システマトロント本部案内201903

システマが世界に広がるきっかけになったヴラディミア・ヴァシリエフのシステマトロント本部。

システマ界にはトロントとモスクワに2つの本部があります。

もともとヴラディミアがトロントに移住して「ロシアン・マーシャル・アーツ」を教え始めた頃、ミカエルはまだ現役の軍人でした。そのためヴラディミアはミカエルの存在を伏せて教えていたそうです。それでロシア国外の拠点として可動し始めたのがトロント本部。

2000年頃にミカエルが退役してから公になったのがモスクワ本部。つまり創始者の方が後から普及に乗り出したというちょっと特殊な事情から本部が2つ生まれ、共存する形になりました。

どちらでインストラクターライセンスをもらっても有効なのですが、トロントとモスクワではちょっと違っていて、モスクワの方は「全世界で有効」なのに対し、トロントの方は「ロシア以外の全世界で有効」になっています。またトロントは最近有効期間が2年に延長されたのに対し、モスクワは1年です。

北川はトロントとモスクワの両方とも、現地でライセンスをもらうようにしています。自分のクラスの場を作るにあたって、ミカエルやヴラッドといったマスターがどんな場を作っているのかを、肌感覚で知っておきたいからですね。

システマ修行でトロント本部を訪ねた初めての日本人はおそらく奥内一雅さんです。2004年あたりの話じゃないでしょうか。確かスコット・メレディスさんと友達で紹介されたんじゃなかったかと思います。システマ神戸を立ち上げた後、個人的な事情で今はシステマから離れていますが、とてもお世話になりました。拙著「人生は楽しいかい?」にオクウチさんという人物が出てきましたが、これは奥内さんから名前を拝借しています。

2人目がおそらく僕。ただ、他にもたまたまトロントにいて見学にだけ行った日本人がいたそうです。

その後はたくさんの日本人がトロント本部に行くようになりました。距離的にも費用的にもモスクワ本部のが安いので、最近はモスクワに行く人も増えていますが、トロントも依然として高い人気を誇っています。

トロント本部へのアクセス

そのトロント本部への行き方ですが、成田空港からトロント・ピアソン空港に行って、そこから本部に行きます。空港-本部間はTTC、Go-bus、タクシーの3択ですね。TTCは東京に人にだけ分かる例えでいうと、都営地下鉄と都バスが合わさったみたいな感じで、地下鉄-バスで乗り換えができます。なので空港から本部近くのバス停まで、トークン1枚(切符みたいなもの。コイン型。)で行けます。トークンは2019年3月時点で1枚3.25CAD。だいたい300円くらい。行く度に値上がりするので買い溜めして使ってたのですが、トークンは2019年年末で終了となり、PRESTO(トロント版のSuicaみたいなプリペイドカード)のみとなるようです。
TTCで行く場合は、空港から192 Airport Rocketというバスに乗って、Kipling駅で地下鉄のグリーンラインで乗り換えます。
そこから延々と乗ってBloor-Yonge駅で地下鉄イエローラインの北方向行き( Northbound)に乗って終点のFinch駅で下車。そこからバスでさらに北に向かい、Steeles Aveで下車します。53とか60とか書いてあるバスに乗ればだいたい着きますが、Expressと書いてあるのだとすっ飛ばしてしまうことがあるので注意です。

トロント本部は下車したところからもう少し北に行ったところ。

このTTCを使うのが一番安い行き方で、北川も重宝してたのですのが、乗車時間だけで1時間以上かかるので、実質移動時間は2時間位かかるので疲れます。飛行機に12時間とか乗って電車とバスに2時間揺られるのもしんどいので、最近はGoバスを使ってます。

Goバスは空港からFinch駅までダイレクトで行けます。時間は40分ほど。乗っているだけなので楽ちんです。ただFinchからはTTCバスでSteeles Aveまで行く必要があります。とはいえFinch-Steeles Ave間はだいたい3キロくらいなので歩けない距離ではありません。でもスーツケース引きずって歩くにはしんどい距離ですね。

TTCやGOバスはPRESTOというプリペイドカードで利用できます。要はSuicaみたいなものです。空港や駅などで買えます。クレジットでチャージできるのが便利ですね。近年はトークンからPRESTOへの移行がかなり容赦なく進んでいて、改札口もほぼ全部がPRESTO仕様。トークンが使える改札はかなり限られてしまっています。ただ30日使わないと無効になるとか書いてあるので、システマ修行でたまにトロントに行くだけの人にはあまりお得とは言えないかも知れません。

宿泊について

トロント本部近くの宿泊先といえば、まず挙げられるのがLIBERTY SUITESです。ここはトロント本部と提携しているそうで、電話予約だと「 Systema やりに行く」と言えば、ちょっと安くなるそうです。利点はなんと言っても本部から近いこと。値段は安くはないですが、部屋はかなり豪華です。東京だと1泊6万円くらいしそうな部屋に1万2千円位で泊まれる、という感じ。朝食はビュッフェスタイルで、なかなかレベルが高いです。難点はキッチン用品が有料レンタルというところ。フォークやナイフ、お皿といった食器までないので、有料で借りるか、持参するか、近所のスーパーで安いのを買い揃える必要があります。実はこれが結構不便なのです。トロント本部はたいした飲食店がないので、自炊したくなるのです。

LIBERTY SUITESができる前はかなり北の方にあるEmerald Isleを使う人がいたのですが、かなり歩きます。民泊に抵抗がない人はAirbnbを使うのも良いでしょう。

以前は安くて良い部屋が借りられたAirbnbですが、最近はビジネスで利用する人が多いため、値段的なメリットはそんなにありません。ホストによっても対応がまるで違い、現地に着いたら予約したのと違う部屋に入れられてしまったこともありました。メリットは選択肢が多いこと。洗濯機やキッチンが使えるのが大事です。とは言え中にはいい加減なホストもいて、「乾燥機利用可」と書いてあったのに、乾燥機がないことがありました。「乾燥機あるって書いてあるから借りたのに話が違うじゃないか」と文句を言ったら、庭に連れて行かれて「ここが乾燥機だ」とか言われたこともあります。ただちゃんと泊めてくれるのはまだマシな方で、直前になって「都合で貸せなくなった」とか言って一方的にキャンセルしてきたホストもいました。

Airbnb活用のコツは、レビューを参照するにつきます。高い評価がたくさんついているホストが、単純に良いホストです。評価がゼロとか悪い評価が多いホストは論外ですが、評価が高くても数が少ないホストはちょっと注意が必要です。

他にはトロント本部周囲に宿泊先、あるのでしょうか。長期滞在組はそれぞれ留学生用の宿とか見つけてるみたいですね。トロント本部がある場所は実はトロントではなくマーカムと呼ばれるエリアです。トロントはSteeles Aveまで。本部近くに泊まっている場合、トロントの中心地にあたるダウンタウンはトロントの南の方なので、そこまで行こうとすると1時間以上かかります。なのでちょっと用事でもない限りはでかけるのが億劫なので、どうしても本部近くでうろうろして過ごすことになります。

本部に近い繁華街と言えば、North Yorkです。

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