noteで学べるシステマ講座 第37回「『システマって難しい』と思ったら」
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第37回「『システマって難しい』と思ったら」
「難しい」の種類
システマの練習中「難しい」と感じることがあるでしょう。
うまくいかない時に「難しい」とつぶやいてしまう。そんなことが多々ありませんか?
でもそのとき向き合っている課題はほんとうに難しいのでしょうか?
錯覚や思い込みである場合が、案外多くあるのです。
今回のテーマは「難しい」の中身について。検討していくと「難しい」にもいろいろな種類があることがわかります。
本当に「難しい」
これは純粋に本人のレベルと課題のレベルが大きく乖離している場合です。これは正しい「難しい」であると言えます。
多少の気付きではどうにもなりません。ずっと運動をしてこなかった人が、いきなり10分のスタティックプッシュアップにトライしたり、格闘技の経験など一切ない人がアタッカーを即座にテイクダウンしたりなどです。これはそもそも練習量が足りていないので、たくさん練習することがソリューションです。でも逆に、練習さえすればできるようになるのですから、その意味では安心です。
実は簡単な『難しい』
実は簡単にも関わらず、「難しい」と感じることがあります。それは慣れていないことや動きに初めて着手するときです。初めて飛び込む分野で未体験のことにトライする時には難しく感じるものです。でも難易度そのものはそれほど高くはない場合も多くあります。例えば自転車。たいていの人は難なくすいすい乗り回していますが、慣れないうちは何度も転んで苦労したことでしょう。
自転車の難易度は決して低くはありません。むしろそこそこ高度な身体操作と言えます。でもみんな慣れているからこそ、すいすいできるのです。
難しいと感じるような動作も、実は自転車より難易度が低いことも珍しくありません。プッシュアップにしても、自転車に乗れるようになる程度の練習をすれば、誰でもそこそこできるようになるでしょう。鼻から吸って口からふーっと吐くブリージングなんて、さらに簡単です。
どんな分野でも超初心者の時期は何をやっても難しく感じるものです。むしろそれが普通です。だから慣れない動きや分野に挑んでなかなかうまく行かないとき、「難しいな」と言う前に、「まだ慣れてないだけ」と自分に言い聞かせてください。そうやって取り組むうちに、遅くとも数ヶ月以内に慣れてそこそこ上手くできるようになるはずです。
指導者がもたらす『難しい』
ちょっと厄介なのがこのケースです。指導者の指導によって、ほんらい難しくないはずのことが難しく感じられてしまうことがあります。その最たる原因は「抽象的な説明」です。「漠然とした説明」と言っても良いかも知れません。つまりなんだかとても良いことを言っているように思えて、実は具体性を欠く説明です。これはとても高尚なことを学んでいるような気分になる反面、長期的には誰も上達しないという結果がやってきます。
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