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これは《ノン》フィクションで《ある》はない。

現実教の示す物語の世界に生きる人々にとってみれば、犯罪者は現実と虚構の区別がつかないという話をする。果たしてそうなのだろうか?
TarCoon☆CarToonという設定を設けその世界で生きる努力をする私にとって、現実と虚構は認知のカテゴリーが違うだけでしかなく、どちらも同じ自分の中のイメージでしかないと思っている。
そして「現実」が、「みんなと同じに感じているもの」だと思っているのならばそれは違うよ!ということを伝えたいが為『これは《ノン》フィクションで《ある》はない。』という文章を書かせていただきました。

本投稿は、『週間キャプロア出版』で掲載されたものを大幅に加筆修正したものです。
『週間キャプロア出版 企画』とは、全てFacebookメッセンジャーのやりとりだけで企画からKindleでの出版までをメッセージグループに居合わせたメンバーだけで行うという新しい試みの出版グループです。とても面白い試みですので、ご興味がある方は是非参加してみてください。

週刊キャプロア出版(第3号): フィクション 週刊キャプロア出版編集部 https://www.amazon.co.jp/dp/B07DCQ91P1/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_aCyeFbR4EV080 @amazonJPより

第3号は対談もさせていただいております。
もしよろしければ、対談記事はご購入の上読んでいただければ嬉しいです。


これは《ノン》フィクションで《ある》はない。

──これは《ノン》フィクションで《ある》。TarCoon☆CarToonが14歳と0ヶ月だった頃の話。厨二病真盛りだった彼は心理学に興味を持ち、図書館でとある本に出会った。『好き?好き?大好き?』と書かれた詩集に惹かれ、むさぼるように読み耽った。なんども図書館に通ってはなんども同じ本を読む。が、誰も確認したことがないのでフィクションと言っても良いのかもしれない。

────何故なら、

オイラがそう言っているだけだからだ。誰も、オイラが本を読んでいる姿を見てはいない。誰も、オイラが本を読んでいる姿を見た話をしていない。

──これはフィクションで《ある》。

『好き?好き?大好き?』と書かれた詩集は精神医学者R.D.レインが統合失調症患者の診察を進めて行く上で綴っている。作品に患者との直接の関係性のある症例を掲載したわけではないものの、大きく参考にしていると記されている。誰もが事実と信じているのでノンフィクションと言っても良いのかもしれない。

────だから、

実際の症例と照らし合わせることができる。誰もが、読むことができる詩集に書かれている。誰もが、読んだ上で詩集に影響されている。──これは《ノン》フィクションではない。TarCoon☆CarToonが『結ぼれ』という本を読み進めるうちに、自分を閉じ込める《括弧》の中の自分と《括弧》の外にいる自分が結ぼれて、絡みあって、こんがらがって、袋小路に追い込まれ、支離滅裂になり、堂々巡りをして、きずなを生んでいく。彼が言うことが本当に全て事実だと誰が証明できるでしょうか?なので


フィクションなのかもしれない。

────何故なら、

オイラがそう言っているだけだからだ。誰も、彼の心の中を見てはいない。誰も、彼の心の中を見た話を共有していない。

──これはフィクションではない。

苦しむ人が、集団社会から阻害され、排除され、抑圧され、さらに心を壊し、逃げ場がなく、追い詰められ、現実の世界に追い出されて行ってしまった。苦しむ人は大勢います。事実に基づく物語を多くの人が信じることでノンフィクションとなるのかもしれない。

────だから、

物語を信じることができる。誰もが、大きな物語を自分のことのように感じることができる。誰もが、自分の物語を自分だけのものと感じることができる。TarCoon☆CarToonは《ノン》フィクションで《ある》はない…。何故なら…、だから…、

連載時のあとがき
嬉しいことに対談をさせて頂きました。この場を借りてお礼を申し上げます。ざっと読ませていただいたんですけど、ものすごいボリュームをすごい勢いで喋ってるなぁ〜って感じた。けどまだ言いたりない。「俺いいこと言うなぁ〜」って自画自賛するにも関わらず、失礼な話ですが本当にそんな事を言ってたっけ?って覚えてない。きっとそれはフィクションだからなんだよ。何もかもがフィクション。だってさぁ価値やお金や言葉でさえも皆《虚構》でしょ?

週刊キャプロア出版では、このようなテキストを沢山の人が参加して、沢山の人が企画し、編集をして出版される電子書籍です。
Kindle Unlimitedでも無料で読むことができますので、是非お手に取ってみて下さいね。

週刊キャプロア出版(第3号): フィクション 週刊キャプロア出版編集部 https://www.amazon.co.jp/dp/B07DCQ91P1/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_aCyeFbR4EV080 @amazonJPより

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