではいきなりは入りません。採用をする経営陣としても採用される側としても、うまく活躍できるかどうかが分からないので、いったんそこまでの重要ポジションではないところから始めるのです。で、入社後に何かを成し遂げたタイミングで昇格し、執行役員や取締役になるというのがよくあるパターンでしょう。
ただ、僕の場合には代表が大学時代のゼミの後輩で、もともと知り合いであったことが大きかったように思います。お互いに一定、どういった人間か知っているということで、そういう形をとることができたのでしょう。
ただ、それもあくまで代表と僕の個人的なつながりであって、社員のみんなには関係のないことです。
そこでうまく溶け込むにあたって、「アン・ラーニング」そして「クイック・ウィン」の2つを意識していました。
まず「アン・ラーニング」
「アン・ラーニング」とは、これまでの自分の常識が新しいところでの常識ではないと心得て、そうした常識を捨て去ることです。
特に言ってはいけないのは、“前の職場ではこれが当然だったよ”みたいな言葉です。自分の経験を活かすのは、前向きな未来の構築にであって、現状を否定すること・見下すことではありません。
そして次に「クイック・ウィン」
何かひとつ、小さいことで良いので、会社に、チームに、人に、貢献することです。この人がいてくれてよかったと、小さなものでもいいので、感謝してもらえるよう、何でも拾って対応していました。小さいウィンのあとに、大きなウィンがちゃんとくれば、そのときには職位の高い人でもファミリーに加えてもらえると思っています。
僕の場合には、小さな感謝を集めて、そして半年後にはシリーズCの調達を終えることが出来たので、そこでやっと溶け込めたかなと思いました。
裏話:2つの言葉を知ったきかっけ
この2つの言葉をはじめて聞いたのは、ともにコンサルティングファームででした。
「アン・ラーニング」は転職活動中に
この言葉は、コンサルティングファームに転職をしようとしていた中で聞きました。
あるコンサルティングファームから「証券会社でそれなりの地位にいたあなたは、コンサルタントとして新しいキャリアを歩むのに、アン・ラーニングができなそう」というフィードバックをもらい、落とされました。
逆にカーニーの面接そして入社後の研修では「これまでのキャリアの経験はもちろん、使えるところは使ってほしい。けれど、常識はいったんアン・ラーニングして、そして学びなおしをしてほしい」ということを言われましたがされました。
これはコンサルティングファームに限らず、異業種への転職で「アン・ラーニング」が大切だということだと思っています。
「クイック・ウィン」はカーニーで
「クイック・ウィン」はカーニーのプロジェクト、特にカーニーのお家芸であるコスト削減プロジェクトでよく聞く言葉です。「まずクイック・ウィンで簡単に落とせるところはいくらで、中期的にできる部分がいくら」という話をしがちです。
そこで「あ、コストは下がるのか」という成功体験をみんなにしてもらうこと、そして信頼をえることで、そのあとの大きな削減チャレンジに一緒になって取り組んでもらうのです。
この2つの言葉はこうして僕の中で息づいています(ちなみに、今取締役を務めているWACULではクイックウィンは日常の言葉として根付いています笑)。
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