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高校入試国語 問題分析② 福岡県立高校入試

◇前回は日比谷高校

先週から始めた高校入試の分析ですが、日比谷はもともと受験生を担当していたこともあり、熱量の高い記事となりました。

ありがたいことに多くの方々に閲覧いただきました。引き続きよろしくお願いいたします。

◇今回は福岡県立高校

○福岡県立高校の入試の仕組み

さて、今回は福岡県立高校についての分析です。
北九州予備校に出講していた当時は博多駅、小倉駅のどちらか、あるいはいずれも出講していたので、なじみのある高校名が非常に多いです。

前回の記事でも触れたとおり、「どうやったら合格するか」の戦略は私には立てられません。
何事もそうですが、インターネットの受験情報はやはり気を付けて扱うべきです。「こうやったら合格する」「この方が合格しやすい」というような甘言は普遍性のあるものではなく、「ポジショントークのための強引な誘導」であることもしばしばです。(そして大した情報でもない)

よって私は「国語の問題にどのように向き合うか」という観点に絞ってお話をしていこうと思います。

そのうえで、簡単に概略をまとめると以下の通りのようです。

・学区制がある
・各科目60点満点
・調査書(内申点)は9教科×5点=45点満点

〇国語の平均点

全県の2022年の平均点が39.9点
毎年の推移も35-40/60点の推移なので、60%台となる。

ここから考えると修猷館や筑紫丘、小倉高校などの学区トップ高だと90%ぐらい、少なくとも50点以上は必要そうですね。2~3番手高でも45点ぐらいは必要なのでしょう。

そんな観点で問題を分析していきます。

◇2022年の問題の分析

〇大問1 評論

【全体概観】
・語句知識、選択肢、記述と非常にバランスがいい。
・文章の分量が絶妙。過重ではないのでしっかりと力が出る。

【設問】
問1 接続語 平易
問2 文法 やや平易 形容詞と連体詞の識別。頻出。
問3 選択肢 標準 換言問題。一般的な公立入試レベル
問4 記述 やや難 比喩換言。いい問題。中堅では差がつく。
問5 
⑴ 抜き出し 標準 探せば見つかるが、時間はかけたくない。
⑵ 記述 やや難 共通レベルの問題ではハイクオリティ。上位は勝負所。
問6 選択肢 標準 よくある論理展開の問題。確実に取りたい。

【目標得点】
トップ校レベル狙い 10/12点
平均点狙い 7/12点

〇大問2 小説

【全体概観】
・小説の問題としては標準的。
・派生している問題が面白い。小説でやるのか…。という。

【設問】

問1 やや平易 脳裏。語彙力。
問2 平易 人物把握。確実に取りたい。
問3 標準 記述。書くべき箇所はわかりやすい。「体言止め」に注意。
問4 
ア・イ 標準 抜き出し 頑張って探す。
ウ やや難 上位生は勝負所。抽象化が求められる。非常にいい問題。


問1 やや難 情報の整理 中堅校狙いは勝負所。上位は正解してほしい。
問2 平易 漢字
問3 標準 漢字 選択肢の漢字が少し難しい。
問4 やや平易 漢字  探す。
問5 標準 漢字  問われていることが分からないとミスる。

【目標得点】
トップ校レベル狙い 19/21点
平均点狙い 15/21点

〇大問3 古文

【全体概観】
・漢文の知識も必要。(出題の無い公立入試もある)
・現代語訳付きだが、複数文の一応必要。
・上位校狙いは高得点が必須。中堅狙いは差がつくかと。

【設問】
問1 平易 歴史的仮名遣い
問2 標準 漢文。苦手な人は苦しいか。
問3 やや難 そもそもの言葉の意味が分からないと選べない。
問4 標準 中堅校狙いの人は勝負どころか。
問5
ア・イ 標準 空欄補充 現代語の語彙力勝負。

ウ 標準 記述 現代語訳をよく読むこと。

【目標得点】
トップ校レベル狙い 10/12点
平均点狙い 7~8/12点

〇大問4 作文

【全体概観】
・標準的な公立高校入試の作文問題
・原稿用紙の使い方の確認を。
・条件を守ること。この読み落としに注意。

【目標得点】
トップ校レベル狙い 15/15点
平均点狙い 10/15点

◇感想

〇問題バランスが非常に良い

共通問題は得てして某K奈川県のように「簡単すぎる」ものになりがちだが、程よく難問もあり面白い構成である。

〇とはいえ上位生を図るには不適

とはいえ、トップ校の入試を考えると物足りない。日比谷高校の問題や大阪府立のC問題と比較すればその差は歴然である。

以上、今回はここまで。

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