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【好きなモノの話】魔人探偵脳噛ネウロ

 今回は、好きな「漫画」について書いていきます。「魔人探偵脳噛ネウロ」です。
 週刊少年ジャンプで2005年から約4年間連載した名作で、個人的好きな漫画の5指に入る作品です。

 謎を食べる魔人・ネウロが普通の女子高生・桂木弥子と共に探偵として、様々な事件を解決していく物語。

 作者の松井優征さんの他の作品は「暗殺教室」「逃げ上手の若君」とありますが、全部好きですね。
 これらの作品に共通して、『人間』が大きなテーマになっていると思います。
 現実でも先人達や同期、天才やヤバい奴など、他人を見る事で自分を、『人間』を知っていくものですが、上記の作品では特に顕著に描かれています。
 少年漫画では、良い意味でもっとエゴイスト的な物語が多いので、かなり異質な雰囲気を持っています。

 もう1つ大きな特徴として、主人公を小さく、隣に大きな存在を置いています。大きな存在は魔人であったり、超破壊生物であったり、運命や時代だったりします。
 小さく、読者に近い存在として描かれる主人公は、大きな存在を通して『人間』や『世界』を学んでいくんです。
 現実では親や先生、先輩が担う役割に人を越えた存在を充てがう事で、少年漫画の枠に収めているのだと思います。

 さて、「ネウロ」はやっぱり犯人達が面白いですよね。作中の事件は大半が殺人事件ですが、トリックの面白さも然ることながら、犯人の動機や狂人具合が秀逸です。
 度を越えた考え方や価値観を持つ犯人達ですが、どこかギリギリで納得してしまう様な理屈を展開してきたり、共感してしまう部分もあります。
 一番好きな事件は、アヤ・エイジアの事件ですね。
 世界的歌姫のアヤは、自分に近しい理解者が現れる事で、愛する人がいる事で、歌が歌えなくなる。だから、親しいマネージャーを殺害した。そして、自ら探偵に捜査を依頼した。
 この話を読んだくらいから、特に「ネウロ」にハマりましたね。犯人の描き方が滅茶苦茶に上手いなと。

 インプットがあれば、アウトプットもあるのが道理という事で、最後はこれまでに学んだ事を活かして、敵と対峙する形になります。綺麗なストーリーですよね。
 初めて読んだ中学生頃の僕は「なんだ。最後は結局バトル路線かい」と喪意を感じましたが、今思うと見方が変わってきます。
『人間』を学び、愛した、人と魔人が『人間』を嫌い、見下し、人を越えようとした人と対峙する。
 作品のテーマを『人間』とすると、素晴らしい構成だったのだと、数年経ってから気付きました。

 そんな名作漫画のお話でした。


Fin
 

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