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【コラム】ふと、思ったこと⑥〜投手的な職業

◇中日の立浪監督の嘆き

私の応援している阪神タイガースもたいそうな貧打線だが、それでもドラフト1位野手の居並ぶクリーンナップや俊足の1-2番など、それなりに見どころはある。機能すると得点力も……それなりにある。しかし、6番以降の打者があまりにも貧弱で、やはり勝ちきれないゲームも多い。

しかし、それに匹敵するほど打線が弱いように思われるチームがある。そう、中日ドラゴンズだ。

阪神と中日の試合は共に本拠地が広く、なおかつ投手力は充実しているため、基本的に落ち着いた(無抵抗な)試合が多くなる。そんなシンパシーを感じる中日の立浪監督の嘆きである。

対策を練ったことが出来ない。

これは高卒ルーキーにしていきなり開幕ショートのスタメンを勝ち取り、なおかつゴールデングラブ賞を獲得し、その後リーグを代表する中距離打者として20年以上君臨していた立浪和義選手にはなかなか理解出来ないことなのかもしれない。

敵ながら、立浪選手の右中間や左中間を割る華麗なツーベースには見惚れていた。身体が小さいながらも一発もある。リーダーシップもありそうだ。そんな超一流プレーヤーはまだそこには到っていない選手たちを見て、少し歯がゆいのかもしれない。

まあしかし、その「対策を練ったことが出来ない」のが打線ならある程度早い仕方が無いとも思える。野球における投手と野手の「確率論」の違いであろう。

◇投手と野手

野球というスポーツにおいて、打者は「失敗」が前提の存在だ。かのイチローですら6割近く失敗する。打者の大谷翔平は7割以上失敗している。

その中で「練習で上手く出来ていた」ものが本番で高い再現性を発揮できるかは、相応に難しいのだろう。

一方でピッチャーは「成功」が前提となる。打者に30%打たれると失格の烙印が押される。7割抑えているのでは駄目なのだ。その意味では練習においても高い再現性が発揮できるかが重要になるだろう。

◇講師業は投手的な職業

私が身を置く教育業界、中でも受験産業については間違いなく投手に近い能力が求められる。これは生徒も講師もだ。

講師の側では「高い再現性」(=防御率)を持って8割、9割成功する授業を続けることが低い評価にはなると思えない。(もちろんそれだけではない要素もあるのだが)

一方で受験生も失敗を恐れずチャレンジすることはあっても、失敗を前提にするのはおかしな話である。失敗ありきで受験する、、なんだか逃げ口上にも思われる。

その意味では、我々は投手的な職業なのだろう。いや、業界と言えるだろう。

私も完全試合を目指して今日も教壇に向かう。

ふと、思ったこと。

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