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期待値を上書きする~下っ端が下っ端から抜け出す方法~

外資就活ドットコムでこんな質問をいただきました。

「若手コンサルタントです。案件に若手が複数人いるにもかかわらず、私だけ雑用のようなタスクを振られます。私は雑用のようなタスクを多く抱えているため、重要なタスクが発生した際は他の人に割り振られてしまうのですが、このような状況はどのように変えられるのがよいでしょうか?」

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これに関する答えを書いていた際、コンサルタントという職業だけでなく、非常に一般的な業務にも通ずるものがあるので、noteにも書いておこうと思いました。

※今の事象について、僕がマネージャーならどうしてそうするか、どう乗り越えてほしいかを想像しながら以下の回答を書いています。ご質問いただいた情報だけをもとに書きますので、必ずしも正しいとは限りません。また、どストレートに書いているので、少しキツイ言い方になっています。対面している部下であれば、もっとオブラートに包んで話す内容です。

ご質問はこちらからどなたでも匿名で可能です⤵

なぜ雑用をあなたに振るのか

若手アナリストが複数名いて、彼ら彼女らを僕がマネージャーとして率いているものとします。

雑用系タスクを誰かに集中的に渡す理由は基本的にはひとつです。チーム内での比較を行ったうえで、期待値に対して適切なタスクを振っているだけです。

偶然にも優秀な若手が2名いても、おそらく期待値の劣るほうに雑用を多めに振ります。なぜなら雑用タスクは必ず存在するので、誰かが行わなければならないからです。特に炎上中のPJであれば、教育的観点は持たず、シビアに割り振りをします。

PJに余裕があれば、教育的観点もこめて、一定の難しいタスクを一番下のメンバーに割り振るなど、配分は変えて一方に押し付けることはしないかと思います。ただし、教育的観点よりプロジェクトマネジメントの観点を重視するタイプのマネージャーは、シビアな割り振りをしがちだと思います。

乗り越える方法はひとつ。期待値の上書き

ではどうやってこの状況を乗り越えるべきでしょうか。答えはひとつしかありません。期待値に対してタスクを割り振られているので、その期待値を上書きするしかありません。

雑用系タスクでさえ、アプローチおよびアウトプットに質の差は出ます。

「この資料に載っているデータをエクセルに落としてほしい」と言う、非常に単純な雑用系タスクをあなたが指示されたとします。

アプローチの観点での期待値越え

「どういう目的なのか」を確認していますか?
目的にあわせて「どういうアウトプットにするか」を事前にすりあわせていますか?
「どれくらいの時間で終わると想定されるか?」を確認していますか?
途中で壁にぶち当たったときにすぐエスカレーションしていますか?

5W1Hを正しく認識し、途中で変更の可能性があれば、逐一ホウレンソウ(報告・連絡・相談)をしておきましょう。まだあなたは信頼を勝ち取っていません。だからこそ、意識のズレを無くしておくことと、こまめに自分の動向を伝えることが大切です。意識のズレをなくすための事前のすり合わせを十分にしておき、期待値からのブレをなくすこと、そして自分の働きをオープンにすることによるいらぬ心配というマイナスの排除です。

アウトプットの観点での期待値越え

時短できるような工夫をしていますか?
後工程である分析の作業までイメージしていますか?
分析の際にやりやすいよう工夫はしていますか?
情報を整理する過程で出会った役に立つ情報までアウトプットしていますか?

あなたはチームとして働いているのです。言われたことをやるだけでなく、まわりの力になりましょう。きっとまわりの人はあなたに感謝するはずです。想像力は創造力です。

そして、最も生々しいデータに触れるからこそ得られるインサイトがあるはずです。現場だからこそだせるバリューがその生データの中に埋まっています。

雑用を雑用と見下すことからやめる

雑用を雑用と捉えてモチベーション低く取り組むと、見えないことばかりです。そこで雑用系タスクをやっつけ仕事で戻す限り、期待値はあがらないので、そこから抜け出すこともありません。雑用を雑用と見下すことをやめましょう。それはあなたが向き合うべき重要なタスクです。そのタスクを見下しているあなたは、あなた自身を見下しているのと同じです。

雑用系タスクでさえ、間違いなく工夫の余地はあります。そこでマネージャーの期待値をこえて、マネージャーに「見くびっていた」「一段上のタスクを任したい」そう思わせるような、そんな若手コンサルタントになってください。

もしそれでも苦しければ、一緒に働きましょう

もしあなたが努力しても、どうしてもバイアスが掛かってしまい、抜け出せなくなってしまったら、転職を考えるべきだと思います。

コンサルティングファームではプロジェクトマネジメントの成否の大きな要因のひとつがチーム組成です。そのため、あなたから離れたパートナーは、時に古い情報のみに振り回され、リスク低減のためにあなたを遠ざけるかもしれません。そういったあなたへのバイアスが強まったなら、環境を変えるしかありません。

弊社WACULはコンサルタント出身の経営陣が率いるスタートアップです。そのため、カルチャーギャップは小さいでしょう。

弊社は各企業のセールス&マーケティング領域を中心に、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する会社です。SaaSプロダクトである「AIアナリスト」を主軸に、その周辺領域も含めた新プロダクト開発のために大企業とのPoCなどのプロジェクトも多数手がけています。もじ人生に迷ったら、一度お話しを聞きに来てください。よろしくお願いします。


サポートしてくださった方のご厚意は、弊社の若手とのコミュニケーションのためのコーヒーショップ代にさせていただきます。