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早大本庄の国語(2022最新分析)

〇忘れれていた分析記事

昨日、慶應志木高校の国語の分析を載せた。

ここら辺は保護者の皆様の関心が高いのか、直前に公開したにもかかわらず一日でまあまあの反応があり、書いた甲斐があるものだと思った、

さて、本日は2/9実施、早慶附属高校で最大規模の入試が行われる早大本庄の国語入試を分析していく。

かつての分析が…あれ、ない……。
どさくさに紛れて作っていなかったようだ。では改めて初めての分析をしていく。

〇早大本庄の問題形式

早大本庄の問題形式は以下のようにほぼ決まっていると言っていい。

<制限時間>50分
<大問> 2題
<文章の種類> 評論1題+小説or随筆or評論(鑑賞文のようなもの)

私が知っている最古の問題は平成7年のものだが、そのころにはすでに現在の形式であった。よって、2022年もこの形式と考えていていいだろう。
大丈夫、もし変更されたら数千人の受験生がパニックになるだけだ。

〇早大本庄の設問内容

設問内容はおおよそ以下の通りだ。

<大問をとわず…>
① 記述問題 : あり(ただし、ない年もごく稀にある)
         50字前後/大問ごとに1~2題
② 漢字問題 : 読み/書きともに出題。基本的に各5題。
③ 知識問題 : 四字熟語、諺・慣用句、文学史が数題。比重は低め。
④ 読解問題 : 客観系問題も出題。特に抜き出しがやや面倒。


これもほとんど変わっていない。
奇をてらう問題はほぼない。オーソドックスな設問が並ぶ。
ここで勘違いしてはならないのだが、「オーソドックス」は「イージー」ではないということだ。
※ただ、オーソドックスな問題なので前回の慶應志木のように書けるネタは少ない。

〇早大本庄の国語の特徴(通年分析)

① とれるところをミスなくとり切る受験生が合格する

慶應志木は文章も長ければ問題も多い、という手数勝負の側面があるので、「得点できるところをしっかりととる」という戦略だが、早大本庄はそれに加えて「ミスをしない」戦略が求められる
そもそも、まともに過去問対策や早慶レベル対策の国語の授業を受けていれば早大本庄で時間が不足するというケースはあまりない。それは問題文の長さも適量で、設問も各大問6~7題前後であり、それほど負荷を感じることのない設計になっているからだ。
だからこそ、取れる問題をミスをせずにとり切る、ということが求められる
これは恐らくどの科目にも言えることであり、私の経験上早大本庄を「受かると思ったのにダメだった」生徒のほとんどがミスで自滅パターンである。逆にそこさえクリアできれば逆転合格も多くおこる高校である。明後日(2022/2/9)に受ける方は気を付けていただきたい。

② オーソドックスだが簡単ではない

これは国語に関してだが、国語が得意な生徒でも、早大本庄の採点を「私が」すると(=受験生のザル採点ではない状態で測ると)基本的には80点台をとれると超優秀、というイメージである。平均すると合格者でも60点台ぐらいに収まるイメージか。
英数は得意な生徒だとそれぞれ満点が取れるが、国語はそうはいかない。これはなぜかと言えば、単純に文章内容の質の高さ、それに伴う設問の難易度の高さが挙げられる。
たとえば、2015年の大問一で出題された『わかりやすいはわかりにくい?』/鷲田清一は2012年明治大学、2011年の青山学院大学、2009年の上智大学などの難関私立大学でも、さらには2011年の筑波大学と難関国公立大学でも出題された文章だ。
設問に目を移すと、抜き出し問題は例年やや難しいものが散見される。無駄に時間を使わずに出来るところから処理していきたい。
記述問題はそれほど難しいものではないが、それはあくまでも「早慶附属高校」という物差しで測ったときの難易度であることは述べておこう。

③ 特筆すべき年度


<評論>
2011年度 安宅温『詩人 塔和子の半生』

→ ハンセン病の詩人・塔和子を扱った作品。韻文もその中に出てくるが、これこそ「複数文」の読解(=共通テストにも通ずる)を無理なく成立させている問題と言える。

<小説>
2014年度 万城目学『ザ・卍固め』

→ 影を取り上げた作品。「声の教育社」の文章が本番同様であった。
問題も面白いが、文章が面白い。その面白味が理解できるところまで読解力を深めてほしい。

〇早大本庄対策としてやるべきこと

① 文章内容を正しく読解できる能力
② 設問要求に対して正しく表現できる能力
③ 漢字、語句知識などを広く学習する努力

以上です。今後の高校入試関係の更新は滞る可能性がございます。
よって2023受験生向けの記事として書いていく予定です。

2022年受験生は悔いなく頑張ってください。

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