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noteで学べるシステマ講座特別編「トラブル対応の実例〜ミカエルがYouTube動画で解説」前編

ミカエル・リャブコのオンラインコース「センス・オブ・デンジャー(全4回)」第3回のテキスト版。前編。

後編はこちら

トラブルに遭いやすい人の特徴

T(北川):「Sense of Dangerということで、システマの生徒でやけにトラブルに遭いやすい人が何人かいたりするのですが、トラブルに遭いやすい人に共通する特徴などあるのでしょうか?」

M(ミカエル):危険な状況に陥る多くの人は、分析ができておらず、正確な行動を取ることができません。何度かお話ししましたが、何かの用事に取り掛かる前、あるいはどこか旅行に出かけたり、ビジネスを始める場合、あるいは単に切れた電球を取り換える場合など、あらゆる場面できちんと考える必要があります。どのように行動するか、どこに危険があるか、どこが安全かということです。切れた電球を取り換える際に、スイッチがオンなのかオフなのかを忘れてしまったとしたらどうでしょうか。分からなければ機器を使って通電のチェックをする必要もあります。電球をねじ入れた際に、電球が手の中で破裂するかも知れません。割れたガラスで危険な目に遭うこともあります。電流が流れているので、ソケットに指を突っ込むのは禁物です。単なる電球の交換でも慎重に行うべきです。つまり行動が正しいかどうかを見極める必要があるのです。

ビジネスを例に取りましょう。私ならたばこやアルコール、ドラッグを扱うビジネスをしたくはありません。人々に不幸をもたらし得るからです。どこかへ旅行したり、出かけたりするとしましょう。スーパーマーケットでもいいです。そこにはスリをおこなう人がいます。なので、自分のポケットに用心し、そういった人たちにお金が見えないようにすることで、盗まれないようにします。つまりは状況です。必要なことは、お金が他人から見えないように持つということです。すべてに関して、考える必要があります。

もちろん人の行動には、さまざまなタイプがあります。その大部分は、恐怖の段階に基づいています。もしある人が叫んでいたとしましょう。その人は自分の何かを示そうとしているのと同時に、その背後にある恐怖をどうにかしようとしているのです。あまりに内気な人というのも存在します。そういう人を見て「新たなターゲットを見つけた」と考える人もいます。つまりさまざまな場面で、公平で正確な行動を選択することが必要となります。穏やかで、攻撃心のない状態でいること。落ち着いて、確信を持った状態であればあるほど、周囲の人はそれを理解し、危険が去っていくのです。そして周囲の人も、正確に物事を行うことができるようになります。

問題のある状況に頻繁に陥る人というのは、まさに自らの攻撃心や恐怖心がそうさせているのです。恐怖心は徐々に攻撃的な状態に移行します。そうやって人々に何らかの行動を誘発するのです。だからそのような状況に陥ったら、まずよく見て、理解することが必要です。

プライドを証明する人々

システマを知らない人が、クラスにやって来ることがあります。何かを確認するためです。いろいろと説明してやって見せても、継続的に学ぶことはありません。彼らはシステマとは何なのかを確認し、自分自身を見せびらかしに来るからです。そういった人たちに対して特別に気を遣う必要はありません。たいした意味もありません。彼らは自分のプライドの中に生きているため、どこにも到達できないのです。そういった人たちに、正直に話し、やって見せ、システマとは何かを説明する必要はありません。彼らは自分の方が優れているのだと、自分自身やみなさんに対して証明するためにやって来るのです。そういった人たちと関わるのは、無駄な骨折りです。そういうメンタルなのです。

彼らは「システマなんて信じられません、なにをやっているのです?」と言ってきます。私は彼らが何を考えているのか、何をしようとしているのかを見極めます。システマをやってる弱虫たちを打ち負かしたいと考えているのか、あるいは怒らせたいのか。理解するためでないとしたら、なぜやってきたのか。おそらく打ち倒すためでしょう。

相手の顔を潰さない

私がいま話しているのは、「目の前の状況をいかに正確に見極めるか」ということです。私が好きな話があります。あるトレーナーがトレーニングをしているところに、腕自慢の者がやってきました。トレーナーを侮辱し、怒らせようとしましたがトレーナーは気にせずトレーニングを続けました。腕自慢は「戦ってみろよ、何もできやしないんだろう?」とさらに挑発しますが、トレーナーは黙々とトレーニングを続けて、一言も言葉を発しません。そのうちに腕自慢のほうが疲れて帰っていきました。生徒たちはトレーナーに尋ねます。

「なぜ何も答えなかったのですか?」

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