休校中の生活リズムの作り方‥の前に
突然の休校になりました。
寺子屋での利用者さんにアンケートを取ったのですが、心配されている方が多いのが、「生活リズムの乱れ」です。
これは今回のことに限らず、長期休暇になれば昔から、おそらく親御さんたちも子どもの頃は同じように心配されていたこともあると思います。
結論から言えば、休校中の生活リズムを作るためには、スケジュールを決めてしまう、できれば平時と同じような「時間割」を作るのがベストです。
ですが、ただただ「これでやりなさい」と時間割を決めてやらせようとするのはオススメしません(それにうまく行かないことでしょう)。
なぜなら、子どもたちがそれをやる意義を見出せないからです。
子どもたちはどうしていますか?
突然の休校に、子どもたちは比較的冷静です。
それはまだ、始まったばかりというのもありでしょうし、そこまで行動に制限がされていないから、というのもあるでしょう。あと、学校の先生方が、それこそ半日で出す宿題を慌てて考えて、たくさん出してくれた、ということもあるでしょう。
なので、そのお子さんの現実の捉え方しだいですが、比較真面目に宿題をやる子もいれば、昼まで寝てて、気が向いたら宿題をちょろっと、という子もいるでしょう。むしろ、一日中ゲームやYouTube・・・という子もいるでしょう。平たく言えば、「普通の長期休暇」と同じです。
これは基本的に、その子の「長期休暇の捉え方」にあります。
たとえば、ただただダラダラと過ごす子は、「休暇・休業」というものが、イコール「ただの長い休み」と思っていることが多いです。
それは、休みというものの考え方がそうなってしまっているのです。
大人でもそうですよね?
お休みの日に、資格を取るためにずっと勉強している人もいるかもしれませんんが、特に予定もやることもないと、ダラ〜っと過ごす人になりやすいのです。
大人ですらそうなのですから、まだ半人前の子どもが、そうならない方がむしろ珍しいと思った方がいいでしょう。
子供を持つ親御さんは、何もかも自分のペースでやれる独身の頃と違い、「休み」と言っても大概は家のこととか何かやることがありますよね?
だからよけい、休みの日の子どものダラダラが目に入ります。自分も一緒にダラダラしてたら気にならないですからね。
逆に言えばそれは、子どもたちが「本当にやるべきこと」がないという証でもあります。
子どもを動かすのに必要なものがない
親御さんの理想の「休みの過ごし方」は、基本的には生活リズムを整え、朝はしっかり起き、ちゃんと顔を洗い、朝ごはんもしっかり食べ、勉強もする、というものだと思います。
そういう意味で、「学校に通う」というのは、人間形成をするという点で、親御さんが学力を身につける以上に学校の「機能」として必要性を感じていると思われます。
しかしそれをお子さんがしないのは、心理学でいう、「インセンティブ」がないからです。平たく言えば、なぜやらないといけないかという動機、社会的な意義となるものがないのです。
たとえば、凄いイヤな上司がいて、企業的にブラックなところでず〜っと働いていたとしたら、会社って行きたいですか? あまり行きたくなくなってきますよね?
そこで必要になるのがインセンティブです。
たとえば、「自分が休むと誰かに迷惑がかかるから…」と言って会社に行くのもインセンティブです。「とにかく行かないと給料がもらえないから…」というのも、インセンティブ。「家族を養うため」「仕事がハードだけどやり甲斐がある」というのもインセンティブ。
社会人は、様々なインセンティブが働き、良くも悪くもそのおかげで、毎日仕事ができます。
では、子どもは?
