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インストラクター認定の水準(目安)
システマには「インストラクター」と「インストラクター・イン・トレーニング(略称Iit)」という2つの資格がある。逆に言えば、それしかない。段位とかそういうのが一切ない。
だから「指導したい」「システマを伝えたい」というモチベーションが特になくても、段位の代わりのつもりで資格を欲しがる人もままいる。そうやって上達の証がほしいのだろう。その気持ちはとても良くわかる。
ただシステマの場合、資格と練習量との間にはたいした相関性はない。ぶっちゃけミカエルかヴラッドに「インストラクターになりたいんですけど」と言って100ユーロ程度の申請料を払えばそれでなれる。
これはなぜか。それは「ライセンスなんてただの紙切れ」というマスターというかロシア的な考えがあるからだと思う。それは「ダメなやつがライセンスだけとっても、ダメなものはダメ。生徒なんて集まらなくて続かない」ということでもある。だから人が集まるということ、それを続けられるという実績そのものが実質的なライセンスとなる。またシステマのライセンスは1年もしくは2年という、比較的短めのスパンで更新しなくてはいけないという特徴がある。その際には必然的にミカエルかヴラッドの指導を受ける必要があるため、スキルチェックやアップデートが図れるようになっている。
ただ日本を含めて西側では、書類の意味がロシアに比べてずいぶん重い。その差をついて、たいして練習をしてなくてもちゃっかりライセンスを取得し、それっきりほとんど練習せずにてインストラクター活動をする「ちゃっかりインストラクター」問題が頻発する。ライセンスの更新もせずに活動を続けてしまうのだ。マスターたちはそこも分かった上で、あえて今のやり方を継続しているようだ。
ただ自分自身としては、先輩インストラクターから聞いた話を常に戒めとなっている。
ある時、ヴラッドの元にライセンスの更新に来た者がいたという。先輩インストラクターも一緒に練習したけど、全く練習している様子がない。ぜんぜんなってない。それでもヴラッドは彼のライセンスを更新したという。たまらず先輩はヴラッドにこう聞いた。
「あいつ、全然練習してませんよ。明らかに金のためだけにライセンスだけ取りにきてるんですよ。なんで更新してやったんですか」
するとヴラッドは澄ました顔でこう答えたという。
「私がそれに気づかないと思ってるのか?」
つまり全部分かったうえで、ライセンスを更新したのだ。
マスターは見てないようで、実はすごい見ている。普段の練習で手を抜いていたらそれもバレてしまう。だから手を抜けない。
ではインストラクターやIitになる目安はどんなものか。個人的に考えるのは次のような感じが妥当じゃないかと思う。
○Iitまで
・公認システマインストラクターのクラスに通算100コマ参加
○インストラクターまで
・公認システマインストラクターのクラスに通算200コマ参加
・最低10時間、モスクワ本部での練習実績(週末セミナー1回分に相当)
・50クラスの指導実績
・ライセンスはモスクワ本部で認定
※ミカエル・リャブコ、ヴラディミア・ヴァシリエフら本部公認セミナーの参加は1日3コマにカウント。特別クラスや本部のレギュラークラスは1回2コマにカウント。
「システマ歴○年」といっても、月に1回の練習を1年やっても12クラスにしかならない。これは週に3回の練習を4週間続けたのと同等か、間が空いてしまう分それ以下の価値になってしまう。だから期間ではなくクラス数でカウントするのが妥当だろう。
100コマなら、週2回の練習を1年間続ければ達成できるので、まあそのくらいだと思う。
僕自身に関していえば、インストラクターになった時点では週3回の練習に3年間参加して、モスクワとトロントに2回ずつ行ってたから、上記の目安としては大幅に超えていたことになる。
トロント本部でもライセンスはもらえるのだけれども、ここはあえてモスクワ本部にした。トロント本部での練習もとても素晴らしいのだけど、やはり源流に触れることなく、システマを語ることはできないと思う。
またインストラクターの新規認定はぜひモスクワで受けてもらいたい。経済的、時間的な都合もあると思うのだけど、インストラクターとは他者にシステマを伝えるという大切な役割がある。それを全うするにはやはり、創始者のホームに飛び込んで、ミカエル自身がどのような場を作ってきたのかを知っておく必要があると思うのだ。それはシステマクラスという場をどのように構築するかという大きなヒントになる。
ただ上記の目安は「定期的に公認インストラクターのクラスに通える」という前提に立脚したものだ。
地方で練習する人たち、自主練会を開催しているような人たちにはどうしたら良いのか、というのをちょっと思案中。もうちょっと練って近日中に告知しますので、今しばらくお待ち下さい。
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