見出し画像

システマ東京Zoomクラス「テンションを味方に」解説

4月の呼吸、5月のリラックス

緊急事態宣言に伴い、4月からシステマ東京のクラスはZoomへと移行した。

Zoomクラスは通常クラスと異なり、1ヶ月分のカリキュラムを組んで進めていく。ノイズに妨げられることなく、自分の動きを丹念に見直していく。これはソロワークが中心となる外出自粛期間ならではのメリットだ。それを活かすには、1ヶ月を1クラスと考えて進めるのが良いと思ったのだ。

4月は丸ひと月かけてシステマ4原則の一つ「呼吸」をテーマとして取り上げて、掘り下げた。この感触が良かったので、続く5月のテーマは同じく4原則の一つ「リラックス」にした。

リラックスは簡単なようでなかなか難しい。その一因は、一口にリラックスと言っても多種多様なうえに段階があるということ。それをグループレッスンで体系だてて練習しようとすると時間が足りないので、この機会にやることにした。

単なる脱力

「リラックスを味方に」で重視したのが、「単なる脱力」だ。死に体でもふにゃふにゃでも良いから、まず脱力できるようにする。近年のシステマでは、リラックスが動力になるのが当たり前の前提となっているが、そもそもさらにその前提である「単なる脱力」が出来ない場合が多い。学校の勉強に躓いたらどこで躓いたのか、カリキュラムをさかのぼって解決すると成績がぐんと伸びたりする。それと同じで、うまく力が抜けない場合はどの段階でつかえているのか調べると良い。するとだいたい、「そもそも単なる脱力ができていない」というところに行き着く。脱力の指標は自由落下だ。だから全身の各パーツを分割し、それぞれが自由落下できるようにする。

ウェイトネス=重みの感覚

自由落下とは、重力に身を委ねるということだ。これは力を抜くと同時に、重力という他者に身を委ねる練習となる。ミカエルらマスターが繰り返し言う通り、システマは「相手の力を利用する」。それは他者の力に身を委ねることが前提となる。だから重力を味わい、重み(ウエイトネス)の感覚を全身で感じられるようにしていくことが、相手の力を利用する練習に繋がるのだ。また生身の人間を相手にするよりも重力の方が恐怖心が少なく済むし、いつでもどこでも練習ができるという利点がある。

ウェーブ=力の伝達

重み=ウエイトネスの感覚がつかめてきたら、それをよりダイナミックに使っていく。重みとは運動エネルギーだ。運動エネルギーが体内を伝わる感触をウェーブ=波として認識するのだ。

重みとウェーブの練習は90年代末〜00年代前半のシステマDVDで見ることができる。代表は「HAND to HAND」だろう。そこでは「波の原理」としてそのものずばりの原理をヴラディミアが解説している。

ただ重力も波もあくまでも補助輪に過ぎない。これに頼った動きは見た目は派手だがモーションが大きすぎて、予備動作が丸出しになってしまう。また重力や波に頼りすぎると、とっさの対応に間に合わない。なぜなら何らかの感覚に頼った動きは、その度に発動しなくてはいけない。モードを切り替えないといけないのだ。それでは使い物にはならないのだけど、力を抜くプロセスとしてはとても使える。ウェイトネスやウェーブで色々と遊んでいるうちに、体が徐々に「筋力以外の動力がある」ということを学習するからだ。

動力としてのリラックス

今回の目標が「動力としてのリラックス」だ。力を入れる、力を込めるとは文字通り、力が体の内側へと入っていくことを指す。その反対に力を抜いていく、出していくことが動力になることを確かめていく。力むのではなく、ゆるむことで生じる力を確かめていく。最近のシステマで主に練習するのはこの段階だと言える。いきなりその感覚をつかめる人もいるだろうけれども、そこは運に左右される。だから遠回りになるのだけど、そこに至る過程を抑えておいた方が、確実な理解と自得に繋がるだろう。

1クラス1時間を「ゆるむ」「鍛える」「深める」の3パートに分割。「リラックスを味方に」はPart.3「深める」のテーマ。Part.1、Part.2はそれだけでもリラックスに役立つとともに、Part.3の準備となっています。ぜひお気軽にご参加を。

詳細は次の通り。参加条件は特になし。途中参加、途中退室可能です。皆さんのお越しをお待ちしています。

システマ東京Zoomクラス日程
月〜土 20時〜21時
ログインID…698-977-135
パスワード…今年の西暦を数字四桁で。

「テンションを味方に」全27回案内とアーカイブ

ここから先は

0字

¥ 300

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

お読み頂きありがとうございます。投げ銭のかたはこちらからどうぞ!