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『公民連携』リレーセミナー2022 in 青梅に参加しました

木造施設協議会『公民連携』リレーセミナー2022

2022年4月12日と13日に木造施設協議会が主催する『公民連携』リレーセミナーの第2回『中間支援者タウンマネージャーから見た公民連携』に参加しました。

『公民連携』リレーセミナーの第2回『中間支援者タウンマネージャーから見た公民連携』に参加しました

12日の方がセミナーで、オンラインとリアルどちらでも参加可能でした。リアル会場は、青梅市のシネマネコという登録有形文化財の木造建築を改修した映画館でした。13日は青梅市での公民連携事例の現地視察でした。

公民連携とは、自治体や民間が適切な役割分担に基づいて連携・協力し、地域の課題を解決したり、市民サービスの改善や提供を協同で推進することをいいます。

昨今、公民連携の事例が増えてきています。その背景としては、人口減少による社会フェーズに対応するため、自治体経営や市民サービスの質を向上させ、地域再編や自治体間競争に協同で対応していく必要があるという状況があります。

若年人口を継続的に一定数確保し続ける仕組みづくり

12日のセミナーでは、東京都青梅市とあきる野市のタウンマネージャーとして活躍されている國廣純子さんの講演を聞くことができました。

その中で、國廣さんは都市戦略の究極の目的は一つで、それは「若年人口を継続的に一定数確保し続ける仕組みづくり」であると説明されていました。

地域に根付く特定の世代の人口づくりがなければ、最終的にその地域は空洞化してしまうということでした。そのための対応としては、「流出人口の微減と流入人口の微増」により、結果的に「人口が微増している」状態をつくり出すことを目指すということです。

青梅市街地のリノベーション物件例:カフェころん

人口を微増させるためにも、青梅市内にあるポテンシャルのある空き物件・不動産を掘り起こし、積極的に情報発信することで事業主さんを誘致する取り組みを行なっているとのことでした。セミナーの翌日に実際にリノベーションした物件を視察しましたが、どの店舗も趣のある雰囲気で、街の人や外の人にも過ごしたくなるような空間になっていました。

地域の情報発信の重要性

國廣さんはセミナーの中で、都市戦略の目的は「人口の微増状態をキープすること」と説明されていましたが、その目的達成のための対応は地域によって違うということも説明されていました。

青梅市の空き店舗を紹介している冊子。株式会社まちづくり青梅が発刊している

ただ、その中でも共通して行っていることとしては、「情報発信」ということでした。今地域でどのような活動があるのか、「空き店舗の不動産がどこにあるのか」、「どんなイベントがどこで行われるか」など小まめに情報発信することで地域住人に活動を認知してもらうことが重要と説明されていました。

青梅市の公民連携の事例

12日のセミナーでは、青梅市の公民連携の事例の一つでもある「シネマネコ」が会場になっていました。元々織物産業で青梅市は栄えていましたが、青梅織物工業協同組合の旧都立繊維試験場の建物を改修し、映画館のシネマネコに生まれ変わりました。建物は登録有形文化財に指定されており、築85年以上の木造建築になります。

シネマネコの外観。外観変更はしないように工事をしている

登録有形文化財に指定されていることから、外観をいじらずに中だけを改修する必要があります。昔の建物なので、基礎が石でつくられているので、改修時には壁を浮かして石の基礎を撤去し、コンクリートの基礎を打ち直したということで、非常に難しい作業だったと想像します。

映画館のシートには、新潟で閉館した映画館のシートを譲り受けたものを使用しており、座り心地も良く、非常に魅力的な施設になっていました。

シネマネコのシート。新潟の閉館した映画館から譲り受けたもの

小さな映画館ではありますが、最新設備を備えており、リピーターも多いとのことで、開館してから一年も満たないながらも、すでに一万人の来館者数を記録しているとのことです。

今後の公民連携の行方、所沢の場合

所沢では新所沢パルコが2024年に閉館されることが発表されましたが、新所沢のパルコがなくなってしまうと、所沢市内の映画館はゼロになります。所沢でもシネマネコのような、公民連携の映画館ができるといいなと考えてしまいます。


パサージュを持つ特徴的な新所沢パルコ。2024年に閉館されることが発表された

また、所沢市内の登録有形文化財の秋田家住宅はもともと個人所有でしたが、今は市の所有となりました。秋田家住宅及びその周辺の整備と活用が検討されています。2021年に市民委員も募集され、今後公民連携の可能性もあるかもしれませんが、地域の人に愛される施設になるといいなと思います。

所沢市の登録有形文化財に指定されている「秋田家住宅」

シン設計室は、公民連携も含めた施設計画・運営に積極的に協力したいと考えています。サービスに関心のある方は、下記よりご確認ください。

お仕事のご依頼は下記までお問い合わせください。 http://kichijoso.com/