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システマで考えるコンフォートゾーン

コンフォートゾーンという考え方がある。心理学の用語でコーチングなどで主に用いられているようだ。誰が良い出したのかと調べてみたけど、もしかしたら苫米地さんがコーチング業界に広めたような感じである。

海外ではどうかと思って調べてみると、NewYorkTimesの記事などでもちょっと紹介されている。

Redbullのサイトではこう解説されている。

コンフォートゾーンとは人為的に作られる心理状態で、中にいれば「安心」が得られ、外に出ると「不快さ」を感じる "メンタルエリア" のことだ。

学術的にいつ誰が言い出した概念なのか、ざっと見た限りではわからないのだけど、参考になる考え方だと思う。(よく調べたら何か引っかかるんだろうけれど)。

コンフォートゾーン(快適な領域)の周囲には、「ストレッチゾーン」が広がる。これは「ラーニングゾーン」とも言われる。そのさらに外にあるのが「パニックゾーン」。コンフォートゾーンから離れるほど、ストレスが増す。

適度なストレスがパフォーマンスを引き出す助けになるのが「ストレッチゾーン」。ストレスが行き過ぎてパニックになるのが「パニックゾーン」となる。

この概念を知った時に、これもシステマのワークを説明するのに使えそうだなあと思った。

コンフォートゾーンの考え方を使うなら、システマはコンフォートゾーン広げるためのものだと思う。そしてパニックゾーンの外にはもう一つ、「デスゾーン(死の領域)」が広がると考える。

コンフォートゾーンがどんどんストレッチゾーンに侵食すれば、パニックゾーンとデスゾーンがその辺境へと追いやられる。その結果、快適に生きられる領域が広がり、生き延びる(サバイブ)の可能性が高まる。システマは、コンフォートゾーンの拡げ方を学ぶシステムといえる。コンフォートゾーンを出たり入ったりするのではなく、拡げてしまうのだ。すると他の人にとってのストレッチゾーンでさえ、コンフォートゾーンになってしまう。

だから練習の場は適度なストレッチゾーンであるべきだと考える。だから負荷をかけるし、そこそこしんどい思いをする。そして人によってストレッチゾーンは違うので、できるだけそこを的確に突くようにしている。そこで呼吸をしてリラックスして、快適でいられるようになれば、ストレッチゾーンがコンフォートゾーンになったということになる。

その経験を積むことで、ストレッチゾーンに攻め入る勇気と自信が手に入るのだ。あらゆる領域におけるストレッチゾーンへの侵攻は全て、「戦い」といえる。これこそがリアルファイトだと思う。どれだけすごいパンチが打てても、コンフォートゾーンから出てこないようであれば、それは実戦的ではない。本質的には引きこもりといえる。

例え毎日仕事をこなしても「できる範囲」から一切出ようとしない。

得意なパターンの繰り返しから発展しない。

仲間内だけで固まり、外部の人と触れようとしない。

例え社交的で、アクティブに活動していてもそれらは引きこもりだ。

逆に、どれだけ地味で静かで目立たなくても、コンフォートゾーンから一歩でも出ようと試みるなら、それは戦いだと思う。システマとは、そういう戦いの全てを助けてくれるツールである。

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