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大阪大学(文学部以外)の現代文【大学入試現代文analyze⑮】2023版

前回の分析

〇マクロ分析【問題構成の変遷】

・大問1【評論】

大問1の問題構成

→後述するが、2023年度からやや作問傾向が変わったと見られる。この年だけが「特異年」である可能性もあるが、2023年は記述分量が非常に少ない。年々一問当たりの字数設定も短くなってきているのでその流れのの中にある、とも言えるが、それにしても減りすぎではないか?

・大問2【評論】

大問2の問題構成

ここには書いていないが、2021年までは大問2にも漢字問題が出題されていた。昔からよく意味が分からないなと思っていたが、やはり作問方針がちょっと変わってきているのだろう

〇ミクロ分析【文章/設問の分析】

・大問1【評論】

<文章>

【分析】
・文章量 : やや少なめ~標準
→ 2023年は外れ値か、それとも新傾向として定着するのか。
3,600字程度(通読6-8分)か4,700字(通読8-10分)か。長くても短くても対応できるように。

・文章の傾向 : ランダム
→特定の傾向はない。2022年以前は「短くて難しい」だったが、2023年は「長くて普通」という印象。

<設問>

【分析】
・記述

<換言問題> 42%(比喩換言9%/定義語換言33%)
<理由説明> 58%

理由説明問題が非常に多い。理由説明をしながら定義語換言などが絡んでくるという複合的なものが多いのも特徴。100字超えてくる記述も多いからね。そらそうよ。

・大問2【評論】

<文章>

【分析】
・文章量 : やや少なめ~標準的
→大問1と同じなので割愛。

<設問>

【分析】
・記述
<換言問題> 67%(指示語換言12%/比喩換言25%/定義語換言25%)
<理由説明> 33%

→こちらは換言問題が中心。大問1と同様に設問の指示がとても長いので確認しながら読んでいこう。

〇対策法

・想定時間配分

試験時間:90分
想定時間配分
現代文(大問1~2)60~70分
古文(大問3)20~30分

→古文もそれなりの分量があるので、出来れば30分かけたいが……現代文も70分欲しい。そういう意味では2023年ぐらいの分量の方は適量なのか?

・設問分析

①作問方針について
前述の通り2023年は記述の総字数、文章量など前年までの入試と大きく方針が変わっていると言える。記述量は例年の総字数が700字程度だったにも拘わらず、2023年は450字と65%程度にとどまっているのに対して、文章量は例年2題合わせて7,000字程度だったものが2023年は9,000字を超えており、130%程度の分量となっている。
大学側は「文章は読みやすくしといたで!(ただし長いけど)」というような意図を書いているが、文章が長いというのはそれだけでストレスを受験生に掛けるので、厄介ではある。
また、記述問題は「長いほど難しい」というわけではない(むしろ短い方が難しいことの方が多い)が、それでも200字overの記述を書けという問題設定はそれだけで難易度を上げていたと言っても過言ではないので短くなりつつあるのは適正な動きであると感じる。

②少し変わった問題を出したい意思を感じる
2022年の大問2の問1の実験結果をまとめさせる問題や、2023年の大問2のようにメタファーの意図を書かせる問題(これに近いものは大阪大学文学部の小説にも出題されているが、少しテイストは異なる)など、やや風変わりな問題を出題している。(2023年に関しては比喩換言の範疇に収まると言えるが)
とにかく、設問指示に従って解いていこう

・タテ?ヨコ?

2022年以前であればタテ過去問を古い年度まで掘り下げて実施)がおすすめだったが、2023年を踏まえるとヨコも視野に入れたい。候補になるのは神戸大学や東北大学(字数設定と比喩換言の多さ)であろう。

以上。次回は上智大学の全学部入試の分析です。

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