学校の時間割に沿って授業を受けられるのは、周りのみんながそういうものだと受け入れており、そこに「やる意義」が生まれるからです(学級崩壊しているとそれがありません)。
その意義がないのに、家の中で同じように時間割を組んでもやる気にはならないのです。逆に、オリンピックを目指す少年がハードなスケジュールをこなせるのは、それをする意義があるからです。
そもそも、子どもは、大人よりインセンティブが少ないのです。
学校に行くと楽しいことばかりならよいのですが、そうではなくネガティブな場所になっていたとしたら・・・学校に行ったからといってお金がもらえるわけじゃないし、養わないといけない子どもがいるわけでもないし、むしろ嫌いな勉強をしなければいけない場所…それでは行くためのインセンティブが生まれず、むしろ逆に「休み」に対してのインセンティブが強化されてしまいます。
学校に休みの方が、ゲームもできて、YouTubeも見れるし、マンガも読める、面倒な人間関係もなく、好きな時に昼寝できる・・・これでは休みを満喫するインセンティブと逆向きの、学校に行く・勉強するためのインセンティブは生まれにくい笑。
ですから、「勉強しなさい」と言ったところで、やると言いつつやらないとか、文句言いながらダラダラやるとか、そんなことが起きます。当然、身が入ってないので定着しません。
「楽しい」と思わせないと難しい
子どもが、休み期間中にダラ〜っとするのは、普段の会社生活で疲れ果て、週末にダラ〜っとする社会人と、実はあまり変わりがありません。
ようは、ただただ「休み=休息」になっているのです。
逆にいうと、休みを休みじゃなくしてしまえばいいのです。
・・・といっても、ひたすら宿題を与える、ということではありません。
確かにそれも一時的には有効ではあるのですが、提出が今週末だとか、宿題をやらなければいけないインセンティブ、意義がないと、子どもはやりません。
よく、学校の宿題はやるけど、進研●ミはやらない、といったことが起こります。それは、学校の宿題にはやっていくためのインセンティブが(怒られないためか、恥ずかしいためか、みんながやってるためかわかりませんが)働くからです。それは進●ゼミのせいではありません。
インセンティブは何でもいいのです。
それこそ報酬もインセンティブですが、お金だけだとモチベーションが続かないと言われています。特に子どもは養う家族もいませんから、目標のお金さえ手に入れば、そこで活動をやめてしまうこともあります。
では、どうやって子どもたちを導くかというと、やはり「楽しさ」です。
大人と子どもの決定的な違いは、大人は「楽しさ」がなくてもやれますが、子どもは「楽しさ」がないとやれないということです。
だから子どもたちは、楽しさがたくさんつまっている、ゲームやYouTubeが大好きなのです。
逆にいうと、これは教育関係者がつとに反省しなければならないことかもしれませんが、勉強が楽しくないから、勉強をしないのです。
だから結果として無理やりやらせる羽目になりますが、口げんかなどの悪循環になるのがオチです。
この点を踏まえて、スケジュール管理をさせないといけません。
「自分が子どもならやりたいな」と思えるものを
それでは「楽しいと感じるもの」というと、ゲームみたいなものを想像するかもしれませんが、必ずしもゲーム的な方法を使わなくても大丈夫です。
ポイントは2つ
① 主体性が保たれるもの
② やってみないとわからないもの
実はゲームやYouTubeなども、このポイントを抑えているから、子どもが夢中なのです。
これが、「このYouTube動画しか見ちゃダメです」とされていたら、楽しくないですよね?
YouTubeは、自分で見たいものが決められるから、ずっと見ていられるのです。今の若い子はテレビよりYouTubeというのも、そういった所の違いがあるからともいえます。主体性があるかないか。そして、先がわからないことも、楽しさを高める一つです。
子どもは、まだ人間性が確立されておらず、様々なことに興味を持ち、新しいことをどんどんと吸収し、自己を、親とは違う自己を確立させていきます。
だから、大人が見るとホントにくだらない動画であっても、本人の中では意味があり、本人の中では、何がしかの形で残っていくものになります。ユーチューバーの言葉使いのセンスだったり、テーマの選定方法を追体験して学んでいるかもしれません。これは、人の努力や才能を「リスペクトする」といういい経験にもなります。
ただ注意点として、本人が夢中になっておらず、ただただ時間潰しのために何でもいいから見ている、というのなら、得るものはかなり少ないので、さっさとやめさせた方がいいでしょう。テレビでも同じです。もっと夢中になれる遊びをさせた方がよっぽど教育的です。
話を戻します。
このように、子どもは大人とは違うために、子どもを振り向かせるには、ちょっとした工夫が必要なのがわかっていただけたかなと思います。
それを踏まえて、長期休暇の時に正しい生活リズムを作らせる方法を解説していきます。
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