サントリー美術館。
二回目だが前期はやや駆け足だったので、もう一度。今回は音声ガイドも借りて。
有楽斎をテーマとするなら、今回の展示で最も重要なものは、有楽斎に送られた手紙、有楽斎が送った手紙、有楽斎について書かれた手紙だろう。
逃げの有楽が、高い力を持ったネゴシエーターであったことを示す。
ネゴシエーターとしてのスキル、感覚が、二条御所での信忠切腹への関与、自らの離脱だったともおもう。
展示としては、もっとこうした手紙の意義を明確にしたほうがよかったのではないか。
敢えて「逃げの有楽」だったのかという問題設定をしたのであれば。
もちろん茶室如庵から見える茶道をモチーフにすることは納得するが、有楽斎にとって、茶道も茶室もネゴシエーションの場ではなかったか。
このあたり、やや散漫になった。
さらに主催者の一つである正伝永源院の寺宝などにまで、展示内容を広げた結果、「逃げの有楽」とは何だったのかという、とても興味深い設定が薄まってしまったことは否めない。
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