赤い風船

37歳の会社員。優しい妻と5歳と3歳の男の子に恵まれ幸せに家族4人で暮らしています。今…

赤い風船

37歳の会社員。優しい妻と5歳と3歳の男の子に恵まれ幸せに家族4人で暮らしています。今の会社に勤めて15年。誰もが陥る昇進、転職、独立の岐路に迷い込んで、「本当の幸せは?」と禅問答する日々。妻のため?子供のため?それとも自分のため?その答えを探し過去の自分に会う長い旅が今始まる。

最近の記事

Balloon Journey#2幼稚園

魔法の近道1989年。 男の子3人が朝っぱらから道路を一直線に走り抜ける光景から始まる。 ヒロくん、ユウくんと朝の登園がもっぱら朝の日課になった。 3人マンションの下で集合し、上からいつ見ても走る子供たち3人の後ろをお母さん3人が歩いている。子供だけで登園ルートを決めているようで、よく見ると大体3パターンに分けられる。1つはセオリーの大通りを普通に進む、教科書通りの登園ルートだ。お母さん達は毎朝その道を歩いて向かっている。そしてもう一つが「ちょっとだけ近道ルート」だ。大通りか

    • Balloon Journey♯1 幼少期の記憶

      最初の旅路さて、オイラは赤い風船。 君も子供の頃に空高く、空高く、風船を手放し遠くへ飛ばした経験があると思う。 風船は、大空へ風向くままに旅に出たままその行方は誰も知らない。 たまに遠くをフワフワ浮かぶ赤や黄の青の丸いものを見つけては「あ、風船見つけた!」と小さい子供が空を見上げて指差すものの、その末路を実は誰も知らない。 よく手紙を括り付けて、「〇〇さんに届きますように」なんて役割を押し付けられる事もあるが、オイラに言わせりゃ大迷惑だ。 風船はフワフワ、自由に飛んでいるよう

      • Balloon Journey

        ~エピローグ~ 僕は今、休日の雨の日に5歳と3歳の男の子2人とリビングのソファーで遊んでいる。 今日の獲物は赤い風船だ。 最近僕は2人の子供と遊びながら、自らが幼子であった淡い記憶をめくり返す事が多く、今も弟と遊んだあの時の自分に重ねている。 あの時も赤い風船で遊んでいた。 右手で器用に風船を落とすまいと打ち続ける弟の健気な姿が朧げながらに脳裏に蘇ってくる。 父になった僕は、子供と遊んだり、時には叱ったり、叱った後は抱きしめたり、父としての愛情を注いでいるつもりだ。

      Balloon Journey#2幼稚園