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11歳から学んだ「約束を守る」という道理。

クレーンゲーム(UFOキャッチャー)が大好きな娘は、
月に1度の父親(私)との(日)のお出掛けを楽しみにしてくれている。
11歳。
小学校の最終学年になった今、父親にとって最もうれしいことだ。

いつものゲーセンではなく、母親と3人で出かけた先での新しい
ゲーセンでは心踊るワクワク高揚感があったことだろう。
以前より続けているYoutube動画での攻略研究を今回も事前おさらい済み。

何度となく繰り返してきた、月に一度の恒例イベント。
その開催にあたり、最近では、到着までの道すがら、
「予算を決める」決まりになっていた。

今回は、2,000円。母親との合意も得て、
「6月は(学校行事が多くて)行けないかもしれないから、
 2ヶ月分ね」という理由だった。

果たして、
新しく行ったゲーセンでは、夢の国:Dランドのメインキャストの特大が
あった。娘は、3周ほどゲーセン内をくまなく回って、チャレンジしたい台を
見極めた後、そのDランドメインキャストに絞った。

(特別、欲しいモノが見当たらない時は、クレーンの動きを楽しみ、
 分析するために数台で予算分割することが多い、が今回は一点絞り)

数々の試行錯誤も虚しく(頭は重いからお尻を狙わねば、とか)
(脇の下にドンピシャ狙う、とか、シールド寄せしてから段階的に狙う…。)
予算資金は、あっという間に底をついた。
(世の中、そういつも上手くいくことばかりでは無く)

ここで、娘は、思いもかけぬ言葉を口にする。
「家の財布に、お小遣いをとっておいた1,000円がある。
 帰ったら返すから、パパのお金を貸して欲しい」

借金をして、投資をすると言うことだが、
教育の良い機会だと捉え、1,000円札を渡す。
「本当にこれが最後。これしか無いから」と言って。

結果、9回目まで、獲れそうで取れず、
ネズミさんよろしく、アームをすり抜けられていた。

片足が、クレーン機の出口シールドにかかった状態、
「どうしても獲りたい。お金を無駄にしたくない」
と涙をため、パニックで取り乱しそうになりつつ、
「平常心・平常心、落ち着いて」とラスト・トライ。

見事に取れた。運もあろうが、積み上げの集大成にも
思えた。

その後、日用品を見ていた母親と合流した。
娘は、予算を1,000円オーバーしたこと。
返す約束で1,000円を追加し最後に取れたと報告。

母親は、
「1,000円はパパに援助してもらったことにしな。
(あなたの無駄遣いを無くせば、相殺出来るでしょ)」
と話し、幸せハッピーモードの内に帰宅した。


夜、寝る前、驚きと学びが待っていた。

寝る場所は、畳に布団を敷いて「川の字」で
3人寝ている。

就寝前の読書タイム、で各々が読書に没頭し、
いつものように、家事に疲れた母親が先に眠りに入った。
娘が「(寝る前の)トイレに一緒行こう!」と言った。

いつもは、「トイレに行ってくるね」なのだが、
「一緒に行こう!」だったので、私もついて行った。

先にふすまの向こうに行った娘は、おもむろに自分の机から、
財布を取り出し「1,000円を返すね」と手渡してくれた。

娘が、約束を守ろうとする。その行動に驚いて、
「いいよ。いいよ。ママも言ってたし」と言う言葉を飲み込んで
「ありがとう。パパは約束を守ってくれて、嬉しいよ」と伝えた。

母親の手前、大っぴらに1,000円を出して話しては
カドが立つと考え、
敢えて2人で話せる時間まで待って、
自分で言ったこと、忘れずに守った娘に、感服した。

1人の人間として、私よりも立派だ。


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