テンションから学ぶ経済の仕組み

経済はまわすものだ。

例えば私がAさんにロシア語のレッスンを受けて、5,000円を支払ったとする。そのAさんは5,000円を払って私からシステマの個人レッスンを受けた。

同じ5,000円が行って、返っただけで、最終的な手持ちのお金は変わらない。

でも私はロシア語の知識を得て、Aさんはシステマを身に着けた。

つまりお金が動くことで、双方が恩恵を受けたことになる。

もし私が5,000円を貯めたまま動かさずにいたら、ロシア語を学ぶこともAさんがシステマを学ぶこともなかった。

お金というのはこうやって世の中を回ることで、人々に価値と恩恵をもたらしている。

お金が入ったら、出す。そうやって回すことでその経済圏が活性化する。

もちろん、数カ月は無収入でも暮らせるくらいの貯金は必要だけど、必要以上の貯金はお金のめぐりを停滞させる。だから、お金をまわしたほうがいい。その上で良いとされているのは、お金がさらなる価値を生むような使い方だ。株式や土地に投資するという手もあるし、会社なら設備に投資することもあるだろう。ただ一般的な人にとって最も身近で費用対効果の高い投資は、自分への投資だ。興味のあること、役に立つことなどなんでも良いから、自分自身の向上に投資するのだ。

親なら子どもへの投資だ。同じ100万円の学費でも、50歳の人が使うのと子どもに使うのとでは全く費用対効果が違う。もちろん子どものほうが若い分だけ吸収しやすいというのもあるけど、それ以上に大きいのが余命だ。日本人が80歳まで生きるとして、15歳なら余命がざっくり65歳、50歳ならあと30年である。100万円で同じスキルを身に着けたとしても、それを活用できる期間が段違いなのである。

だから「将来が不安だから」と、教育への投資をケチって溜め込むのは、合理的ではない可能性が高い。

そういうむやみな貯金に人を走らせるのは、過度の恐怖心である。

将来への漠然とした不安から、漫然とお金を貯めてしまう。その使い方も知らないまま、回したほうが得であることも知らないで、ただ貯め込んでしまう。

これ、何かに似てないですか。

テンション。体の緊張。それは貯金にとても良く似ている。恐怖心が募るほど体に溜め込まれるでしょう。

溜め込むこと自体は悪いことではない。問題は「出せない」ということだ。

でも出すには練習がいる。お金の回し方がわからないと、単なる浪費になってしまうのと同じだ。

でも、お金をうまく回すとより多くなって入ってくる。これは因果応報とかそういう運命論ではなくて、経済がそうなっているからだ。

自己投資してスキルアップする。それは貯金を学費として出すことで、自らのスキルを買ったことになる。するとそのスキルを活かして収入を増やすことができ、増えた収入でさらなる自己投資ができる。そうやって更にスキルを高めればさらに収入が増え、自己投資が増し、という風なサイクルが起こるからである。まあすぐにはうまくいかないし「そんなにうまくいかないよ」なんて言う人もいるだろうけれども、大局的にはだいたいそうなる。

テンションもそう。

体をゆるめてテンションをリラックスにして体から出せるようになれば、より強いプレッシャーに耐えられるようになる。そのプレッシャーを緊張として受け止め、リラックスとして出すことができればさらに強いプレッシャーに耐えられるようになり、より多くの緊張をため、さらにリラックスの威力を高めることができる。

つまり回せば回すほど、回転力が増す。トルクもあがってスピードもあがる。お金の流れもテンションの流れもそう。

リラックスしたければ緊張する必要がある。それは無一文のままでは、投資なんてできないのと同じだ。

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